THE YELLOW MONKEYメジャーデビュー30周年記念特集|アーティスト15人がつづる「私が聴いた『30Years 30Hits』」

THE YELLOW MONKEYが5月21日にメジャーデビュー30周年を迎えた。

アニバーサリーイヤーの今年、30周年を記念したアイテムが連続でリリースされている。7月20日には2019年に行われたツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-」の模様を収めたコンプリートBlu-rayボックスが発売される。また、これに先駆けて1月からは代表曲30曲を厳選したベストソング集「30Years 30Hits」が各ストリーミングサービスで配信されており、時代を超えて愛される名曲の数々に改めて話題が集まっている。

今回の特集ではそんなTHE YELLOW MONKEYの名曲の魅力を、彼らより年下世代のアーティスト15人によるレビューを通じて紹介する。各アーティストには「30Years 30Hits」から特に好きな1曲を選び、その曲についてのコメントをつづってもらった。2004年のTHE YELLOW MONKEY解散よりもあとに生まれた“Z世代”から、THE YELLOW MONKEYの音楽をリアルタイムで聴いてきた世代まで、幅広いアーティストの耳に4人の音楽はどう響いたのか。

アイナ・ジ・エンド(BiSH)

アイナ・ジ・エンド(BiSH)

特に好きな1曲:「JAM」

やっぱり「JAM」が一番好きです。初めて聴いたのは8年ほど前、事務所の社長がカラオケで歌っている時でした。 家に帰ってからすぐに調べて、ずっと同じ曲を繰り返し聴いた夜がありました。
叫びなのか呆れなのか、当時の私にはぼんやりして、聴いていると体が熱くなるばかりでした。
この感覚はなんなんだろうと、曲を聞くたびに不思議でした。咀嚼するのに時間がかかりました。衝撃が強すぎて。

東京ドームでTHE YELLOW MONKEYをみた時、吉井さんの堂々とした佇まいや波動を感じて、これがきっとスーパーヒーローっていうんだと感じました。
私はこれからも咀嚼を続けて、言葉やメロディ、自分の体にゆっくり馴染ませていきたいです。

プロフィール

アイナ・ジ・エンド

“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバー。天性のハスキーボイスとエモーショナルなパフォーマンス、表現力を評価され数々のアーティストとコラボレートし、テレビCMソングも担当している。2021年2月には本人作詞作曲による全12曲を収録した初のソロアルバム「THE END」をリリースし、ソロ活動を本格化。2021年9月からは3カ月連続リリースを行い、11月に2ndアルバム「THE ZOMBIE」を発表。これに合わせて全国8都市10会場を巡る2ndソロツアー「AiNA THE END Solo Tour “THE ZOMBIE”」を行った。2022年3月には大阪・大阪城ホールで単独公演「AiNA THE END “帰巣本能”」を開催している。

家入レオ

家入レオ

特に好きな1曲:「SUCK OF LIFE」

自分の中に巣食っている誰にも言えない欲望。少しずつ成長するそれを胸の内に飼いながら送り続けている正しい日常生活。今日も無事に1日が終わったと安堵し目を閉じるベッドの中で見る夢は、だけど欲望のままに生きている自分。いっそ全部晒したい、許されたい、溺れたい、を叶えてくれるTHE YELLOW MONKEYの音楽。言葉とメロディの中でのみ得る自由。禁じられる程その先を望んでしまう、人間の性を解き放った名曲たち。本能に何処までも従順な二人の純愛を描いている「SUCK OF LIFE」、「乗客に日本人はいませんでした」と無意識への警鐘を鳴らす「JAM」。THE YELLOW MONKEYの音楽は唯一無二なんだなと改めて感じました。

プロフィール

家入レオ(イエイリレオ)

