移籍後の芸名使用制限や活動妨害などは厳正に対処、公取委が芸能事務所の契約について指針を発表

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内閣官房と公正取引委員会は本日9月30日、実演家(アーティスト、俳優、タレントなど)と芸能事務所、放送事業者、レコード会社との取引の適正化を目指す新たな指針を発表した。

指針ではまず、芸能事務所と実演家の契約をめぐり、専属義務の期間は双方の協議と合意を前提とすることを明記。移籍や独立を希望する実演家に対する妨害行為、退所時に過大な金銭的給付を要求する行為を禁止している。また移籍・独立後に、放送事業者などに対して「円満退所でなかった」「トラブルがあった」などと伝えて起用しないように忖度させたりと、活動を妨害することについても不当であるとしている。

芸名やグループ名の使用権については、合理的な理由がない限り制限を行わないことを原則化。もし制限する場合においても、その制限の方法は合理的な範囲の使用料の支払などの代替的な手段が必要とされる。

報酬の一方的な決定や、契約を書面により行わずに契約内容を十分に説明しないことも改善すべき対象となった。実演家が報酬の内訳や経費控除について詳細を確認できるよう、契約や明細の透明化も求めている。

さらに、過去にリリースした楽曲の再レコーディングを一定期間禁止する「再録禁止条項」についても言及。レコード会社の投資回収や収益確保という目的のために必要な楽曲にのみ対象を絞り、禁止期間も必要かつ相当な範囲に設定すべきだとしている。特に、契約更新を重ねてリリースから長期間が経過している楽曲については、アーティスト側から交渉があった場合には、合理的な範囲での投資の回収や合理的な範囲での収益の確保ができているのであれば再録を認めるなど、柔軟な対応が求められる。

公正取引委員会は、芸能事務所などが本指針に記載の採るべき行動に沿わないような行為をすることにより、公正な競争を阻害するおそれがあるなどの場合には、独占禁止法等に基づき厳正に対処していくという。

読者の反応

Kitten T.T.👁 @kittenish823

畢竟、これは芸能人の人権の問題なのであり、勝手にあれこれ制約を付けるのは不当なのだと、内閣官房、公正取引委員会が介入せざるを得なかった点でも、芸能界の閉鎖性が限界に来ていることの何よりの証明だ。 https://t.co/A94bJft0AX

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