Devil ANTHEM.|最新のデビアンの魅力を凝縮!名刺代わりのフルアルバムが完成

Devil ANTHEM.が10月19日にニューアルバム「らいなう」をリリースする。

今年の春より新メンバーの藤澤ひよりを加えて6人体制で活動しているデビアン。新体制初のフルアルバムとなる「らいなう」には、新曲「ミッドナイトドライブ」「Ai LIFE」「ユカイダンサー」が収録されるほか、ファン投票の上位曲を含む既発音源13曲が現メンバーで再レコーディングして収められる。計15曲入りにもかかわらず税込1100円という価格であることもこのアルバムの特徴で、新規ファンも手に取りやすいデビアンの名刺代わりとなる作品が完成した。

音楽ナタリーではメンバー6人にインタビューを行い、ここまで新体制で活動してきた手応え、新曲の注目ポイントや再録曲のレコーディングの感想、12月24日に東京・USEN STUDIO COASTで開催される結成7周年記念ライブ「デビタゴン祭2021」への思いなどを語ってもらった。また特集後半にはマネージャー兼プロデューサーの佐藤海人氏によるアルバムの全曲解説も掲載する。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 飛鳥井里奈

新体制のデビアンにやすりをかけている段階

──新体制をお披露目してから4カ月近くが経ちましたが、ここまで6人で活動してきての実感はいかがですか?

竹越くるみ

竹越くるみ 自分たち的には新体制をお披露目するまでのほうが課題が多くて、ライブを重ねることで少しずつ自信がついてきたと思います。6人としてのまとまりが出てきてたかなって。心配事が減ったというか。これまではライブ前に立ち位置やMCについてひたすら確認していて、ひよりちゃん以外の5人もずっと緊張していたんです。今ももちろん確認するところはしっかり確認していますが、いい意味で慣れてきて、リラックスしてやれていますね。

竹本あいり 5人時代の立ち位置を忘れちゃうくらいには今の体制に慣れてきてるよね。

橋本侑芽 新体制になったばかりの頃は楽しむ気持ちより不安や緊張のほうが大きくて、危機感を感じてたんですけど、今は心から楽しめるようになりました。でも、慣れてきた分、ダンスがずれていたり、フォーメーションがバラバラだったりすることがあるので、もっと6人で細かいところまで意識していきたいです。

安藤楓 私もライブを楽しめるようになって、6人いることの安心感を感じられているんですけど、その安心感のせいで緩み始めていたところがあるので気を引き締めなきゃと思っています。

あいり このまとまりを保ちつつ、技術面とかもっと細かいところを磨いて詰めていくっていう、次の段階にいかなきゃと感じてますね。

くるみ やすりをかけているイメージです。

──ひよりさんは、ここまでデビアンで活動してきてどうですか?

藤澤ひより お披露目前は2カ月で40曲近くのダンスを覚えなきゃいけない大変さがありましたが、最近は立ち位置とかのちょっとしたズレを直すのに苦戦しています。家で練習して「できた!」と思っても、ライブでやってみると思ったようにいかなくて。回数を重ねるほどそのズレに気付いて、みんなと完璧に合わせるのが大変に感じます。

水野瞳

水野瞳 私はデビアンに加入して3年くらい経つんですけど、それくらい活動してきてやっと動きが合うようになったと実感できたんです。ひよりちゃんも今は課題が多くて苦戦しているかもしれませんが、今後さらに磨きがかかっていくのが楽しみです。年末のコーストでは今よりももっとまとまりのあるステージを、そのときにできる最大限を見せられるように6人のデビアンのパフォーマンスを固めていきたいです。

──グループ内の空気など、パフォーマンス以外の面で変化はありますか?