1994年生まれ、福岡県出身の女性アーティスト。2012年2月にシングル「サブリナ」でメジャーデビューを果たし、同年「第54回 輝く!日本レコード大賞」で最優秀新人賞を受賞。以降も数々のタイアップソングを含むシングル、アルバムを発表。2022年2月にはデビュー10周年を記念したベストアルバム「10th Anniversary Best」をリリースし、同月に東京・東京ガーデンシアターでアニバーサリーライブを開催した。7月6日にはこのライブの模様を収録した映像作品をリリースする。

牛丸ありさ(yonige)

牛丸ありさ(yonige)

特に好きな1曲:「LOVE LOVE SHOW」

THE YELLOW MONKEYの曲は、孤独も愛も背負っている我が儘で寂しい背中をした男の人みたい。
寂しそうなのに愛のためにがんばってみたり、かと思えば誰の指示も受けないと頑固になってみたり、男らしいかと思えば可愛らしくもなる。
チャーミングな男性に振り回されている気持ちになりました。
孤独だから真実の愛や生きている証を探すのか。
そういう男の人に女は弱いんですよねー。

プロフィール

牛丸ありさ(ウシマルアリサ)

ロックバンド・yonigeのボーカリスト / ギタリスト。2013年にごっきん(B,Cho)とともに大阪府寝屋川市にてyonigeを結成。2015年8月に初の全国流通盤「Coming Spring」をリリースした。2019年8月には東京・日本武道館でのワンマンライブを開催。2022年3月には所属していたsmall indies tableから独立した。5月には約9カ月ぶりの新曲「デウス・エクス・マキナ」を配信リリース。9月22日の東京・東京キネマ倶楽部まで、山手線沿線の会場11カ所を回るワンマンツアー「yonige presents 山手線ツアー2022」を開催している。

GEN(04 Limited Sazabys)

GEN(04 Limited Sazabys)

特に好きな1曲:「パール」

深夜のハイウェイを疾走するように、シンプルな進行で進み続ける直球なロックナンバー。特に好きな歌詞に『不自由と嘆いてる自由がここにある』とあります。この言葉はGEN少年の鬱屈した心を解放し、泣き出しそうな夜を何度も救ってもらいました。そしてラスサビの『夜よ負けんなよ 朝に負けんなよ』。この曲の肝とも言えるフレーズで、吉井さんらしい擬人化表現です。僕らの楽曲「Squall」のラスサビでも『太陽負けんなよ』という歌詞がありますが、なんだかイエモンっぽさを感じるフレーズで、僕自身とても気に入ってます。いつかまたイエモントリビュートが出るのなら、僕らは「パール」での参加をお願いします。

プロフィール

GEN(ゲン)

ロックバンド・04 Limited Sazabysのボーカリスト / ベーシスト。2008年に愛知県名古屋市でバンドを結成し、2015年4月にアルバム「CAVU」でメジャーデビューを果たした。精力的なライブ活動、ロックフェスへの出演で人気を博しており、今年夏にも「SUMMER SONIC」「RISING SUN ROCK FESTIVAL」「OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL」といった大型フェスへの出演が多数決定している。2016年からは地元・愛知県にて主催フェス「YON FES」を開催。2021年11月に千葉・幕張メッセで行われたワンマンライブ「YON EXPO'21」の模様を収録したライブ映像作品が現在販売中。

小久保柚乃(私立恵比寿中学)

小久保柚乃(私立恵比寿中学)

特に好きな1曲:「Balloon Balloon」

全曲聴いてみて、イントロから始まらない曲もありますが全部イントロがすごくかっこよかったです。
その中でも特に好きだったのが「Balloon Balloon」です。
イントロもすごくかっこいいし、歌詞に出てくる「カフェオレみたいな巻き髪」とか「花びらみたいな君の匂いで」ってなんだろう?と思いましたが、たぶんすごくかわいくて大好きな人のことなんだろうなって思いました。
初めて聞く言葉とかもあって、色々調べたりして楽しかったです!

