オーディオブランドfinalが音質を全面監修した新たなイヤフォンブランド「ag」が、昨年誕生。音楽ナタリーではagが発売されるタイミングで私立恵比寿中学の真山りか、小林歌穂、中山莉子にデビューモデルの1つ「TWS02R」の魅力をプレゼンしてもらった（参照：ag「TWS02R」特集 私立恵比寿中学インタビュー）。

このインタビューがきっかけとなり、エビ中とagがコラボレーションしたオリジナルイヤフォンを制作することに。メンバーが2名ずつのペアとなり、計3タイプの個性豊かなイヤフォンを完成させた。それぞれどんなこだわりを持ってイヤフォン制作に臨んだのか、今回の特集ではメンバー5人がその過程やお気に入りのポイント、他チームの出来栄えに対する感想などを語りあった。

取材 / 臼杵成晃　文 / 鈴木身和　撮影 / 須田卓馬

皆さんのお耳のお供に

──前回のインタビューのとき、たまたま空いているケースに違う色合わせのイヤフォンを入れたら「これはこれでかわいいいよね」と盛り上がって、それをきっかけにエビ中オリジナルイヤフォンが作れないかという話が持ち上がりました。それが口約束じゃなくて本当に実現するなんて、とてもうれしいです。

真山りか　本当にありがたいです、コラボイヤフォン。いつかやりたいと言っていたことがこうして本当に叶うなんて夢にも思っていなかったので。これでエビ中の音楽をより私たちに近い形でファンの方に届けられると思うと、今から楽しみです。

全員　楽しみー！

──今回は2人ずつのペアで計3種類のコラボイヤフォンが完成したということで、それぞれがこだわったポイントや、制作過程のエピソードなども聞いていけたらと思います。まず、ペアのチーム分けはどのように決めたんですか？

柏木ひなた　あみだくじで決めました。すごく原始的な決め方で（笑）。

真山　そうそう、私たち偶数のグループだから。

小林歌穂　いつも出席番号順で決まることが多いから、それだと楽しみがないっていうことでね。

──なるほど。ではあみだくじで決めたチームでどのようにイヤフォンを作っていったのか、詳しく聞いていきたいと思います。最初は前回の取材にも参加した真山さんと小林さんチームから。チーム名はあるんですか？

真山　えーと……（小林を見て）「チームA型」です。

──A型ならではのこだわりが詰まっている？

小林　けっこう分担したよね。

真山　そうだね。（小林）歌穂ちゃんは絵が得意ということでケースのイラストをお願いして。代わりに私は音をがんばって選ぶと。

小林　（真山は）私よりもはるかにいろんなイヤフォンを使っている人だから、間違いないと思って。

真山　オーディオが好きなので。

──役割分担がはっきりしているチームなんですね。色味はどうやって決めたんですか？

真山　色味は一緒に決めたよね。

小林　好みが近くて、「この色がいい」という感覚が同じだったから選びやすかったです。

真山　でも色の種類はめちゃくちゃいっぱいあったよね？ 色見本ってこんなに分厚いの!?って驚いた。

小林　緑1つ選ぶにもすごくたくさん種類があって。

真山　私たちはケースの色にベージュを選んだんですけど、「大人っぽくて男女問わず誰でも持ちやすい色がいいね」って。

小林　でも渋くなりすぎないように、中身はミントグリーンにして。外側は大人っぽい見た目だけどケースを開けたらポップ、っていう感じをイメージしました。

真山　実はイヤフォンに描いてあるエビのマークも黒じゃなくて、ベージュに合わせた茶色を選んだので、なじみもいいんです。

小林　あと、これは個人的なこだわりになっちゃうんですけど……。

真山　ぜひ言っちゃってくださいよ！

小林　今回せっかくペアだからペア感が出ればいいなと思って、ケースのイラストに2人の出席番号の3と11を入れたんです。私たちの歌を皆さんのお耳にお届けしたいということで、エビが耳の近くで歌っている絵を描いたんですけど、耳が3の形で、エビの触覚が11の形になっていて、ここでペア感を出させていただきました。

真山　ここに小林先生の遊びもあるんですよ。

柏木　ホントだ！

星名美怜　すごーい！

中山莉子　エビが歌ってるのかわいい！

真山　持っているだけでエビ中ファミリーの皆さんがワクワクできる仕上がりです。

小林　皆さんのお耳のお供にと思って描きました。こだわりポイントです。

真山　音はわりとフラットめな、幅広く聞こえるタイプを選びました。高音が耳に痛くなく、低音もよく聞こえる。基本的にずっと音楽を聴いていても疲れないような音を選びました。エビ中の曲って「トレンディガール」みたいに低音がズーンとくるような曲もあれば、「PANDORA」みたいな高音がバシーンとくる曲もあって幅広いと思うんですけど、どっちもちょうどいいバランスで聴ける音を選びました。

