SPYAIR恒例野外ライブ、2日目はアニメソング祭り「日本のカルチャーを誇らしく愛していこう」

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SPYAIRが9月28日、毎年恒例の野外ワンマンライブ「JUST LIKE THIS 2025」の2日目を山梨・河口湖ステラシアターで開催した。

SPYAIR

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「JUST LIKE THIS」は2015年に初開催され、SPYAIRの夏の恒例行事となっている野外ワンマンライブ。今年は初の2日間開催で、初日は“History of JUST LIKE THIS”、2日目は“History of ANIME”と、異なるテーマを設けて行われた。2日目はSPYAIRの飛躍のきっかけともなった、数々のアニメタイアップソングを中心としたセットリストを展開。集まったファンを終始熱狂させた。

客席で熱唱「サムライハート(Some Like It Hot!!)」で幕開け

シアターの可動式屋根が開き青空が顔をのぞかせる中、ステージにはUZ(G)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)とサポートメンバーのtasuku(G)が現れた。続いてYOSUKE(Vo)も登場するかと思いきや、彼が現れたのは客席のど真ん中。驚きの絶叫が会場を包む中で始まったのはテレビアニメ「銀魂」でおなじみの「サムライハート(Some Like It Hot!!)」。オーディエンスは客席を駆け抜けながら熱唱するYOSUKEを凝視しつつ、大興奮でタオルを振り回した。

客席の中央で1曲目「サムライハート(Some Like It Hot!!)」を歌うYOSUKE(Vo)。

客席の中央で1曲目「サムライハート(Some Like It Hot!!)」を歌うYOSUKE(Vo)。 [拡大]

“History of ANIME”のテーマにふさわしく、その後も「青」「スクランブル」と、歴代のアニメ関連曲を連投。UZのスケール感たっぷりのギター、KENTAとMOMIKENが刻むダイナミックな低音が河口湖畔の空に響き渡る。YOSUKEは「みんなが当たり前に知ってるであろうアニメソングをいっぱい持ってきました。今日は大合唱大会ですよ!」と呼びかけ、この先の期待を高めた。

UZ(G)

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その言葉の通り、「BLEACH」エンディングテーマである「Last Moment」のイントロが始まるとオーディエンスは大盛り上がりに。ステージ前方に進み出たMOMIKENの煽りに応えて大ジャンプを繰り返す。「ハイキュー!!」テーマソングの「One Day」「アイム・ア・ビリーバー」では会場が一体となった大音量のコールが響き、メンバーたちも笑顔でその声に耳を傾けた。会場が夕闇に包まれ始めた頃に披露されたのは「Buddy」そして「My World」。力強いリズムに乗せてYOSUKEが歌う哀切なメロディラインが、シアターの空気を変えていった。

MOMIKEN(B)

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15周年の思いは「音楽に込めてぶつけてる」

MCでKENTAは「昨日は真っ青で、今日は真っ赤で……」と、2日目のテーマカラーである赤色のTシャツ姿で埋め尽くされた場内を満足気に眺める。バンドがメジャーデビュー15周年を迎えたことに話が及ぶと、UZは「いくらでもエモいことを言おうと思えば言えるけど、いいでしょう(笑)」と照れ隠しのように話し「思いも感謝もあふれてるし思い出すことはあるけど、わざわざ口には出さずに。音楽に込めてぶつけてるから」と真摯な気持ちを明かす。MOMIKENも「エモいのは苦手よ(笑)。15周年という歩みはここまでやった曲とこれからやる曲に詰まってるから。皆さんもそれぞれの曲の思い出を噛み締めてくれたら」と、ファンに語りかけた。

KENTA(Dr)