あいり 前にスタッフさんが「できあがったグループにあとから1人入るのってつらくない? 大丈夫?」ってひよりちゃんのことを心配していたんですけど、本人は「えー、全然気にならないですねー」って言ってて。空気に溶け込むのが上手なんだと思います。5人のときの空気を崩さず、そのままひよりちゃんが入った感じです。いい具合の天真爛漫さがあるから、私たちも気を遣わずに接することができています。いざこざとかは全然ないです(笑)。

くるみ いい意味で鈍感というか、天然だよね。「大丈夫?」って心配しなくていい安心感があるんです。

ひより 私、すっごい人見知りで。最初はメンバーとしゃべるのに緊張してたんですけど、遠征とか、みんなと車で一緒になる機会が多くていつの間にか慣れました。

 ひよりちゃんはすごく不思議ちゃんで。知れば知るほど面白いんです。

くるみ すごく的はずれな発言をするというか。この間「TIF」(「TOKYO IDOL FESTIVAL」)の開催に合わせて、ゆりかもめの広告ジャックをやったんですけど、その話を最初に聞いたときに内容を理解していなくて、メンバーが実際にゆりかもめを乗っ取ると思い込んでたんです(笑)。

あいり 衣装をかけるハンガーもよく間違えてるし(笑)。

くるみ 1つのことに集中するとほかのことを忘れちゃうんだよね。ほかのメンバーにも変わってるところはあるけど、それとはまた違ったおかしさがあります。

ひより 周りからよく天然って言われるんですけど、全然自覚はないんです。デビアンに入るまで、自分はすごく普通な人間だと思ってました(笑)。

やっと一歩踏み出せた

Devil ANTHEM.

──6月に東京・新宿BLAZEでライブツアー「Devil ANTHEM. SPRING TOUR 2021『Our Time Is Coming』」のファイナル公演(参照:Devil ANTHEM.がチケット完売の新宿BLAZEで見た景色、追加公演はリキッドで)、8月にはLIQUIDROOMでその追加公演(参照:Devil ANTHEM.リキッドでのツアー追加公演も大盛況、10月に価格1000円のフルアルバム発売)が開催され、どちらも早めにチケットが完売するほどの盛況ぶりでした。新宿BLAZE公演は2018年にも一度行われましたが、お客さんの数がそのときとは全然違いましたね。

くるみ ファンの方に「今デビアン、来てるね」と言われることがあるんですけど、正直あまり実感がなくて、がんばっているうちに気付いたら仲間が増えていたという感覚です。前回のBLAZEはフロアがスカスカ気味で、ライブ中も悔しい思いをして。もっとできることがあったなと後悔していたので、今回ツアーを通して自信をつけたあとにリベンジすることができてよかったです。ライブ後の特典会も列が途絶えなくて、さらに初のLIQUIDROOMワンマンも早めにチケットが完売して、「今、来てるんだうちら!」と実感しました。毎年「デビアンの年にする」と宣言するものの、結局身内ノリで終わってた部分もあったんですよ。今年はやっと一歩踏み出せたんじゃないかなと思います。

 前回のBLAZEはかなり必死にチケットを売ったよね。

あいり 当時とはファンの方の姿勢も変わったなと感じていて。昔は「ワンマンを埋めてあげなきゃ!」という感じで一生懸命周りをライブに誘ってくれていたんですけど、最近は私たちのことを信じてくれているんです。「これが自分の推しグループだ!」と胸を張ってくれている。それを見て「デビアンのライブ、行ってみようかな」と思う人が増えて、その結果が私たちのステージ上での自信にもつながっているんだと思います。対バンライブに出演したときにMCで言っていた「ワンマンのチケットぜひ買ってください」という言葉が、「ソールドアウトしました!」に変わったのがうれしいですね。

竹本あいり

侑芽 以前はステージからお客さんを見たらどこに誰がいるかわかったんですけど、今はそれを把握しきれないくらい多くの方に来ていただいてます。

──LIQUIDROOM公演では、あいりさんが加入4周年を迎えた心境として、「アイドルの職業としての奥深さを最近よく考えるようになった」「アイドルに対するイメージが変わった」と話していたのも印象的でした。

あいり 私、AKB48さんの“神7”時代のドキュメンタリー映画とかを観るのが好きなんですけど、そこで描かれているのは大勢の大人が関わってるプロの世界で、私たちがいるライブアイドルの世界とはかけ離れたものだというイメージが勝手にあったんですよ。でも、最近はプロデューサーの佐藤(海人)さんのこだわりや、メンバーのステージに向き合う姿、対バンで会う周りのアイドルさんのことを見たり知ったりして、「この世界もみんなプロフェッショナルな考えを持って取り組んでるんだ」と思うようになったんです。ステージ上の機材や照明を見たときも「大人の人たちが私たちのためにこんなに動いてくれている」とより感謝するようになったし、その中で自分が働けていることが誇らしくなりました。