「美女と野獣」特集

1991年に全米公開されて以来、今なお世界中で愛され続けているディズニー・アニメーション「美女と野獣」が、「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソンを主演に迎えて実写映画化。絢爛豪華な世界観と巨匠アラン・メンケンによる珠玉のミュージカルナンバーに彩られ、“100年語り継がれる”エンタテインメント大作として生まれ変わった。アメリカでは公開3日間の興行収入が約1億7000万ドルを記録し、ディズニー実写作品において「アリス・イン・ワンダーランド」や「マレフィセント」を超える全米オープニング歴代1位を獲得している。

本作が4月21日より全国公開されることを記念し、ナタリーでは音楽、コミック、映画、ステージとジャンルを横断して全4回にわたる特集を実施。さまざまな業界で活躍中の著名人たちが実写版「美女と野獣」の魅力を紐解いていく。

「美女と野獣」より。

新たに生まれ変わった真実の愛の物語

魔女の呪いによって醜い野獣の姿に変えられてしまった美しい王子。呪いを解く鍵は、魔法のバラの花びらがすべて散る前に誰かを心から愛し、そして愛されること──。「美女と野獣」の物語は、ガブリエル=スザンヌ・バルボ・ド・ヴィルヌーヴにより18世紀フランスで生み出された。「真の美しさは心から生まれ出るもの」というメッセージは、映画、テレビドラマ、バレエ、舞台といった作品に形を変えて今日まで語り継がれてきている。今回、監督のビル・コンドンが目指したのは「キャラクターたちに新たな観点やさらなる深みを与えること」。ベルの出生にまつわるエピソードや、野獣がなぜ呪いをかけられるような男になったかという描写まで掘り下げることで、まさに“完全実写化”を実現させた。

エマ・ワトソンが“現代のベル”に

ヒロイン・ベル役に選ばれたのは、「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー・グレンジャー役で知られるエマ・ワトソン。愛らしい少女から聡明な女性へと成長した彼女が、現代的な行動力を持ち、自身の意思で運命を見いだしていくベルを演じた。ベルとともに輝きを放つのは、ドラマ「ダウントン・アビー」シリーズでブレイクを果たした王子役のダン・スティーヴンス。さらにルーク・エヴァンス、ユアン・マクレガー、イアン・マッケラン、エマ・トンプソンら名だたる俳優陣が華を添えた。日本では昆夏美、山崎育三郎らミュージカルスターたちをキャストに配した“プレミアム吹替版“も同時公開される。

「美女と野獣」より。
「美女と野獣」より。

魔法のような音楽の数々

アニメーション映画史上初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされた「美女と野獣」は、音楽においても高く評価され、1作品から3曲が同時にアカデミー賞歌曲賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。本作には、「リトル・マーメイド」「アラジン」でも知られる作曲家アラン・メンケンと作詞家ハワード・アシュマンのコンビによる「朝の風景」「ひとりぼっちの晩餐会」「美女と野獣」といった既存曲に加え、故アシュマンに代わりティム・ライスが作詞した3曲の新曲が登場。愛を知った野獣が歌うバラード「ひそかな夢」、城のキャラクターたちが古きよき日々を思い出しながら歌う「デイズ・イン・ザ・サン~日差しをあびて~」、そして劇中で繰り返し使用されるバラード「時は永遠に」──エモーショナルな楽曲たちが作品に新たな息吹をもたらす。

キャラクター紹介

ベル

ベル
(エマ・ワトソン / 昆夏美)

読書と空想が好きな、聡明で心優しい女性。小さな村で父モーリスと2人で暮らす。周囲に流されない強い心の持ち主だが、村人たちから変わった娘だと噂され、閉鎖的な村になじめずにいる。人々から理解されない孤独や、母を知らない寂しさを抱えるが、野獣に出会ったことで自らの運命を見いだしていく。

野獣

野獣
(ダン・スティーヴンス / 山崎育三郎)

魔女の呪いで醜い野獣に変えられた王子。かつては城でぜいたくな暮らしを送る、美しいが傲慢な若者だった。現在は自身の姿を嫌悪し、氷に覆われてしまった城に隠れ住む。自分を愛してくれる者など現れるはずもないという絶望と孤独を背負って長い時を生きてきたが、ベルとの出会いにより心に変化が訪れる。

ガストン(ルーク・エヴァンス / 吉原光夫)

ガストン

セクシーでハンサムなルックスと腕っぷしの強さで一目置かれ、村娘たちの心を思うままにするプレイボーイ。うぬぼれ屋で、怒りを抑えられない短気な面も。村一番の美女であるベルに求婚するも拒絶され、恋心とプライドから冷酷な企みを思いつく。

ル・フウ(ジョシュ・ギャッド / 藤井隆)

ル・フウ

ガストンを崇拝するお調子者の子分。時にはガストンの突発的な怒りを鎮める役割も果たす。

モーリス(ケヴィン・クライン / 村井國夫)

ベルを男手ひとつで育てた優しい父親。芸術家で、村人から変わり者呼ばわりされている。最愛のベルが自身の身代わりで野獣に捕らわれ、必死で村人に助けを求めるも野獣の存在を信じる者はおらず、逆に自らが窮地に立たされてしまう。

呪いをかけられた使用人たち

ルミエール

ルミエール
(ユアン・マクレガー / 成河)

かつては城の給仕長だったが、現在は燭台の姿に。人をもてなすのが得意。

コグスワース

コグスワース
(イアン・マッケラン / 小倉久寛)

置き時計に姿を変えられた、城の執事。几帳面な性格。

ポット夫人(左)とチップ(右)。

ポット夫人
(エマ・トンプソン / 岩崎宏美)

城のキッチンを取り仕切る料理人。世話好き。ティーポットの姿に変えられた。

チップ
(ネイサン・マック / 池田優斗)

縁の欠けたティーカップの姿をした、ポット夫人のわんぱく息子。ベルが大好き。

マダム・ド・ガルドローブ

マダム・ド・ガルドローブ
(オードラ・マクドナルド / 濱田めぐみ)

かつては華やかな生活を送るオペラ歌手だったが、洋服だんすに変えられた。

プリュメット

プリュメット
(ググ・バサ=ロー / 島田歌穂)

城で働くメイドの1人。呪いで羽ぼうきの姿に。ルミエールのセクシーな恋人。

カデンツァ

カデンツァ
(スタンリー・トゥッチ)

マダム・ド・ガルドローブを妻に持つマエストロ。ハープシコードの姿となった。


2017年4月27日更新