超特急|どんな道のりであっても8号車と共に

超特急が6月10日にCDデビュー8周年記念シングル「Stand up」をリリースする。

自らのファンを「8号車」と呼ぶ超特急にとって、“8”は特別な数字。8周年というメモリアルなタイミングで発表される楽曲「Stand up」は軽やかなヒップホップトラックをベースに、ダンサーメンバーも参加するラップパートのリリックに過去のシングル曲に登場するフレーズの数々をぎゅっと詰め込んだ、スペシャルな1曲に仕上がった。

3月に新体制となってから初めてのリリース作品でもあり、大きな節目のシングルとなった「Stand up」の完成に際し、メンバーはどんなことを思うのか。シングルやこれからの活動について、音楽ナタリーでは5人に話を聞いた。また最終ページでは8周年にちなみ、8号車にまつわる8つのクエスチョンをメンバーに投げかけた。

取材・文 / 三橋あずみ

止まる気はまったくない

──「Stand up」はCDデビュー8周年記念シングルとしてリリースされますが、8年前、2012年のCDデビュー当時のことって覚えていますか?

リョウガ まったく覚えていな……。

ユーキ 当時は自分たちでメイクして、いろんな場所でフリーライブをたくさんしていましたね。

リョウガ カメラロールに何か残ってないかなと遡ってみても、2012年の10月7日が最古でした(笑)。

カイ

カイ 明確には覚えていないですが、たぶんイベントで登場を間違えたのはこの日だったんじゃないかな? 伝達ミスで、僕とユーキだけ登場しちゃって。「Superstar」を少し踊って曲が止まりましたね……懐かしい!(笑)

タクヤ 昔のことすぎて記憶は曖昧だけど、当時の青い衣装はチープな物だったし、靴は自前でした(笑)。

タカシ 僕、中学3年生ですね……結成当初はアーティスト活動の右も左もわからない人間だったし、超特急がここまで続くとも思っていなかったですし、とにかく目の前のことに必死だった、正直それくらいの記憶しかないです(笑)。

ユーキ でもそれも、ものすごく楽しかったです。今思えば泥臭く感じるけど、僕たちにとってはかけがえのない宝物ですね。

──8年間の活動を経て今回リリースされるシングルは、新体制初の作品となりました。ここまでのグループの歩みを振り返って、今率直に思うことは?

リョウガ それこそ山あり谷ありの道のりでしたね。

タクヤ 本当にいろんなことがありましたよね。8号車のみんなもいろんなことを思っただろうし、大変なことは多かったけど……でもやっぱり、楽しいことのほうが多かったです。何度も思うけど、8号車の存在がなければここまで来られなかったから。感謝の気持ちでいっぱいです。

ユーキ 自分は、まだまだ新しいものをグループに取り入れていけると感じていて。常に超特急で進化し、変化していくために、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいと思ってます。

リョウガ 止まる気はまったくないからね。どんな道のりであっても、これからも8号車と共に走って行きたいですし。

タカシ いろいろなことがあったけど、普通なら乗り越えられないこともみんなで乗り越えてきたから、この「Stand up」を生み出せたんだと僕は思っていて。これまでの出来事は1つひとつが意味のあることで、だからこそ今まで僕たちが起こしたたくさんのアクションに比例するように、この曲に厚みを出せているんだと思います。僕たちが何か1つでもあきらめていたら、この曲は生まれなかったと思う。それくらい、この8年間の出来事は想像を絶する、ワクワクドキドキするものばかりで……本当に濃密な日々だったと思います。

超特急のことを紹介するなら、このフレーズをそのまま引っ張ってきたらいい

──「Stand up」、さわやかな曲調ながら歌詞には超特急の8年間の歩みが表現されていて、メッセージ性がとても強い曲ですよね。皆さんが初めにこの曲を聴いたときは、どんなことを感じました?

ユーキ 爽快感があって、ヒップホップの曲調にもテンションが上がりました! でも歌詞はエモーショナルで、そのバランスが面白いなって。

タクヤ 僕は、ホントに8周年記念シングルにふさわしい曲だなと。それと今は新型コロナウイルスの猛威で世の中が大変なことになっているけど、聴いたら元気をもらえる曲だと思いました。

リョウガ 春らしくさわやかで、気持ちが明るくなる曲だよね。この時期だからこそたくさんの方に聴いてほしいと僕も思いました。超特急の8年間をしっかりと感じられるし、新体制の決意も込められています。

カイ 明るいけれど、聴いてくれる8号車にとっては優しくて大切な曲になったらうれしいなと感じました。あとは、ラップが多くて「おお……」ってなりましたね(笑)。

──「Stand up」ではダンサーの4人もラップで歌に参加していて、そのリリックはこれまでに超特急が発表してきた楽曲のフレーズやキーワードで構成されています。皆さんそれぞれが特にグッと来たパートは?

カイ 「oh oh the rolling shooting star~」というフレーズとフロウが気持ちよくて好きです。

リョウガ

リョウガ 僕は「Kiss Me Baby」と「My Buddy」の歌詞を組み合わせた「DDじゃないnight 君はMy Buddy」というところですかね。「やるぅ!」って思いました(笑)。8号車は大事な相棒です!

タクヤ 僕は自分が歌っているパートなんですが、「Starlight浴びてかかってこいや」。自信満々な姿にグッときました。

ユーキ 僕は、「君と僕なら問題ない」というフレーズが最後「君と僕なら間違いない」に変わるところが好きです。この1曲のストーリーって、1番も2番も……なんと言うか、願いをかけている表現のように感じるんです。それが最後に決定的になったというか、決心になっていて。あやふやな気持ちが一気にまとまる感じがしたんですよね。

タカシ 僕は「モノホンなんてならなくて結構 僕らは未完成でも光ってる」ですね。超特急のことを紹介するなら、このフレーズをそのまま引っ張ってきたらいいんじゃないかと思うくらい、超特急らしいワードだと思いました。

──ダンサーの皆さんは「Booster」でもラップをしていますけど、ここまでしっかりとラップに挑戦するのは今までにない経験だったと思います。レコーディングはどうでした?

カイ 仮歌を聴いたときは少しビックリしたけど、レコーディングはとても楽しかったですよ! 歌うことは元来好きなので。楽曲担当のスタッフさんが、できると思って僕に難しいパートを与えてくれたのがうれしかったです。

リョウガ ホントに「Booster」くらいしか経験がないし、例えばカラオケに行ったとしてもラップはしないので練習の仕方すらわからないレベルだったのですが(笑)、いざレコーディングが始まったら楽しく、スムーズに終えました!

タクヤ 知識も経験もないですが、ラップをするのは個人的に好きだったのでとても楽しかったです。特別に準備もせず挑みましたが、スタッフの方にほめられて、センスが光ったなと個人的には思いました(笑)。

ユーキ 僕はとにかく音に乗ること、やりきることを意識しました。初めはとても緊張して噛んでばかりでしたが(笑)、だんだん乗り切れるようになりましたね!