でんぱ組.incが9月26日にニューシングル「プレシャスサマー!」、ライブ映像作品「COSMO TOUR2018」を同時リリースした。「プレシャスサマー!」はでんぱ組.incならではのアッパーなサマーチューンで、今回映像化された今年春の全国ツアー「COSMO TOUR2018」が初お披露目となった楽曲。新体制で充実した活動を繰り広げるでんぱ組.incの今のモードが存分に伝わる2作品となっている。
新作の同時リリースを記念し、音楽ナタリーではリーダーの相沢梨紗への単独インタビューを実施。新体制で初のツアーとなった「COSMO TOUR2018」の振り返り、ニューシングルに対する思い、これからの活動などについてたっぷりと語ってもらった。
取材・文 / 大山卓也
ライブを重ねて見えてきたそれぞれの成長
──前回は7人揃ってのインタビュー(参照:でんぱ組.inc「おやすみポラリスさよならパラレルワールド / ギラメタスでんぱスターズ」メンバー全員インタビュー)でしたが、今回はリーダーであるりさちーに単独でお話を伺いたいと思います。さっそくですが最近のでんぱ組.incはどんな感じですか?
はい、7人でのツアー(「コスモツアー 2018 ~惑星探査~」)を春からずっとやってきたことで、メンバーのいろんなクセが見えてきて、人間的にもパフォーマンスについても、自分たちのことが以前よりわかってきた感じがありますね。今はすごくいい状態だと思います。
──昨年末に新体制が始動して以降、メンバーそれぞれ変化や成長を感じる部分はありますか?
それで言うとピンキー(藤咲彩音)が一番変わったんじゃないかな。ピンキーはやっぱり新メンバーのぺろりん(鹿目凛)とねもちゃん(根本凪)に一番近い立場で寄り添ってあげられるから。ダンス1つにしても「こうじゃない?」とか本番ギリギリまで教えたりしてて、すごくしっかりしてきたなって思う。ピンキー自身も末っ子じゃない立場になることで、自分の意見が言いやすくなったような気もするし。それがうれしい変化ですね。
──2人の加入がいい刺激になってるんですね。
あと、えいたそ(成瀬瑛美)にとってはオタク友達が増えたっていう(笑)。でんぱ組.incはみんなオタクなんですけど、でも……。
──ジャンル的に近い?
うん、同人誌とか、そのへんのオタクカルチャーを一緒に楽しめる相手ができたんで。特にねもちゃんとは小学生みたいなノリで「イエーイ!」って。よく大騒ぎしてるんで、楽屋はだいぶうるさくなりました(笑)。
──楽しそうですね。
あと、ねむ(夢眠ねむ)はもともと面倒見がいいというか、母性本能が強いんで、後輩が来てからさらにしっかりしてきた気がします。特にねもちゃんはねむのことをずっと慕ってるし。ねもちゃんももうだいぶなじんでるとはいえ、自分の意見を言うときに躊躇する部分もあると思うんですよ。そういうときにねもちゃんの気持ちをねむが汲み取って言ったりしていて。
──ねもさんは以前から“ねむ推し”を公言してますもんね。
ねもちゃんを見てると、自分と似てるところがあるからねむに惹かれてるんだなっていうのは思う。ボケとツッコミで言ったらねもちゃんもツッコミタイプなので。
──じゃあぺろりんさんがボケタイプ?
うん、年齢的にはねもちゃんのほうが下だけど「ぺろりん、こうじゃない?」とか言ってくれるのはねもちゃん。
──いいコンビですね。
タイプは違うけど、2人とも本当に一生懸命なんですよ。しかもそれがずっと変わらず続いてて、グループに馴染んできても緩んだりだらけたりしない。そこが素晴らしいなって思います。何か課題があるときに、ねもちゃんは家でずっと1人で練習してくるタイプで、ぺろりんは「これどうやるんですか?」ってその場で聞いてどんどん習得していくタイプ。それぞれ自分なりのやり方で着実に成長してる。てか5年前のうちらよりもずっとできてるから全然大丈夫なんですけど。
グループが危機を迎えてわかったこと
──みりんさん(古川未鈴)についても聞かせてください。
あの、たぶんうちら基本的にみりんのこと甘やかしてるんですよ、特に私とねむが。
──わかる気がします(笑)。
「みりんちゃんがいるからでんぱ組.inc大丈夫っしょ」みたいな、そういう安心感があって基本的に野放しにしてたんですけど、彼女はそれでも我々に気を遣って自分の意見を言わないことのほうが多かったんで。
──それが変わってきた?
うん、新メン2人が入ってきたことによって、特にダンスとかパフォーマンスとかに関して一番いろいろ言ってくれるようになって。やっぱりできる人が言うと説得力があるから話も早いし、もちろん2人も素直に聞いてくれるし。だから本人は気付いてるかわかんないけど、みりんちゃんの人間力がここに来て急に上がってる気がするんですよね。
──グループが一度大きな危機を迎えたからこそ、自覚が出てきた部分もありそうですね。
大事なものがなくなるかもしれないって状況に置かれて、何をするべきかがシンプルにわかったのかも。恥ずかしいとかめんどくさいとか、そういう意識がどんどん削がれていって。だから自分たちもこの5、6年でけっこう成長してきたつもりだったけど「まだまだ伸びしろがあったんだな」「変われる余地が残ってたんだな」と思うし、そこは新メン2人に引き出してもらった部分も大きいです。
──りさちー自身はどうですか?
うーん、自分のことはあんまりわからないけど……あ、でもグループの編成が変わったことで、今まで無意識にやってたことをちょっと冷静に見られるようになったかもしれない。
──どういうことでしょう?
