新メンバー2人の歌い方

──今回ツアーの映像がDVDとBlu-rayでリリースされますが、振り返ってみてどうですか？ 映像化される東京・江戸川区総合文化センター公演はツアー3本目のライブです。

もしかしたらこの日が一番緊張してたかも。映像収録が入るっていうのもあったし、ツアーの2、3本目って気持ちがいろんな方向に行き始めるんですよね。「こないだここ間違えちゃったな」とか「前回より上手にやらなきゃな」みたいな心配事が増えてきて。

──7人で新たにこのレベルのステージを作り上げるのは相当大変だったでしょうし、特にぺろりんさん、ねもさんの努力は並大抵ではなかったと思います。

2人はホントにがんばってました。うちらも毎回「今日も偉かったね！」「おやつ食べるかい？」って、おばあちゃんみたいになって（笑）。

──そして7人になったことでステージ上のわちゃわちゃ感が増して、情報量がグッと増えました。

うん、たぶん6人になった最初の頃もこんな感じだったんだろうなってちょっと思うんです。ダンスもいろいろ変更が入って、「まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡」では以前はピンキーが子供役で酸素マスクを付けてもらってたけど、今回ピンキーは子供を卒業してねもちゃんが赤ちゃん役になったりしてて。

──現場では気付きにくい細かい部分を映像で確認するのも楽しそうですね。

あと「惑星☆聖歌 ～Planet Anthem～」は、このコスモツアーのためにあったんじゃないかっていう歌詞で、歌ってて全公演すごく楽しかった。「でんぱれーどJAPAN」とかも、もがちゃん（最上もが）が歌ってたパートを新メン2人がけっこう担当してくれてて、「♪電波のパワーで」みたいなお客さんを煽るところもライブをやるごとにどんどんはじけて、よくなっていってるんですよね。

──たぶん「もがさんの穴を埋める」っていう考え方じゃないんでしょうね。

うんうん、そうですね。もがちゃんにはもがちゃんのよさがあって、うちらも大好きだけど、2人は自分たちの声と自分たちの歌い方でやったほうが絶対いいからって。それだけは最初からずっと言ってました。

──新しい歌割りになっても違和感なく聴ける気がします。

それはやっぱり2人がでんぱ組.incを大好きでいてくれてるからじゃないかな。「じゃあ自分が歌うならどうすればいいか」みたいなところまで考えて落とし込んできてくれるんです。その新しい要素に対してみんなもCDよりもちょっと強めに歌ってみようとか、曲ごとにニュアンスを変えたりしてて。だから通して聴いたときガタガタにならないのかもしれないですね。

河口湖のチャレンジとファンへの感謝

──そしてDVDとBlu-rayの初回限定盤には7月に山梨・河口湖ステラシアターで行われた「コスモツアー 2018 ～七月七日は七夕まつり編～」の模様も収録されます。

あー、河口湖めちゃくちゃ楽しかったですね。

──でんぱ組.incにとっては、これまでも記憶に残るライブを数多く行ってきた特別な会場ですよね。

「いい日になる」っていう確信を、ライブが始まった瞬間になぜか持てる会場の1つで、みんなの気が一点に集中する感じがあるんですよね。このライブはオーディオコメンタリーを録ったときに改めてみんなで観たけどすっごく面白かった。セットリストもツアーとは違って1曲目を「でんぱれーどJAPAN」にしたりとか、前半の早い段階で「でんでんぱっしょん」をやったりとか。そのあと夏メドレーの流れで「プレシャスサマー！」もお披露目して、新曲を真ん中でやるっていうのも新しかったし、チャレンジしたなって感じです。

──ライブ休止期間や体制変更があったにもかかわらず、ファンの皆さんの熱量が変わらないのもすごいなと思いました。

そうですね。むしろ「新しいでんぱ組.incを支えてあげなきゃ」みたいな愛情を感じたりして「ああ、ファンがこういう人たちだから私たち今までやってこれたんだな」って。それと、虹コンやベボガ！から来てくれてる新しいファンの方もいて、その人たちは知らないところに飛び込んでるわけだから最初は不安もあったと思うんですけど、ツアーとかいろんなライブを通していつのまにか馴染んでくれてて、うちらのほうが「あれ？ 馴染んでるね！」みたいな（笑）。それもすごくうれしいことですね。