dTV「Roots」きゃりーぱみゅぱみゅ|親友・オカモトレイジとの世代トークで振り返る自身のルーツ

今年メジャーデビュー10周年を迎え、自主レーベルを設立するなど精力的に活動を行っているきゃりーぱみゅぱみゅ。8月27日に配信がスタートするdTVの新番組「Roots」第1回に登場する彼女は、親友のオカモトレイジ(OKAMOTO'S)とトークを展開した。またライブパートではまさにベストと言える内容のヒット曲をダンサーとともにパフォーマンスした。

音楽ナタリーでは、東京・渋谷CLUB QUATTROでライブパフォーマンスを終えたばかりのきゃりーぱみゅぱみゅにインタビュー。番組の見どころはもちろん、デビュー11年目に向けた意気込みなどを聞いた。

取材・文 / 秦野邦彦撮影 / 大槻志穂

渋谷CLUB QUATTROでの甘酸っぱい思い出

──本日はdTVでスタートするオリジナルライブ番組「Roots」のライブパート収録、全11曲におよぶ長時間のパフォーマンスおつかれさまでした!

きゃりーぱみゅぱみゅ

おつかれさまでした! コロナ禍になってからライブが全然できなかったので、こんなにがっつりできる機会を与えていただけてうれしいです。あと、いつものライブでは会場のみんなと一緒に踊れるように、手を振るだけとか簡単な振りに変えることが多いんですけど、今回は無観客収録だったので既存の振り付けをフルで全部踊ったんです。それってたぶん初めてだと思うので、ちょっとレアですね! 撮影用のカメラもたくさん用意していただいて、衣装も2種類着させていただけたので、ホントやってて楽しかったです。

──振り付けをマスターしたい人にもぴったりな番組ですね。収録が行われた渋谷CLUB QUATTROは、きゃりーさんにとってゆかりの深い場所だとか?

そうなんです。ここで初めてのワンマンライブをやらせていただきました(※2012年2月25日開催の「もしもしクアトロ」。参照:きゃりー初ワンマンでヤスタカ制作新曲、capsuleカバーも)。このときは私が当時好きだったコットンキャンディ(わたあめ)の香りを会場に付けたい!」って言ったら、スタッフさんも、クアトロの皆さんもがんばって協力してくださって。なのに実際にお客さんが入ったら、汗とコットンキャンディの匂いが入り混じって、気持ち悪くなる人が出ちゃって、急遽取り止めることになったという甘酸っぱい思い出があります(笑)。あと、初期のライブハウスツアーは照明をハート型にしていたんですけれども、そういう工夫も初めてクアトロさんでやらせてもらいました。今日も照明さんがご愛嬌でやってくださっていたので、ぜひ観ていただけたら。

──セットリストも素晴らしかったです。どの曲もまったく古びないですし、観ていてとてもハッピーな気持ちになりました。

ありがとうございます! 今日歌った中には10年前の曲もあれば最新の曲もあるんですけど、私自身踊っててもすごく楽しいし、フレッシュだし。懐かしさというより常に新鮮な気持ちで歌ってますね。このセットリストもスタッフさんと一緒に相談しながら、後半につれてちょっとずつ進化していく感じが出るように組ませていただきました。

カレンダーがdTVだらけに

──そのあたりの話ものちほど詳しく聞かせてください。きゃりーさんは現在、渋谷の最新スポットMIYASHITA PARKからお届けする公開無料生配信番組「dTV Presents KPPとBose みんなの放課後」でBose(スチャダラパー)さんとMCを担当されていますよね。

コロナ禍なのでまだちょっと実現できてないんですけど、もともとは学校帰りの学生さんたちが気軽に遊びに来られる、タイトル通り“みんなの放課後”になるような番組を想定していたんです。毎回Boseさんとユルくお届けしていますけれども(笑)。ゲストさんとリラックスしたトークをしているので素の部分も見られますし、純粋に番組をやっていて思うのは、MIYASHITA PARK内のお店のごはんを2回ぐらい食べられるコーナーが毎回あるんですが、それがどれも本当に全部おいしくて。本番中に今度プライベートで買いに行こうと思っちゃうくらい、食のコーナーはオススメですね。

──ゲストの方の知られざる表情を引き出していく話術、きゃりーさん本当にお上手だと思いました。

いえいえ。そこはBoseさんにすごくフォローしていただいてます。私はただただおいしい食べ物を見たり、ゲストさんの話を聞いて楽しんだりしてるだけで、すごく楽しく収録させていただいてます。

──Boseさんとの軽妙なやりとりも見ていて楽しいです。

Boseさんとは番組が始まる前まで2回くらいしかお会いしたことなかったんですけど、すごくお話ししやすい印象があったんです。年齢はちょっと離れてますけど、感覚がすごく若いので、どんな話題でも楽しくできて。なのでdTVさんでBoseさんとお仕事できると決まって、すごくうれしかったですね。その「みんなの放課後」に加えて今回の「Roots」をやらせていただいて、最近カレンダーのスケジュールがdTVだらけで、「これなんのdTVですか?」ってスタッフに確認するくらい本当にお世話になっているので、ぜひともたくさんの方に観てほしいと思います。

きゃりーぱみゅぱみゅ
きゃりーぱみゅぱみゅ

オカモトレイジは業界に入って最初の友達

──新たにスタートする「Roots」はアーティストの原点である「場所」や「人」を絡めたスペシャルインタビューとライブパフォーマンスで送るオリジナルライブ番組。記念すべき第1回がきゃりーさんということで楽しみにしてる人も多いと思いますが、トークパートのゲストに登場いただいたOKAMOTO'Sのオカモトレイジさんとは知り合ってずいぶん長いですよね。

長いですね。番組の中でも少しお話ししたんですけれども、レイジくんは私がこの業界に入って最初にできたお友達なんです。番組で共演した際にお話ししててすごく面白いし、仲よくなりたいなと思って。しかもレイジくん、めちゃくちゃ友達が多いんですよ。なのでレイジくんと友達になったら、そこからみんな友達になる、みたいな感じで。私はもともと友達が多かったタイプではないので、今も仲よくしてくれているお友達はレイジくんの友達ばかりです。

──交友範囲を広げてくれる、いい関係ですね。今回の収録ではどんな話をされたんですか?

きゃりーぱみゅぱみゅ

世代トークをしました。いわゆる「携帯」って最近ではスマートフォンですけど、昔はどうだったっけ?みたいな。私が学生の頃は、ガラケーの連写機能だからこそできた“面白くブレた写真”を撮ることにすごくハマっていて。なので、きゃりーぱみゅぱみゅとして活動を始めるときも、そういうちょっとしたユーモアをどんどん入れていきたいなと思っていたんです。実はそういう部分ってすごく重要で、そのルーツは昔の携帯の連写機能──今は性能が上がって連写してもバッチリ写りすぎちゃう、みたいな(笑)。

──音楽的なルーツの話もされたんですか? 例えば共通して好きなアーティストだったり。

しました! 私もレイジくんもすごく好きなアーティストが1人いらして「その方の曲だったらどれが好き?」とか、普通にファンみたいな話(笑)。あとは同じ職業なんだけど、レイジくんはバンド、私はソロだから活動内容がちょっと違うので、「本番前は何してるの?」とか「メンバーとはケンカするの?」とか視聴者の皆さんが気になってることもいろいろ質問しています。友達だし、近いからこそ話せる自然体の会話が映像を通して聞けると思います。

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原点はやっぱり原宿