プロフィール

小久保柚乃(コクボユノ)

アイドルグループ・私立恵比寿中学のメンバー。2007年3月20日生まれ、愛知県出身。2021年1月から行われたオーディションにより、約7000人の応募者の中から桜木心菜、風見和香とともに新メンバーに選ばれ、2021年5月に加入した。私立恵比寿中学はメジャーデビュー10周年を記念した連続リリース企画を展開中。8月6、7日には山梨・山中湖交流プラザきらら シアターひびきにて夏恒例のライブ「エビ中 夏のファミリー遠足 略してファミえん」を開催する。

斉藤壮馬

斉藤壮馬

特に好きな1曲:「球根」

どの曲も非常に魅力的で1曲だけ選ぶのが難しいのですが、やはりこの曲を外すわけにはいかないなと。ロックであり、歌謡曲であり、フォークでもあって唯一無二。音楽に携わるものとして、こういう曲を書いてみたい、書き上げる快感を感じてみたいと思いました。他の楽曲では『SPARK』も好きです。なんといってもリフがめちゃくちゃ格好いい。ポストパンクなオケにキャッチーなメロディが乗り、ぐいぐいと引っ張られるグルーヴがたまらないですね。

プロフィール

斉藤壮馬(サイトウソウマ)

4月22日生まれ、山梨県出身の声優 / シンガーソングライター。2014年に放送されたテレビアニメ「ハイキュー!!」の山口忠役で注目を浴び、「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」の夢野幻太郎役、「KING OF PRISM by PrettyRhythm」の太刀花ユキノジョウ役、「アイドリッシュセブン」の九条天役などで人気を集めている。2017年6月にシングル「フィッシュストーリー」でアーティストデビュー。2021年春には初のライブツアーを開催した。最新作は2022年2月リリースの「my beautiful valentine」。

阪井一生(flumpool)

阪井一生(flumpool)

特に好きな1曲:「球根」

僕が中学1年の時の作品で、強烈な印象が残っている楽曲です。
こんなに生命の力を感じる曲は他にありません。
この曲がきっかけでファンクラブにもすぐ入り(今も継続中)。
イエローモンキーの沼から抜け出せなくなりました。

プロフィール

阪井一生(サカイカズキ)

ロックバンド・flumpoolのギタリスト。1985年2月26日生まれ。2007年1月にflumpoolを結成し、2008年10月リリースの配信シングル「花になれ」でメジャーデビューを果たす。2009年には「NHK紅白歌合戦」に初出場。2017年12月からの山村隆太(Vo, G)の発声障害による約1年間の活動休止を経て、2019年1月に活動を再開した。2022年3月には最新アルバム「A Spring Breath」をリリース。6月まで全国対バンツアー「Layered Music」を開催している。

菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)

菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)

特に好きな1曲:「砂の塔」

10代の頃からずっとファンですけど、ライブを初めて見たのは「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR」の横浜アリーナでした。そこで感じたのは、自分にとってイエローモンキーが最早血となり肉となっているということ。ライブが進んでいく間「ここはイエローモンキー、ここも…」と自分が解体されていくようでした。「砂の塔」は30曲の中でもトップクラスに美しい曲だと思います。それこそバンドが自己解体、再構築したような部分はニヤリとしてしまいます。大人のための絵本のような、あるいは神話のような歌詞が曲をタイムレスに聴かせるところも好きです。

プロフィール

菅原卓郎(スガワラタクロウ)

ロックバンド・9mm Parabellum Bulletのボーカリスト / ギタリスト。2004年3月に横浜にて9mm Parabellum Bulletを結成し、2007年10月に「Discommunication e.p.」でメジャーデビューを果たした。毎年9月9日の“9mmの日”には趣向を凝らしたライブを開催している。結成18年目を迎えた2022年夏には前作「DEEP BLUE」以来約3年ぶり、9枚目のオリジナルアルバムをリリース予定。現在アルバムにも収録される新曲「One More Time」を先行配信中。