今までは自分のパートとかも必死で歌ってて気付いたら終わってた、みたいなことがあったりして、それもめちゃくちゃ気持ちいいんですけど、今はもうちょっと冷静に、例えば「あと3曲だからリミッター外していっちゃえ!」とかそういうことも考えられるようになってきた。たぶん自分だけ必死にやればいいってことじゃなく、支えてあげなきゃいけない人がメンバーの中にできて、自分もちょっと強くなったのかもしれない。ねむの母性とはまた違うかもしれないけど、守る人がいるのは素敵なことだなって思います。
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新メンバー2人の歌い方
- でんぱ組.inc「プレシャスサマー!」
- 2018年9月26日発売 / TOY'S FACTORY / MEME TOKYO
-
初回限定盤A [CD+DVD]
1620円 / TFCC-89660 -
初回限定盤B [CD+DVD]
1620円 / TFCC-89661 -
通常盤 [CD]
1080円 / TFCC-89662
- CD収録曲
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- プレシャスサマー!
- エバーグリーン
- かぼちゃタンデム
- プレシャスサマー!(Instrumental)
- エバーグリーン(Instrumental)
- かぼちゃタンデム(Instrumental)
- 初回限定盤A DVD収録内容
-
東北ライブハウス大作戦 Presents 東北でんぱ大作戦!(前編)
- ソーリー、ロンリー。
- ギラメタスでんぱスターズ
- NEO JAPONISM
- キラキラチューン
- Ψ発見伝!
- Future Diver
- 初回限定盤B DVD収録内容
-
東北ライブハウス大作戦 Presents 東北でんぱ大作戦!(後編)
- VANDALISM
- トライアングルドリーマー
- 光のキャンベル
- プレシャスサマー!
- ファンファーレは僕らのために
- ORANGE RIUM
- でんぱ組.inc「COSMO TOUR2018」
- 2018年9月26日発売 / TOY'S FACTORY / MEME TOKYO
-
初回限定盤 [Blu-ray2枚組]
10800円 / TFXQ-78163 -
初回限定盤 [DVD2枚組]
8640円 / TFBQ-18212 -
通常盤 [Blu-ray]
5400円 / TFXQ-78164 -
通常盤 [DVD]
4320円 / TFBQ-18213
- DISC 1
-
コスモツアー 2018 ~惑星探査~ 4/30(月・祝)江戸川区総合文化センター・大ホール
- ギラメタスでんぱスターズ
- 破!to the Future
- Future Diver
- ムーンライト伝説
- バリ3共和国
- ちゅるりちゅるりら
- ユメ射す明日へ
- 最Ψ最好調!
- Ψ発見伝!
- おやすみポラリスさよならパラレルワールド
- でんぱーりーナイト
- NEO JAPONISM
- VANDALISM
- まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡
- サクラあっぱれーしょん
- くちづけキボンヌ
- あした地球がこなごなになっても
- 惑星☆聖歌 ~Planet Anthem~
- でんぱれーどJAPAN
- でんでんぱっしょん
- DISC 2(初回限定盤のみ)
-
コスモツアー 2018 ~七月七日は七夕まつり編~ 7/7(土)河口湖ステラシアター
- でんぱれーどJAPAN
- ちゅるりちゅるりら
- VANDALISM
- でんぱーりーナイト
- ムーンライト伝説
- まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡
- バリ3共和国
- でんでんぱっしょん
- ユメ射す明日へ
- Kiss+kissでおわらない
- ノットボッチ…夏
- おつかれサマー!
- プレシャスサマー!
- おやすみポラリスさよならパラレルワールド
- くちづけキボンヌ
- あした地球がこなごなになっても
- Future Diver
- 破!to the Future
- ギラメタスでんぱスターズ
- ORANGE RIUM
- NEO JAPONISM
- プレシャスサマー!
- ライブ情報
JOYSOUND presents でんぱ組.inc コスモツアー 2018 ~未知との遭遇~(※終了分は割愛) -
- 2018年9月27日(木) 東京都 Zepp DiverCity TOKYO出演者 SILENT SIREN / でんぱ組.inc
- 2018年9月28日(金) 東京都 Zepp DiverCity TOKYO出演者 打首獄門同好会 / でんぱ組.inc
- でんぱ組.inc(デンパグミインク)
- ディアステージ所属の女性アイドルユニット。メンバーはそれぞれアニメ、マンガ、ゲームなどに精通したオタクとしても知られ、“萌えキュンソング”と呼ばれるアッパーな楽曲と情感豊かなライブパフォーマンスで国内のみならず海外からも注目を集めている。2013年1月には、メンバー自身の暗い過去を歌ったシングル「W.W.D / 冬へと走りだすお!」で話題を呼んだ。同年10月には主演映画「白魔女学園」の主題歌を収めた「W.W.D II」を発売し、12月に2ndアルバム「WORLD WIDE DEMPA」をリリースした。2014年5月には1万人を動員した初の東京・日本武道館単独ライブを成功させ、翌2015年2月には東京・国立代々木競技場第一体育館での2DAYSライブを実施し、夏には初のワールドツアーを開催した。2016年12月にグループ初のベストアルバム「WWDBEST ~電波良好!~」をリリース。2017年1月にはアリーナツアー「でんぱ組.inc 幕神アリーナツアー2017 電波良好Wi-Fi完備!」および追加公演「でんぱ組.inc 幕神アリーナツアー2017 in 日本武道館 ~またまたここから夢がはじまるよっ!~」を開催した。同年8月をもってメンバーの最上もがが脱退。同年末には虹のコンキスタドールの根本凪、ベボガ!(虹のコンキスタドール黄組)の鹿目凛が所属グループと兼任する形で加入し、7人体制となった。2018年9月にニューシングル「プレシャスサマー!」、ライブ映像作品「COSMO TOUR2018」を同時リリース。