GLIM SPANKY|自らの奥深くを掘り起こした、フルアルバムへの導入編

本当に月に恋しちゃっている

──そして最後の「お月様の歌」ですが、どうしたんですか、このピュアすぎるラブソングは。

松尾 これはタイトル通り、お月様のことを歌っているんです。私は昔からお月様に恋い焦がれていて、毎晩月に出会うたびに「こんばんは、お月さん」って挨拶するんです。そのぐらい、人格のように恋愛の対象なんですね。これは幼い頃から好きだった幻想文学やシュールレアリスムのアートや映画や絵本のようなカルチャーと同じく、GLIM SPANKYを形成しているすべてにつながっているんです。そんな月に対しての憧れが毎日抑えきれなかったので、一度、ちゃんと曲に書きたいなあと思って、ポロンとギターを弾いたらできました。

──編曲とストリングスに四家卯大さんが参加していますね。

松尾 四家さんのストリングスとアコギだけの曲にしたかった。メロディも、とにかく強さのない、なだらかな感じですよね。イメージしたのは1930年代から40年代の、アメリカの映画音楽の雰囲気でした。

亀本 この曲は本当に素のレミさんだよね。

松尾 亀はずっとこう言ってますね(笑)。実際、私は実家ではいつも月が出たらカーテンを全部開けて、月明かりを浴びて、愛しい彼(=月)の光の中で眠っているので、本当にこのまんまなんですよ。

──実はこの歌詞って、例えばデヴィッド・ボウイのように亡くなってしまったロックスターとか、もしくはリアルに好きな人を月という存在に代えて書いたものなのかと思ったりもしたんですが、マジに月だったか……(笑)。

松尾 すみません、それはなかった。本当に月でした!(笑)

──お月様のことが好きでたまらなくて書いた曲が、GLIM SPANKY至上最もピュアネスな曲になったという(笑)。松尾レミ、乙女かよ?と(笑)。

松尾 もうねえ、本当に月に恋しちゃっているので、しょうがないんですよ!(笑)

このミニアルバムでいい手応えをつかめた

──さて、来たる3rdアルバムに向けた導入編というか導火線となるはずの全5曲について伺いました。アルバムのアイデアや曲はすでに溜まってきているのでしょうか?

亀本 まだこれからですね。この前、一緒にお茶していたとき、レミさんに「次のアルバムの打ち合わせしようよ?」って言ったら「まだいい」と断られました(笑)。

──断られた(笑)。

GLIM SPANKY

松尾 もっと自分の中で機が熟さないとイヤなの!

亀本 打ち合わせぐらいしたっていいじゃん!

松尾 そういう気にならないの!

──それを取材の場で言い合いますか(笑)。

松尾 でもそろそろイメージは浮かんでいるので。お互いにこのミニアルバムでいい手応えをつかめたし、今回のミニアルバムに入れなかったいい曲もまだあるし。

亀本 それがまたかなりいいんですよ。まあ売れそうな曲じゃないけどね(笑)。

松尾 絶対に売れないね(笑)。

──この取材(3月上旬に実施)のあとは6月まで、全国のイベントに出演しますね。そして3月末には台湾の「MEGAPORT FESTIVAL」というフェスへの出演も予定されています。以前から待望していた初の海外ライブですが。

松尾 ここからまた新たな幕開けという気持ちです。意義のある一歩だと思うので、今後につなげていけたらと思います。

GLIM SPANKY「I STAND ALONE」
2017年4月12日発売 / Virgin Music
GLIM SPANKY「I STAND ALONE」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
2916円 / TYCT-69115

Amazon.co.jp

GLIM SPANKY「I STAND ALONE」通常盤

通常盤 [CD]
1944円 / TYCT-60098

Amazon.co.jp

CD収録曲
  1. アイスタンドアローン
  2. E.V.I
  3. Freeder
  4. 美しい棘
  5. お月様の歌
初回限定盤DVD収録内容

全国ワンマンツアー "Next One TOUR 2016" ファイナル公演(2016.10.30新木場STUDIO COAST)ライブ映像

  • NEXT ONE
  • ダミーロックとブルース
  • 闇に目を凝らせば
  • grand port
  • 時代のヒーロー
  • いざメキシコへ
  • 風に唄えば
  • 怒りをくれよ
  • 大人になったら
  • ワイルド・サイドを行け
  • リアル鬼ごっこ
GLIM SPANKY 野音ライブ 2017
  • 2017年6月4日(日)東京都 日比谷野外大音楽堂
  • 2017年6月17日(土)大阪府 大阪城音楽堂
GLIM SPANKY(グリムスパンキー)
GLIM SPANKY
松尾レミ(Vo, G)、亀本寛貴(G)による男女2人組のロックユニット。2007年に長野県内の高校で結成。2009年にはコンテスト「閃光ライオット」で14組のファイナリストの1組に選ばれる。2014年6月に1stミニアルバム「焦燥」でメジャーデビュー。その後、スズキ「ワゴンRスティングレー」のCMに、松尾がカバーするジャニス・ジョプリンの「MOVE OVER」が使われ、松尾の歌声が大きな反響を呼ぶ。2015年7月には1stアルバム「SUNRISE JOURNEY」をリリース。10月には東京・赤坂BLITZにてワンマンライブを実施した。7月20日に2ndアルバム「Next One」を発表。収録曲「怒りをくれよ」は映画「ONE PIECE FILM GOLD」主題歌に起用された。2017年4月に3rdミニアルバム「I STAND ALONE」をリリースする。リード曲「美しい棘」はテレビ朝日系で4月13日より放送されるドラマ「警視庁・捜査一課長 season2」の主題歌。