GARNiDELiA|ガルニデ色を突き詰めた集大成的ダンスチューン

tokuさんは何屋さんなの?

──アレンジ面に関して、ストリングスのほかにハープが入っているのも面白いと思ったんです。なぜハープを?

toku これも水島監督から「EDMなんだけど、何かヒューマンな楽器を入れてほしい」というオーダーをいただいて。ただ、ストリングスも生で入れてるんですけど、音域がわりとシンセに近いので、あんまり色が出ないんですよ。じゃあ、もっとヒューマンな音を出せる楽器はないかなと考えて、思い付いたのがハープだったんです。

──なるほど。

toku 大昔に、僕がスタジオのアシスタントとかをやってた時代に知り合った朝川朋之さんというハープ奏者の方がいるんですけど、その朝川さんに弾いてもらえたら最高だなって。でね、僕がそのとき最初にイメージしたのが、m-floさんの曲で鳴ってるハープの音なんですよ。特に2000年代初頭あたりの。

メイリア 「come again」とかね。

toku そうそうそう。僕もm-floさんは大好きだし、ああいうふうにハープで生感を出したいって思ったときに、調べたら同じ人がハープを弾いてたんです。

メイリア あれ朝川さんだったんだ? すごーい!

toku 「これはもう朝川さんしか考えられない」と、一応Facebookではつながっていたので「10年ぶりくらいですけど……お願いしていいですか?」みたいに連絡を取り。そのハープのレコーディングでも、僕が自分でマイク立てて、いろいろ角度を変えてみたり。

メイリア tokuさんは何屋さんなの?

──ははは(笑)。もはやエンジニアですよね。

toku という意味でも、いろんなことができた1曲でした。

世の中的には“Error”でも、自分にとっては“Error”じゃない

──かくしてアニソンらしからぬアニソンになったわけですが、とは言え歌詞はアニメに寄り添った内容になっていますね。

メイリア はい。水島監督が「このアニメで現代版のアダムとイブを描きたい」とおっしゃっていて。それは簡単に言えば、人間と、人間ではない存在の共存だったり、そこから生まれる何かだったりを描きたいというお話だったんですけど、それを踏まえて脚本を拝読しまして。で、「BEATLESS」は近未来の、労働やら何やらをほとんど人型ロボットが担っている社会を舞台に、人間の男の子と、ロボットの女の子を中心に展開していく物語なんですね。その女の子は見た目は人間そっくりなんですけど中身はAIなので、世の中的には彼女は“モノ”なんです。でも、主人公の男の子はそうは考えない。

──「Error」という曲名は、その主人公の、世の中的には“間違い”とされる行動と、「システムエラー」のように使われるコンピュータ用語の“エラー”をかけている?

メイリア おっしゃる通りです。AIだろうがなんだろうが、周りから「お前は間違っている」と言われようが、彼女は単なる“モノ”ではない。世の中的には“Error”でも、自分にとっては“Error”じゃないっていうことを歌いたかったので。一般的な価値観に左右されずに自分を貫くこと、あるいはその覚悟みたいなものを表現できたらいいなと思って書きました。

──「自分を貫く」というのは、前々からGARNiDELiAが大事にしているテーマの1つでもありますね。

メイリア そうですね。アニメの主題歌の歌詞を書くときは、ガルニデの世界観とアニメの世界観をどうやってリンクせるかっていうことを当然考えるわけですけど、今回はするっとハマったかなと思います。

メイリア、AIになる

──ボーカルのレコーディングはいかがでしたか?

メイリア 「Error」は、例えばロックナンバーのようにボーカルが力で押していくタイプの楽曲ではないので、無機質な感じで歌うと言うか。アニメもAIをモチーフにしているので、極端に言えば自分がAIになったつもりで。あと、この曲はダンスを踊る前提で作ってもいて、ビジュアルでより躍動感を表現することも目指しているんですね。なので、ボーカル表現という意味では、意識的に、普段よりフラットに、あえてあまり抑揚をつけずに歌いました。

toku この曲は途中で3拍子に聞こえたり、拍子を3+3+2に分割したりっていうギミックが詰め込まれてて、音楽やってる人が聴いたら「あれ? どっち?」みたいに混乱すると思うんです。それを唯一つなぐのがメロディだったりするので、メイリアにはかなり難しいことにチャレンジしてもらう格好に。でも、サラッと歌えちゃってるんで、あの、お疲れ様でした(笑)。

メイリア サラッと歌ってないからね!(笑) 「めっちゃ難しいんですけど!」って思いながらやってるけど、それを表に出さずに、涼しい顔して歌うのがAIっぽいじゃないですか。でも、サビとかホントに意味わかんないですよ。

toku 「なぜそうした?」っていう。

メイリア まあ、いつものことなんですけどね。

──「Error」はビジュアルも込みで考えてらしたということは、当然ミュージックビデオも?

メイリア めっちゃ踊ってます。たぶん全編通して踊ったのは初めてじゃないですかね。今回は、ガルニデのツアーメンバーの女子ダンサー2人に、デビュー前から交流のあるSLHっていう男子ダンスチームのメンバーを2人迎えて、男女混合で。それも初めての試みだったんですけど、かなりバキバキに、びっくりするくらい踊ってるんで、それも楽しんでもらえるとうれしいです。

GARNiDELiA「Error」
2018年1月31日発売 / SACRA MUSIC
GARNiDELiA「Error」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL-1156~7

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GARNiDELiA「Error」通常盤

通常盤 [CD]
1296円 / VVCL-1158

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GARNiDELiA「Error」通常盤

期間生産限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL-1159~60

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©2018 長谷敏司・redjuice・monochrom/KADOKAWA/BEATLESS製作委員会

CD収録曲
  1. Error
  2. anymore
  3. 君が生まれた日
  4. Error instrumental
  5. Error TV Size ver.(期間生産限定盤CDのみ)
初回限定盤DVD収録内容
  1. Error Music Video
  2. ORiGiNAL(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~)
  3. BLAZING(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~)
  4. 変わらないモノ(stellacage TOUR 2017 ~Cry Out~)
期間生産限定盤DVD収録内容
  1. Error Music Video
GARNiDELiAワンマンライブツアー
  • 2018年4月7日(土)大阪府 BananaHall
  • 2018年4月14日(土)愛知県 ElectricLadyLand
  • 2018年4月29日(日・祝)東京都 中野サンプラザホール
GARNiDELiA(ガルニデリア)
モデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、さまざまなアーティストへ楽曲提供を行うtoku(Key, Compose)からなるユニット。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューする。その後も数多くのアニメソングのテーマ曲を手がけ、2015年1月にメジャー1stアルバム「Linkage Ring」を、8月にはインディーズ時代の楽曲を集めたベストアルバム「BiRTHiA」を発表した。2016年8月に表題曲がアニメ「クオリディア・コード」のエンディングテーマに採用されたシングル「約束 -Promise code-」、12月に2ndフルアルバム「Violet Cry」をリリース。2017年6月に映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌「SPEED STAR」をシングルとして発表する。海外での活動も活発で、2017年5月には中国・上海で単独公演を行った。秋には「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017」と題しアジアツアーを行った。11月にアニメ「アニメガタリズ」のオープニングテーマ「アイコトバ」をシングルリリース。2018年1月にアニメ「BEATLESS」のオープニングテーマとして書き下ろした「Error」をシングルとして発表した。