ダンサーの視点で観ても、得るものがとても多くて

──「美女と野獣」をご覧になった感想を教えてください。

感動で2、3回泣いてしまいました（笑）。エマ・ワトソンさんの歌声がすばらしくて、最初の「朝の風景」で一気にググッと気持ちを持っていかれたのを覚えています。

──特に感動したポイントはどのシーンですか？

いっぱいあったんですけど、やっぱりクライマックスの決闘シーンかなあ。野獣とガストンの戦いが繰り広げられる、あのシーンのハラハラドキドキ感がたまらなかったです。あと僕、ベルを自由の身にした野獣が塔の上で「ひそかな夢」を歌うシーンがめちゃくちゃ好きです。切ないですよね。ベルが去っていくのを見つめる野獣の思いに、心がギュッとなりました。

──その「ひそかな夢」のように「美女と野獣」には印象的な楽曲がたくさん出てきますが、ユーキさんが特に「いいな」と思った曲はありますか？

「強いぞ、ガストン」ですね。この曲はキャストさんたちのパフォーマンスがめちゃくちゃカッコよくて！ 演出を含めて一番印象に残っています。僕の中ではこの「美女と野獣」って、ドラマや音楽やパフォーマンス、すべての表現のジャンルの“最高”が1つにまとまった作品という感じなんですよ。僕はダンスをやっているからダンサーの視点でも観てしまうんですけど、すごく自分の幅を広げてくれたと言うか、得るものがとても多くて。

──そうなんですね。ダンサーの目線で観て、どんなところが面白かったですか？

画面に対してのダンスの構成がすごく面白かったです。ベルが村を歩くシーンはワンカットふうに流れていって視覚的に楽しめる箇所がめちゃくちゃあったし、キャストさんそれぞれの表現力や身体能力もすごい。「自分も参加してみたいな」って憧れちゃう感じがありました。

がんばっている姿にグッときちゃう

──ここからは作品にちなんだ質問を。「美女と野獣」には聡明で美しいベルという女性が登場しますが、ユーキさんはどんな女性を「美しい」と感じますか？

がんばっている人ですね。夢を追いかけていたり、うまくいかなくても必死にがんばっているような姿を見るとグッときちゃいます。ベルも、自分の美しさに気付いていない頑張り屋さんじゃないですか。そういう人がもし近くにいたら「僕が気付かせてあげたい！」っていう気持ちになる（笑）。すごく惹かれますね。

──ちなみにユーキさんは人前に出るお仕事をされていますが、美しくあるために心がけていることってあったりしますか？

自分を演じないと言いますか……素でいることかなあ。だから、人との間に変な壁も作らないようにしようと思っています。最初は人見知りも少しあるんですけど（笑）、堅い人間にはなりたくないからなんでもウェルカム精神で受け止めて、自分をオープンにするように心がけています。

──ではユーキさんがもし魔女に魔法をかけられるとしたら、どんなモノになってみたいですか？

野獣になりたかったけどなあー！ モノだったら……そうだなあ。蛇口？ 水でイタズラができるじゃないですか。あ、でも蛇口じゃ動けないですね。動きたいからホース！ 役にも立ちますし、使い勝手がよさそう！（笑）

──ホース、斬新ですね（笑）。野獣になってみたかった？

なってみたかったです！ 野獣のみなぎる強さを感じてみたい。僕も狼を追い払ってみたいです。

──では次の質問を。物語の中で、野獣とガストンは大好きなベルに対して正反対のアプローチをしますよね。ユーキさん自身は、野獣とガストン、どちらタイプだと思いますか？

野獣です。だって、野獣のほうがロマンティックなんですよ。ガストンは男らしい“肉食系”で、もしかしたらそういう人のほうがモテるのかな？とは思うんですけど、野獣は同じ趣味や共通点を見つけて、ベルに恋心を抱くじゃないですか。

──そうですね。

僕もそういうタイプなんです。一目惚れして即「付き合いたい！」みたいにはならない。例えば「同じゲームが好きだから」とか「この人は何々をがんばっていて、触発されて自分もがんばれるから」とか。「相手がこんな人だから、自分はこうなれる」って、お互いの関係を想像したあとに「好きだな」って気持ちになるんです。だから野獣の気持ちのほうがよくわかります。相手の人に共感したいんですよ！ 「こうじゃない？」「わかる！」って。僕の場合、共感が幸せにつながるんです。でも最初のうちはグイッと、ガストンくらいの男らしさを見せなきゃな、とも思いますね（笑）。

──ありがとうございます、では最後に。ユーキさんが日々を過ごす中で愛を感じるのはどんなときか、教えてください。

そうだなあ。洗いっぱなしにしていた洗濯物を家に来た母や姉が畳んでおいてくれたときとか、仕事から帰って冷蔵庫を開けたら大好きなパイナップルが入っていたときとか（笑）。あとは……（メンバーの）リョウガとか、たぶんいつもやってくれているんですよ、愛を感じるようなことを。そう、みんなのためにドアを開けてくれていたりとか。

──すごく些細な場面ですよね。

そう。僕、気付きますよ？ 気付くので「ああ、この人は優しいな」とか、男女関係なく心の中でいろいろ思ってます。

──意外にしっかり見ているんですね。

いや、めっちゃ見てますから！ 自分はやらないくせに、人のことはめっちゃ見てます（笑）。とにかく、自分が過ごしやすくなるためのさりげない支えを感じたときに、すごく愛を感じますね。