ナタリー PowerPush - 9mm Parabellum Bullet

ライブで磨き上げた強力シングル「ハートに火をつけて」

9mm Parabellum Bulletが会心のニューシングル「ハートに火をつけて」を完成させた。本作にはスカのリズムを取り入れた表題曲をはじめ、バンドの状態の良さがダイナミックに結実した4曲が収められている。これらはどのような流れの中で生まれたのか。メンバー全員インタビューで制作秘話をひも解いた。

取材・文 / 三宅正一(ONBU)

 
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テンションの高い4曲揃い

──久しぶりのシングルですが、強力な4曲が揃いましたね。

滝善充(G) にぎやかなエネルギーが前に出た、かなりテンションの高い4曲が集まったと思います。ただテンションが高いだけじゃなくて、それぞれ曲の性格が違うので、バリエーションも楽しんでもらえるかなと。

インタビュー写真

──この4曲は既にライブでも披露していて。

中村和彦(B) そうですね。次のアルバムまでのタームは、先にライブでやってからレコーディングに挑みたいねという話をみんなでしたんです。

菅原卓郎(Vo, G) ずっとそういうことをやりたかったんです。今までは僕の書く歌詞が追い付かないとか、新曲を練習する時間がないとか、いろいろな理由があってなかなか実現しなくて。でも、今はできる状況があるので、ガンガンやっていこうと。

──やはり良い効果を実感しますか?

菅原 そうですね。良いところも悪いところもよくわかるので。慣れてないから演奏を失敗したりする曲もあるんですけど、なぜ失敗するのかそこでわかるし、ライブ後に修正もできるので。あとは「ここは思ったよりもライブでテンションが高くなるな」というのもわかる。とてもいいやり方ですね。

──今後もできたての新曲をどんどんライブに投入していきますか?

 大いにやっていきたいですね。

もっとジャンクで荒々しい曲を

──それぞれの個性が際立ったこの4曲が完成に至ったのには、昨年6月にリリースした「Movement」というアルバムの存在が大きいと思っていて。あのアルバムはエモーショナルな熱量は一切下げずに、音楽的な成熟と構築美を感じさせる作品だった。今、時間が経ってどういうアルバムだったと感じていますか?

菅原 今、三宅さんが言ってくれたような感じですよね。丁寧に構築しているけど、ただきれいに仕上げようとしたわけじゃないし。その後にリリースした「カモメ e.p.」でストリングスアレンジに挑んだことも含めて、9mmらしさを大事にしながら、サウンドをしっかり構築していく作業をやり切った実感があります。それを経て、もっとジャンクで荒々しい感じの曲もやりたいねという話にもなったので。それがこのシングルにもつながっているし。

──このシングルもただジャンクなだけではないしね。

菅原 そうですね。このシングルはまだまだジャンクではないですね。これからもっとジャンクな曲を作る可能性はあると思います。

──かみじょうくんにとって「Movement」はどんなアルバムでしたか?

かみじょうちひろ(Dr) 先日、移動中に久しぶりに「Movement」を聴いてみたんですね。そこで感じたのは、完成されてはいるんだけど、もうちょっと異質感とかいびつな感じがあってもいいのかなと。だいぶ整えられたアルバムなので。インディーズの音源とか聴いて面白い理由って、普通は考えないような突拍子もないアプローチが突然来て「おっ」って思わせるところで。でも、今、自分たちがインディーズっぽいいびつ感を意図的に出したところで、面白くなるかは疑問でもあって。だからなんとも言えませんが、そういうことを感じました。で、この4曲は「Movement」を踏まえた面白いものになっているかなと。

「Movement」は重要なアルバム

──滝くんはどうですか?

 「Movement」は音楽的にも、演奏的にもしっかりしているなあという印象ですね。なかなか作れるアルバムではないし、すごく気に入ってます。当時、僕はアルバムをしっかり作らせてほしいと思ってて。曲を書かなくちゃいけないから書く、という感じではなくて、ちゃんと曲を作る作業をしたかったんです。そういう職人気質的な発想があったからこそ、「Movement」では1曲1曲でかなり個性を出せたと思う。その個性の出し方は、さっき言ってもらったようにこの4曲にも反映されていると思いますし。

──卓郎くんは先ほど「Movement」を経て、ジャンクで荒々しい曲をやりたかったと言っていましたけど、滝くんの曲作りのモードも同じ感じだったんですか?

 どういう曲をやりたいかは、自分ではよくわかっていなかったんですけど……。でも「ジャンクな曲をやりたいね」という話が出たときに、俺もそういう気持ちがありましたね。

──和彦くんは?

中村 「Movement」は、男前ですごくカッコいいアルバムだと思っているし、そこからバンドの良い状態と流れを保ったまま「MTV Unplugged」ができたと思っていて。「Movement」のようなまとまりの良さ、サウンドを構築する美学を理解しないと、ホントの意味でカッコいいジャンクな音は鳴らせないと思うんです。そういう意味でも「Movement」は重要なアルバムだったと思います。

CD収録曲
  1. Scream For The Future
  2. ハートに火をつけて
  3. R.I.N.O.
  4. ラストラウンド
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9mm Parabellum Bullet(きゅーみりぱらべらむばれっと)

プロフィール画像

2004年3月横浜にて結成。2枚のミニアルバムを残響レコードよりリリースした後、2007年10月10日に「Discommunication e.p.」で鮮烈なメジャーデビューを飾る。パンク、メタル、エモ、ハードコア、J-POPなどさまざまなジャンルを飲み込んだ音楽性と、激しいライブパフォーマンスで人気を博し、現在の音楽シーンを牽引するロックバンドの1組として支持されている。2009年9月9日には初の日本武道館公演「999(アット ブドウカン)」を開催し、1万1000人の観客を動員した。2011年6月には4thアルバム「Movement」を発表し、同月に横浜アリーナにてワンマンライブ「Movement YOKOHAMA」を開催。同公演の模様は、2012年4月に「actIV」としてDVDおよびBlu-rayでリリースされている。2012年6月にはMTVの人気企画「MTV Unplugged」に初出演。アコースティックによるステージの模様は、同年8月にDVD+CD作品として発表され話題を集めた。