日向坂46の今年2作目となるニューシングル「月と星が踊るMidnight」が10月26日にリリースされた。
表題曲「月と星が踊るMidnight」でセンターを務めるのは、一期生の齊藤京子。冠バラエティ「キョコロヒー」(テレビ朝日系)への出演など個人でも広く活躍する齊藤だが、日向坂46に改名した2019年以降の作品でセンターポジションに就くのは今作が初となる。また今作には、9月に加入が決定した四期生の12名が初参加。四期生のみで歌うオリジナル曲「ブルーベリー&ラズベリー」が初回限定盤 TYPE-D限定のカップリング曲として収録されているほか、四期生のドキュメンタリーや初のフォトセッションの模様を追ったメイキング映像も楽しめる。
一気に30名を超える大所帯となり、グループとしての過渡期を迎えた日向坂46。音楽ナタリー3回目の登場となる本特集では、2015年11月のグループ結成から活動を続けてきた一期生から高本彩花、東村芽依の2人に話を聞いた。1998年生まれの同い年でプライベートでも親交の深い仲良しコンビ“あゃめぃちゃん”は、変化していく日向坂46をどう捉えているのか?
取材・文 / 臼杵成晃撮影 / 須田卓馬
ちょうどいい2人
──高本さんと東村さんはユニット曲「夢は何歳まで?」(2021年10月発売の6thシングル「ってか」カップリング曲)を歌うなど、何かとコンビになることが多いですよね。プライベートでも仲がいいようですけど、何か特別波長が合うようなところがあるんですか?
高本彩花 合うよね? 波長。
東村芽依 うん。ふふふ。
高本 なんだろう。私たちは趣味が一緒です。
東村 趣味というか、好きなものが似てる。洋服とか「かわいいな」と思うものが似ていて、好きな食べ物とかも同じなんです。
──なるほど。そうすると買い物や食事も一緒に行く機会が多くなるでしょうし、自然と距離が近くなる。
高本 そうですね。一緒にいてラクなんです。
──お互いのことを理解できている?
高本 はい。
東村 ……はい(笑)。
高本 あははは(笑)。
──「ここは理解できないな」と思うところはありますか?
東村 理解できないところ? いやー、ないです。
高本 ないですね。よくわからないところも含めて「それが芽依」という感じなので。
──ではお互いに「ここが好きだ」というポイントは?
高本 芽依は自分から誘ってくることはあまりないんですけど、こっちが誘うとすごくいろんな提案をしてくれるんですよ。いつもこちらが誘うから「もしかして嫌なのかな」と勘繰ってしまうんですけど、でも誘ったら「だったらここがよくない?」とか「ここかわいいやん」とか、具体的な予定を立ててくれる。
──発案する人と、アイデアを出す人。
高本 そうなんです。そこも合ってるというか、ちょうどいい関係で。
──逆に東村さんにダメ出しをする部分はありますか?
高本 えー? ないです。ダメ出し……なんだろう、ちょっと考えてみますね。……あ、あります。いろんな美容院に行くところ。
東村 えへへ。
高本 いつも髪のことで悩んでるんですよ。「今日は染まりすぎた」とか「せっかく美容院に行ったのに全然変わんなかった」とか「めっちゃ切られた」とか(笑)。いつも言ってる。でもそれって、いつも違う美容院に行ってるからなんですよ。染めるとダメージが出るから、同じ美容院に行かないと履歴がわからなくて美容師さんも困るらしいんです。すっごいいろんなところに行くから「それはさ、同じところに行かないとダメだよ」って何度も言ってます(笑)。
──すごく具体的なダメ出しでしたね(笑)。
高本 そこが唯一のダメ出しポイントですね(笑)。
──東村さんはどうですか? 高本さんの好きなところと、ダメ出しポイント。
東村 彩は「予定を立ててくれる」と言ってましたけど、私はしっかりしてないから予定を立てても自分で動けないんですよ。彩が目的地をマップで確認してくれたりするから、私はそれに付いて行く感じですごく助かってる。
──提案する人と、実行に移す人。
東村 ホントにちょうどいいんです。ダメなところ……えー? ずっと「あつ森」をやってるところ?
