8号車だからこそ見せることができるというか
──リョウガさんとタカシさんは今回、Loppi・HMV限定盤に収録される裏側密着映像「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018 Sweetest Battlefield DOCUMENT」の解説を担当されたんですよね。
タカシ はい。ステージの裏……例えば早着替えみたいなところも、いろんな角度から見られるので新しいなと思います。来られなかった方も、ライブに来ているかのような緊張感を感じられると思いますよ。しゃべっていてもすごいドキドキしましたもん。「ステージに上がるまであと何秒」という表示も出てくるんですけど、「あと5秒」みたいなギリギリまで用意して、何事もなかったかのようにステージにポップアップで上がったり(笑)。あと「自分の知らないところでみんなこんなバタバタしてたんやな」って思ったり、新たな発見もありました。
リョウガ 面白かったよね。けっこう攻めた内容なんですよ。着替えなんかもね、今まで“スタダコード”うんぬんと言ってきたのに、自らギリギリを見せていくっていう(笑)。8号車はこれまでライブ中のカッコいい姿しか観たことがないと思うんですけど、裏側では足をつって伸ばしてる人がいたり、酸素を吸っている人がいたり……同時進行で起きているリアルが詰め込まれてます。僕たちメンバーからしたらホントは他人にあまり見せたくない姿ではあるんですけど、8号車だからこそ見せることができるというか……8号車もメンバーですからね。“メンバー同士”ならではの要素が詰まっていると思います。
──2人でコメントを入れてみて、どうでしたか?
リョウガ 面白かったですよ! ライブではおなじみの、タカシのボソボソとしたツッコミをちゃんと(マイクで)拾ってお届けすることができますので(笑)。
タカシ ふふふ(笑)。
リョウガ 普通に楽しんじゃいましたね。
8号車みんなに同じように思いを届けたい
──「Sweetest Battlefield」に臨むにあたって、皆さんはどういう気持ちでいたんでしょう。このライブで、どんな自分たちを見せたいと思っていましたか?
リョウガ 8号車みんなを安心させたいという思いが強かったので、僕らは「自信を持って」というか「前向きに」というか。その思いはいつも持っているんですけど、より一層気持ちを強く持って臨んだ、というふうに記憶しています。
タカシ ここに照準を合わせて準備を重ねていましたし、本当に本番が始まるギリギリまで調整をしてました。僕はボーカルの見せ方に右往左往して「何が正解なんだろう?」とかいろいろ考えたし、やっぱり本番が始まるまではすごくプレッシャーを感じて心がざわざわしたりもしたんですけど、でも、いざ360°から8号車が応援してくれているステージに立つと「みんなが見守ってくれているんだな」と改めて感じて、少し安心したというか。「そこまで考え過ぎなくてもいいのかな」と思えて。そういったことに気付けたのも、得たものとしては大きかったなと思います。
──そうだったんですね。
タカシ いろんな考えの方がいると思うんです。だけど、8号車みんなに同じように思いを届けたいなって気持ちに変わりましたね。
自分との戦い
──と言いつつ、ライブの内容自体はかなりハードなものでしたよね。
リョウガ そうですね。大変でした(笑)。
──いろんな姿を見せてもらいましたが、個人的に一番の“戦い”だったことは?
タカシ 僕はやっぱり、自分との戦い。カッコつけてるわけじゃなくホンマにそう思っていて。というのは、こういったライブって自分が自分の歌に飽きると終わりなんです。そのときの心境やメンタルで、ボーカルはすごく変わる。どこを一番フックにしてどういった聴かせ方をするかを考えて、最初から最後まで飽きさせないっていうことを目標にしていたんで……そういった意味では本当に自分との戦いで。表現に挑戦していくのもそうだし、楽しんで大切に1曲1曲届けるっていうことも意識していたんで、すごくパワーを使いました。
リョウガ 僕は「fanfare」でやったカラーガードが一番記憶に残っていますね。練習のときからけっこう苦戦して、何回か“闇落ち”したんですけど……(笑)。
──カイさんもその姿は印象に残っていると言っていました。
リョウガ トラウマみたいになっちゃったんですよ。フラッグが手から離れなくなったことがあって。脳が混乱して、上に投げたいのに投げられなかったんです。まあそんなこともありつつ、いざ披露するときに完璧なものを見せるというのはステージに立つ者にとって当たり前のことではあるんですけど……パフォーマンスを通して伝えたいこととなると、気持ちが何より大切だと思って。自分はうまい人と比べたら劣るものがあるかもしれないけど、そのとき自分が出せる最大限の力でやれば、きっと8号車にも元気や勇気みたいな、プラスのパワーを分け与えることができると信じていたので、そんな気持ちで挑みました。この「fanfare」までの16曲は、頭の片隅に常にカラーガードのことがありましたね(笑)。
──お二人の話に共通していますけど、ステージ上での気持ちのコントロールって、いいライブをする上ですごく大切なことなんですね。
リョウガ 確かにそうですね。気持ちは自分自身でどうにでもできますしね。
タカシ 気持ちが折れてしまったら、それ以降のパフォーマンスは絶対いいものにならないです。絶対に。リハでいつも思うんですよ。本番想定で歌ってみたときに、一度でも心が折れたらそれ以降は全部ダメになる。自分の中で“地獄”になってしまうからそれは絶対避けたいし、やっぱりいいものを観ていただきたいし。あと気持ちを無理やり矯正するんじゃなく、本番までにどれだけいい調整をして臨めるかが大切なので、家にいるときの過ごし方とかもすごく大事で。好きなもの食べるとかいっぱい寝るっていうことも、本番のために必要なことなんだなって、このライブですごく思いました。今まで全然そんなこと気にしてなかったんですけど、以降は意識していますね。
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覚醒したタカシ