メイリアが12人いる
──tokuさんが “普通”とおっしゃった楽曲面も、前2曲と対照的と言うか、温度差がすごいですよね。「君が生まれた日」はピアノとアコギ、ブラスも入った温かいアレンジで。
toku 確かに。
メイリア 「Error」と「anymore」は冷え冷えだったもんね。
toku 「君が生まれた日」で実際に生で録ったのはベースとギターだけで、あとは自分でプログラミングしたんですけど、こういう編成のアレンジって、ガルニデではやってなかったなって。
メイリア アレンジャー時代はこういう感じの、王道ポップス的なアレンジが多かったよね。
toku うん。なので当時を思い出して、衝動的に。と言うか、メイリアの歌詞によって、ひさしぶりにこういうアレンジをやってみようという衝動が起きた感じですね。
──メイリアさんのボーカルも、無機質だった前2曲とは打って変わって温かさがあって。かつゴスペル的な黒いニュアンスもありますよね。
メイリア そう。まさにゴスペルとか、コーラスグループみたいな感じが思い浮かぶような楽曲なので、意外とパワフル系なんです。だからコーラスはすごい分厚く。っていうか、これめっちゃコーラス録ったよね?
toku うん。1つのパートに対して4声重ねてるから。
メイリア 高い音、低い音、真ん中を、4つずつ録ってるんで、メイリアが12人いるね。
toku 基本的に、メイリア12人体制。
メイリア それプラス、フェイクを足したりもしてるんで、多いときでたぶん18人くらいいるんですけど。もともと私はコーラスグループにいたんで、1人多重コーラスみたいなのは録ってて楽しかったんですけど、時間はめっちゃかかりましたね。何しろ12人分録ってるんで。そんな分厚いコーラスにも、ちょっと耳を傾けてもらえるとうれしいです。
toku まあでも、「君が生まれた日」はほとんど迷わずに、サクっと作れちゃった感じだよね。「Error」と「anymore」は、ホントに時間かかったから……。
メイリア あれはね、サウンドがね。
toku そう。曲ができてから、マスタリングが終わるまでの道のりがめちゃめちゃ長かったんですよ。結局、「Error」と「anymore」に関しては、CDとハイレゾ音源でマスタリングを変えています。表向きにそういう表記はないんですけど、ハイレゾ版はきれいなマスタリングで、CDはちょっと突っ込んだ、フロア向けな感じに。これはね、ぜひ書いてください(笑)。
メイリア 聴き比べてほしいよね。
ようやく出したかった色を出せた
──最初にアルバム曲の「EXXXTASY」が今回の「Error」につながっているとtokuさんがおっしゃいましたが、アルバムで蒔いた種が着実に芽を出していますね。
toku ありがたいことに。
メイリア うれしいよね。ちゃんと伝わってるんだなって。
──振り返ると、この「Error」含む直近3枚のシングル表題曲は、すべて“いつものガルニデ”とは違いますし。
メイリア 確かにそうですね。「Désir」にしても「アイコトバ」にしても。「Error」を作れたことによって、自分たちの方向性が固まったんですよ。つまり「ガルニデはこのスタイルを貫いていこう」っていう、覚悟の1枚になったなって。
toku もしくは、ガルニデ結成時からやりたかったのは、この感じ。僕らがガルニデを結成して初めてニコ動にアップした「Hands」っていう曲があるんですけど、それを聴いていただくと、「Error」に通じるものがあるんじゃないかと思います。
メイリア これなんだよ、たぶん。
toku これだね。ここに来たかったんだよ。
メイリア だから、「Hands」が原点であり、集大成でもあったと思うんですよ。そこからロック寄りになったりもしたんですけど、それは「そのほうが刺さりやすいしね」みたいな(笑)。
──身も蓋もない(笑)。
メイリア もちろん、嫌々やったわけじゃないですよ(笑)。やっぱり、好きなことをやるのも大事だけど、そのためにはガルニデという存在をもっと知ってもらわなきゃならない。そう考えたときの選択肢が、デジロックサウンドだったんです。もともとtokuさんもbeaticaでデジロックやってたし、それを受け継ぐような形でね。
toku うん。
メイリア その方向性は、今に至るアニメ作品とのリンクみたいな部分も含めて正解だったと思ってるし、デジロックをやったことで音楽的に得たものもたくさんあるんですよ。ただ、根っこにはダンスミュージックがあったので、それを「こういうのどうですか?」って、ジャブを打つみたいな感じでカップリングやアルバムにちょっとずつ混ぜたりして。
──探りを入れて。
メイリア 「みんなはこういう曲にどう反応してくれるんだろう?」とか、様子をうかがいながらやってきた感もちょっとあるんですけど、ようやく自分たちの出したかった色を今回シングルで出せた。それはホントにうれしいことだし、今までやってきたことが全部つながってるなって思います。
- GARNiDELiA「Error」
- 2018年1月31日発売 / SACRA MUSIC
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初回限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL-1156~7 -
通常盤 [CD]
1296円 / VVCL-1158 -
期間生産限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL-1159~60©2018 長谷敏司・redjuice・monochrom/KADOKAWA/BEATLESS製作委員会
- CD収録曲
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- Error
- anymore
- 君が生まれた日
- Error instrumental
- Error TV Size ver.(期間生産限定盤CDのみ)
- 初回限定盤DVD収録内容
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- Error Music Video
- ORiGiNAL(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~)
- BLAZING(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~)
- 変わらないモノ(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~)
- 期間生産限定盤DVD収録内容
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- Error Music Video
- GARNiDELiAワンマンライブツアー
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- 2018年4月7日(土)大阪府 BananaHall
- 2018年4月14日(土)愛知県 ElectricLadyLand
- 2018年4月29日(日・祝)東京都 中野サンプラザホール
- GARNiDELiA(ガルニデリア)
- モデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、さまざまなアーティストへ楽曲提供を行うtoku(Key, Compose)からなるユニット。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューする。その後も数多くのアニメソングのテーマ曲を手がけ、2015年1月にメジャー1stアルバム「Linkage Ring」を、8月にはインディーズ時代の楽曲を集めたベストアルバム「BiRTHiA」を発表した。2016年8月に表題曲がアニメ「クオリディア・コード」のエンディングテーマに採用されたシングル「約束 -Promise code-」、12月に2ndフルアルバム「Violet Cry」をリリース。2017年6月に映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌「SPEED STAR」をシングルとして発表する。海外での活動も活発で、2017年5月には中国・上海で単独公演を行った。秋には「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017」と題しアジアツアーを行った。11月にアニメ「アニメガタリズ」のオープニングテーマ「アイコトバ」をシングルリリース。2018年1月にアニメ「BEATLESS」のオープニングテーマとして書き下ろした「Error」をシングルとして発表した。