dTV「Roots」特集 ももいろクローバーZインタビュー|濃密な時間を過ごした秋葉原で結成当初をプレイバック (2/2)

それぞれのアイドルとしてのルーツ

──皆さんがアイドルになりたい、人前に出て活動したいと思うようになったルーツについて教えていただけますか?

高城 メンバーみんな共通して小さい頃に憧れていたのはモーニング娘。さんですね。私個人としては「おかあさんといっしょ」を観て「テレビってどうやって出るんだろう」と思った記憶があります。そして小学6年生のときに「きらりん☆レボリューション」を観て「アイドルって素敵だな」という感情が芽生えました。

玉井 私も「おかあさんといっしょ」を観ながら踊ったりしていました。あとはCMの歌をやたら覚えている子供だったんですよ。それは親から唯一褒められたことで(笑)。そういうのもあってテレビはすごく好きでしたね。

百田 私は「おジャ魔女どれみ」の(瀬川)おんぷちゃんが好きで、それでアイドルというお仕事があるんだと知りました。

佐々木 小さい頃からモーニング娘。さんが好きでテレビで観て踊っていて、それがきっかけでダンスを習い始めました。具体的に「この人みたいになりたい」と意識したのは松浦亜弥さんですね。かわいいピンクの衣装を着て歌って踊って、明るく元気いっぱいで。

──佐々木さん主催の「AYAKARNIVAL」では、佐々木さんが下の世代のグループにとって憧れの対象になっているのが伝わってきます。

佐々木 私たちはモーニング娘。さんやAKB48さんに憧れてアイドルになりましたが、自分たちがそういう存在になっているのかもしれないと思うと、私たちなんかでいいのかなという気持ちもありつつうれしいですね。かわいくて歌も踊りも上手な若手の子たちを見ると、「がんばってほしいな」という思いと「負けてられないな」という刺激と両方もらいます。

佐々木彩夏

佐々木彩夏

お決まりの演出が生まれた秋葉原UDXシアター

──番組の見どころもお伺いできますか?

玉井 当時このUDXシアターのステージで歌っていた曲を選曲して歌わせていただきました。この場所で歌うのはひさしぶりだったし、当時私たちを担当してくれていたメイクさんに来ていただいたんですよ。今でも会うことはあるんですけど、この場所で一緒にお仕事するのはひさしぶりだったのですごく懐かしんでくれて、思い出話に花が咲きました。

高城 今回歌わせていただいた「オレンジノート」「走れ!」「ツヨクツヨク」の3曲は思い出深いというか、このUDXシアターと結び付きがある楽曲だったと思います。

秋葉原UDXシアターでのライブの様子。

秋葉原UDXシアターでのライブの様子。

──「ツヨクツヨク」も当時ここでたくさんやっていたんですか?

佐々木 当時自分たちの持ち曲が少なかったので、mihimaru GTさんの「ツヨクツヨク」をはじめ「words of the mind-brandnew journey-」(※オリジナル:m.o.v.e)とか「最強パレパレード」(※オリジナル:涼宮ハルヒ[平野綾]、長門有希[茅原実里]、朝比奈みくる[後藤邑子])とかカバー曲にもすごく助けられたんですよね。「ツヨクツヨク」はmihimaru GTさんからもお墨付きをいただけて、今でもライブの後半でファンの皆さんとタオルを回して盛り上がれる大事な曲になっています。タオル回しはここから始まったお決まりの演出で、そういえば「走れ!」で電気を消す演出もここでやっていたよね?

百田 今日この会場に来る移動の間に川上さんが「『走れ!』で電気を消すのを考えたのは俺だからな」ってすごい自慢してた(笑)。今でも大きな会場でやる演出だけど、最初は手動でスイッチを切ってたよね。

ももクロのライブはハッピーオーラしかない

──本日は無観客でのライブパート収録でしたが、配信ライブの醍醐味や意義はどういうところにあると思いますか?

