超特急|止まらずに進み続けること 超特急が今に刻む“復活愛”

アホっぽいタカシ、フォーマルなタカシ、駅員のタカシ

──全形態共通カップリング曲の「Don't Stop 恋」はタクヤさんの出演している映画「どすこい!すけひら」の主題歌ですが、この曲が主題歌というのはタクヤさん的にいかがですか?

タクヤ 印象はひと言「わけわかんない曲だな」って(笑)。ちょっと、いまだに理解できていないくらい……(笑)。

リョウガ あはははは(笑)。

タクヤ

タクヤ でもこれって、超特急にしかできない曲だと思います。1曲の中に何曲も詰め込まれているような。ホントに聴いている人の感情を置き去りにするような曲ですけど、でも映画とは意外と合っているんですよね。そこが素敵だなと思います。

──タクヤさんの言っていたように、この曲はタカシさんの“多重人格ボーカル曲”じゃないですか。リョウガさんのモチーフ曲の「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ~るど」のような。

リョウガ ホントですよね。

──すごい数の声色を使い分けて歌っていますけど、自分が持っている技術の1つとしてタカシさんが当たり前のよう歌いこなしているのは、けっこうすごいことだよなと思います。

カイ そうだ。この間ね、超特急の音楽担当のスタッフさんとU★Gさんと3人でしゃべっていたんです。本人を目の前にして言うのもアレですけど、いろんなアーティストさんを見てきた2人が「タカシはマジでヤバい」って言ってた。本気で褒めてたよ。

リョウガ (はにかむタカシを見て)お世辞だってー!(笑)

タカシ おい!(笑)

カイ 歌声がブレずにしっかり踊れて、それがどんどんうまくなってる。タカシは自己肯定力低いけどさ、日本でも指折りのボーカリストだって話してた。

ユーキ でもこの曲はマジで大変だと思うよ。

タクヤ 実際大変でしょ?

タカシ そうやな。いろんな僕が10人から15人くらいいるな(笑)。

──この速いテンポの曲で、その“人格”をどう切り替えていくのかが気になります。

タカシ

タカシ 歌いこなそうと意識するよりも、僕は声優さんになったような気持ちでやってる。“僕はどんな人にもなれるんだ”と自己暗示をかける感覚というか。デモをもらったら、“登場人物”を頭の中でキャスティングして本番に持って行くんです。

──そうなんですね。「Don't Stop 恋」の中で、気に入っている人格はあります?

タカシ マキシマム ザ ホルモンさんのようなロッカーの人格ですかね(笑)。シンガーソングライターになるところもあるし、アホっぽいタカシ、フォーマルなタカシ、駅員のタカシもいるし……アホの子だけでも、4人くらいいますからね。

リョウガ そうなんだ(笑)。すげえな。

タカシ 僕は単純にその曲ごとの世界観で生きることも好きだし、それにこういう曲ってありがたいなとも思うんですよ。例えば、自分は初めて超特急を聴く人に「なんなんだろう、このグループ?」って思われたいんですけど、そういうとき、こういう面白い曲はいい意味で引っかかる。あと、「メンバー6人おるから6人で歌ってるんやろうな」と思ってライブを観たら1人しか歌ってないから「どういうことやねん(笑)」ってなるとも思うし。

──初見でその反応は確かにあるはずですよね。

タカシ そう思われたら、超特急の印象を普通よりも濃く残せるじゃないですか。だからありがたいなと思うんです。

僕らに髪の毛があることを忘れてる

──ちなみに、この曲のパフォーマンスは?

カイ もう付いてます!

タクヤ ヤバいですよ(笑)。

カイ あのね、ずっと動いてる。

リョウガ えんどぅさんに振りを付けてもらったんですけどね。

カイ えんどぅさんさ、僕らがライブで20曲くらい踊るってこと、考えてないよね?(笑) あと僕らに髪の毛があるっていうことをずーっと忘れてる!

ユーキ 確かに(笑)。

タカシ ヘアメイクさん泣かせやからな。

──それほど激しいんですね(笑)。

タクヤ でも、えんどぅさんの振り付けで毎回思うのは、常に試練を与えてくれているなって。

ユーキ うん。

タクヤ 成長させてくれるんですよ、絶対に。振り固めが終わっても「全然ダメ。もっとやっといて」とか言われるし、あんまり褒められたこともないんだけど、それによってがんばれるというか。めっちゃ大変だけど、僕らに必要なことだと思ってやってくれているのはわかるから。

タカシ それぞれの曲において、絶対にメッセージがあるんだろうなって推測しながらやっている自分もいるな。僕はボーカルで客観的に振りを見れるところもあるから、余計そう思う。ダンスを通して、僕たちに向けても遠回しに何かを伝えているんだろうなって。

ユーキ

ユーキ 今回はタクヤがセンターだから彼がほぼセンターにいるんですけど、ほかのメンバーにも1人ひとりに役目があるし、サビはキャッチーで踊りやすいけどほかはめちゃくちゃ難しくて、そのギャップが生きると思う。曲調が変わりまくる、そのときどきの世界観に合わせてダンスも変わるから観るほうにとっては楽しいパフォーマンスになると思いますよ。

──こういうハイテンションな曲でタクヤさんがセンターを担当することって、わりと珍しいですよね。

タクヤ そうですね。踊るときは自分の中でけっこう覚悟が必要です。だから、いつもこういう曲でセンターに立っているユースケやリョウガはすごいなって思います。実際にやると、すごく感じる。

リョウガ うっ(顔をくしゃくしゃにして泣いたフリ)。

カイ ヤバいヤバい、珍しくタクヤに褒められたからリョウガ泣いちゃう(笑)。