──オールマイティタイプですね。

真山　そうですね。皆さんになじむ音がテーマです。

「目指せ！EXIT」のチーム同学年

──次は柏木さんと安本さんチームです。チーム名はなんですか？

柏木　そうですね……「チーム同学年」で。でも基本的にヤス（安本）がやりました（笑）。私も制作の現場にはいたんです！ いたんですけど、同意を求められたときに「うん、そうだね」っていう役割をしていました。

──承認役を（笑）。

柏木　そうです。承認役はやったんですけど、だいたいヤスが「こういう感じがいいね」っていうのを決めてくれて。色合いは自分たちのメンバーカラーの緑とオレンジを入れようと一緒に話していたんですけど、緑もオレンジも色の種類がいろいろありすぎて。最終的には安が「目指せ！EXIT」って言ったので、こういうパキッとした鮮やかな色になりました。

真山　確かにEXITさんが持ってそう（笑）。

柏木　中のイヤフォンは、最初ほかのチームみたいにエビのイラストを入れようと思っていたんですけど、せっかくだから2人の出席番号の5と10を入れようということになりました。音は完全にヤスに任せたのでちょっと……。

真山　聴いてみた感じはどうだった？

柏木　聴いてみたら本当にクリアに聞こえて、耳の中で響いてました。音選びは承認しかしなかったんですけど、使用モデルは一緒に決めたんです。お値段が決め手だったんですけど、「うちらは安いほうがいいよね」って。

──agブランドの中で品番が06のモデルはこの商品だけらしいですよ。

柏木　そうなんだ！ やったー！

──色は鮮やかですけど、デザインはすごくシンプルですね。

柏木　2人共シンプルなデザインが好きだったので、ケースに英語で「earphone」って書いてみる？ってヤスに提案して。名前は忘れちゃったんですけど、私が好きなフォントを推しました。英語がわからないから最初はearphone に“s”が付いてなくて。あとから「英語だと普通は『earphones』なんですけど、s付けますよね？」って教えてもらいました。危なかったです（笑）。

──このデザインは一見するとエビ中だとわからないですよね。知っている人だけが5と10という数字を見てピンとくるという。

柏木　エビ中を知らない人にとってはただのシンプルなイヤフォン。

真山　手に取りやすいよね。

意見が一致したチーム「ギャップ萌え」

──続いては星名さんと中山さんチームです。お二人は何チームですか？

星名・中山　「ギャップ萌え」チームです！

星名　初めは私たちもお互いのメンバーカラーを入れたいよねと話していたんですけど、私と莉子のメンバーカラーはピンクと水色だから持てる人が女の子に偏っちゃうなあって。なのでケースをメンバーカラーにするのをやめて、中身のイヤフォンをピンクにして、柄を水色にしました。

柏木　あ、左右で柄が違うんだ。

真山　わかりやすいね。

星名　「絵を描きますか？」って聞かれたんですけど、画力がなくて（笑）。でもせっかくだからコラボ感を出したくて、エビ中のロゴを使いました。

中山　エビ中のグッズでも校章を使ったものって意外と少ないよね？ 新鮮かなと思って。

星名　ケースはシンプルに黒で。中身も黒だろうなと思いきや、開けてびっくり……。

中山　かわいらしい（笑）。ギャップ萌え。

──確かに、開けたときのインパクトは3組の中で一番大きいですね。

星名　しかもこれならなくさないだろうということで派手な色にしました（笑）。

中山　落としたときも見つけやすいよね。あと、このケースの黒は最初はもうちょっとブルーっぽかったんだっけ？

星名　そうそう、黒にもすごくたくさん種類があったんです。私たちが黒だと思って最初に選んでいた黒が真っ黒じゃなくて若干ネイビーっぽい色味で。

中山　でも真っ黒のほうがいいんじゃない？って意見が合ったんだよね。

星名　好みが合ったから、いろいろ決まるのが3組の中で一番早かったよね。

中山　意見が合ったからすごくスムーズでした。

星名　音は高音も低音も全体的にクリアに聞こえるバランスの取れた感じを選んでいます。