高城 生のライブはどうしても前のほうと後ろのほうで距離の差が出てしまいますけど、配信はみんなが同じポジションで観られるし、近くで撮影しているので表情とかもわかりやすく伝わると思います。

百田 ライブを観に行くのってハードルが高いし、行きたくても場所によっては遠くて行けない方もいると思うので、配信だと気軽に観ていただけるのがいいところだと思いますね。

──UDXシアターで収録した3曲以外に、今年1月に千葉・幕張メッセで行われた「ももいろクローバーZ 13周年記念コンサート~再び、その先へ~」の映像も番組内で配信されるそうですが、生のライブの魅力についてはどうお考えですか?

佐々木 今は声を出すことはできないですけど、人目を気にせずに盛り上がれるところが私たちのライブの魅力ですね。「声を出すのは恥ずかしい」とか「振りをコピーするのは恥ずかしい」と思う方もいると思うんですけど、みんなやっているから自然とやっちゃうと思うんですよね。嫌なことを忘れて楽しめる非日常的な空間になっていると思います。

百田 ライブって本当にパワースポットみたいな感じです。私たちのライブは会場だけじゃなくて最寄りの駅や街全体がカラフルになって、ライブ会場に向かう間もワクワクすると思うんですよ。それで実際に会場に来て同じ目的を持った人たちと一緒に同じ時間を過ごすあの空間は特別なものだなと思います。

玉井 ハッピーオーラしかないです(笑)。もちろんアルバムのツアーでコンセプトを決め込んだライブもありますけど、基本的には観に来てくれた方に笑顔で帰ってもらいたい、明日からまたがんばる活力にしてもらいたいという思いでライブしているので。普段出会うことない方々がその日限り同じ空間で楽しめるのは生ライブの一番の醍醐味だと思いますし、1人で来ても楽しんでもらえるライブを作りたいといつも思っています。

玉井詩織

玉井詩織

高城 私は一体感がすごいと思います。ももクロはいろいろな方とステージで共演をさせていただくことが多いんですけど、「モノノフ(※ももクロファンの呼称)さんはマナーがいいね」といつも言っていただけるんです。今はなかなか難しいですけど、声が出せるときのコール&レスポンスなんて「事前に打ち合わせしたのかな?」って思うくらいみんなコールがそろうんですよ。人と人とのつながりで言うと、「ももクロの現場で出会って結婚しました」と言っていただいたこともあって、すごく幸せな気持ちになったことがありました。

百田 あとはライブによって生バンドだったりもするので、大きな会場で大迫力の音を味わえるのもライブならではだと思いますね。

──今回の番組でもライブ映像からその雰囲気を感じ取ってもらえるといいですよね。最後に、5月17日にリリースされるニューアルバム「祝典」についても教えてください。

佐々木 私たちもレコーディングしながらどんなアルバムになるんだろうってすごくドキドキしています。たぶんみんなが予想をしてないような1枚になるんじゃないかな。

玉井 素敵な楽曲やメッセージ性の高い曲が詰まってるので、アイドル好きの方はもちろん、今までアイドルを通ってこなかった方にも楽しんでいただけると作品になると思います!

プロフィール

ももいろクローバーZ(モモイロクローバーゼット)

百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、高城れにの4人からなるアイドルグループ。2008年にももいろクローバー名義で結成され、2010年5月にシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。2011年4月に早見あかりがグループを脱退したあと、グループ名をももいろクローバーZへ改名。2012年にグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」に初出場し、2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。2016年2月に3rdアルバム「AMARANTHUS」、4thアルバム「白金の夜明け」を同時リリースし、同月より初のドームツアーを開催。2018年5月には結成10周年を記念した初の東京・東京ドーム公演を行ったほか、ベストアルバム「桃も十、番茶も出花」を発表した。8月からは5カ月連続新曲リリース企画を展開し、2019年5月に5thアルバム「MOMOIRO CLOVER Z」を発売。2020年より配信ライブを精力的に行い、2021年4月に視聴者参加型配信ライブの映像をパッケージ化したBlu-ray / DVD「PLAY!」をリリースした。2022年5月17日にニューアルバム「祝典」をリリースする。