高本 (笑)。
東村 ダメ出しというほどではないんですけど、ずーっとやってます。この前一緒にユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったんですけど、新幹線に乗った途端に「あっ、あつ森しなきゃ!」って、別にやらなくてもいいのに「やらなきゃいけないこと」みたいになっていて(笑)。
新メンバー大量加入は日向坂46の未来を考えれば必然
──ニューシングルの話の前に、ここ最近の日向坂46についての話を。今は全国4都市を回るアリーナツアーの真っ最中ですが、ツアーはいかがですか?
高本 ツアーは去年に比べたら本数が少なくなっていて。今は愛知と兵庫が終わったところで、あとは神奈川と東京だけで(※取材は10月上旬に実施)、しかも少し間が空いているから……あまりツアーをやっている実感がないんですよね。
東村 言われてみれば「ツアー中……なのか」みたいな。
──確かに、去年が6都市13公演だったのに対し、今年は4都市8本になったうえに前半と後半で1カ月のブランクがあるから、実感を持ちにくいかもしれないですね。
高本 そもそも去年のツアーが日向坂46にとっては初めてのツアーで。初めてだからこそ「ツアーだ!」という実感があったから、比べて今回はどちらかというと「1つひとつ単発のライブをしっかりこなしている」という印象です。ファイナルを迎える頃には少し意識も変わっているかもしれませんけど。
東村 セットリストは今までと少し雰囲気が違いますね。ハッピー全開でブチ上げて始まる、みたいな形が日向坂46のライブでは定番になっていたけど、今回はクールに始まるんです。
高本 うん。日向坂46はハッピーに攻めていくライブが多かったので、いつもと違う表情を見せて、日向坂46にとって新しい一面を作っていくのがこのツアーの課題なのかなって。
──東京ドームという大きな目標(参照:日向坂46、ついに“約束の彼の地”に立つ!東京ドーム「ひな誕祭」は新たな出発の場所に)をクリアしたその先、さらには四期生の加入という大きな転換点を迎えている中でのツアーだから、新たな側面を求められているというのはあるかもしれないですね。それにしても、新メンバーが一挙に12名加入というのは驚きましたが(参照:日向坂46に4期生が加入、ティザー映像に新メンバーの姿&明日よりプロフィール動画公開)。単純に「多いな」と思いませんでした?
高本 これから先の日向坂46の未来を考えたときに、このタイミングで、そのくらいの人数になるのは必然だなと思っていました。この夏、二期生の(渡邉)美穂が卒業したじゃないですか(参照:日向坂46のムードメーカー渡邉美穂が卒業、空柄ドレスで22人最後のステージ飾る)。一期生だって長く続けてきて……誰もそういう雰囲気を出しているわけじゃないですよ?(笑) でもいつかは絶対に卒業するわけで。今のうちから新しいメンバーをたくさん迎え入れて育てるというか、日向坂46が長く活動していくためにはそうやって考えていかないといけないんだと思います。だからきっと12人というのは妥当な数字で。私たち一期生も11人でスタートしていて、その感じをちょっと思い出すというか。
──なるほど。グループ立ち上げからのメンバーであるお二人にとっては、これまでの二期生、三期生の加入やメンバー卒業を経験して、日向坂46はどのように変化してきたと感じていますか?
高本 変化かあ。一期生はわりと何も変わってないんですよ(笑)。人間性というか性格というか。
東村 グループ全体の雰囲気は少なからず変化していると思うんですけど、一期生があまり変わらないから、そんなに実感がないですね。
──一期生の持っているムードや性格が日向坂46全体の印象を形作っていて、それは後輩メンバーにも伝播しているなと感じます。いい意味であまり大きな変化をしていないというか。
高本 (佐々木)久美がキャプテンでいる限り、この雰囲気は変わらないのかなと思います。
──日向坂46は選抜メンバーではなく全員で活動することが多かったけど、30人を超えるグループになると、これからはそうもいかなくなるのかなと。日向坂46はみんなで一丸になって戦うグループという印象があるので、そこが崩れてしまうのは心配というか、ちょっと嫌だなと思うんですよね。
高本 そう言っていただくことが本当に多いので、実際にそうなったときは不安ですね(笑)。今、坂道グループでは日向坂46だけが全員選抜でやっているので、どういう形になるかわからないけど、可能性としてはあると思います。
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センターは齊藤京子「ついにこの時が来た」