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YOSUKEは「1曲1曲についてアニメから知った人も、逆に曲からアニメを知った人もいるだろうし、俺もそうだった。「オレンジ」を歌うことが決まって『ハイキュー!!』観直して……」と「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」の主題歌「オレンジ」をリリースした当時を振り返る。「曲ごとのかけがえのないストーリーをぶつけながら『JUST LIKE THIS』というお祭りを楽しんでほしいです」と話したYOSUKEが「一緒に歌ってください、「I Wanna Be...」」と次の曲を紹介すると、客席からは悲鳴のような歓声が起こった。直前のメンバーの言葉を体現するように「あなたに会って 思い出して」という歌詞が丁寧に届けられ、オーディエンスは大きく手を広げて彼らのメッセージを受け止めた。

YOSUKE(Vo)

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ヒット曲に熱狂の観客へ「この場所を忘れないで」

後半では「Bring the Beat Back」「FEEL SO GOOD」と、今年と昨年の「JUST LIKE THIS」テーマソングとして制作された楽曲、さらに7月にリリースしたシングル「Chase the Shine」を演奏。前半で披露されてきたアニメソングの数々とはまた異なる、SPYAIRならではのラウドなサウンドに乗せてファンの拳が力強く挙がる。「まだ行けるよな? ずっとこの曲で騒いできたよな?」というYOSUKEの言葉に続いては「現状ディストラクション」をドロップ。観客のテンションはますますヒートアップしていった。

YOSUKEは「毎年思うんだよ、『JUST LIKE THIS』は俺の宝物です。そんな『JUST LIKE THIS』に気付かせてくれた2023年のテーマソングを歌います」と紹介し、自身の加入後初めてリリースされたオリジナル曲「RE-BIRTH」を熱唱。その思いに応えるように、客席からも大合唱が起こった。その後も「轍~Wadachi~」「RAGE OF DUST」「サクラミツツキ」「イマジネーション」と、大ヒットアニメを彩ってきた主題歌の数々を惜しげもなくパフォーマンス。ひとくちにアニメソングと言えど、SPYAIRが幅広いタイプの楽曲でそれぞれの作品の世界を彩ってきたことを改めて観客に感じさせた。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」2日目の様子。

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「SPYAIRを、『JUST LIKE THIS』を愛してくれてありがとう。明日から皆さんは日常に戻ると思うけど、この場所を忘れないで。いつでも待ってます」とYOSUKEが挨拶し、本編最後に披露された曲は「JUST LIKE THIS」。夜空にミラーボールの光がきらめく中で、YOSUKEが感極まったように声をつまらせる場面も。すかさず客席からは合唱が起こり、互いの気持ちをつないでエンディングへと導いた。

「オレンジ」での一体感に「たまんねえな、SPYAIR!」

アンコールではYOSUKEが「ワンマンライブでまた会いたいなと思っているんですが……予定が欲しいよね?」と含み笑いを浮かべ、客席に期待に満ちた歓声を沸き起こす。ここで発表されたのは2026年の全国ツアー開催のニュース。YOSUKEは「皆さん1人ひとりがいてくれてのことです。一緒に最高のツアーにしようぜ!」と再会を誓い、大きな拍手を浴びた。

「今日はアニメの日だけど、まだ“あれ”をやっていない」とYOSUKEはアンコール1曲目を紹介。「この曲に崖っぷちのSPYAIRは救われました。次にやる曲があったから今日このステージができています」と語ったYOSUKEは「アニメがあるから我々も日本以外の場所でライブをすることができます。この日本のカルチャーを誇らしく胸に持って一緒に愛していきましょう」と、アニメと音楽の熱い関係に感謝を延べた。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」2日目の様子。

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ここで披露されたのはもちろん、バンド最大のヒット曲となった「オレンジ」。観客はYOSUKEの求めに応えてスマートフォンのライトを灯し、曲の世界を美しく彩る。感動的な光景に、YOSUKEは「たまんねえな、SPYAIR!」と声を漏らした。2日間にわたった「JUST LIKE THIS 2025」を締めくくったナンバーは「SINGING」。曲の後半では赤いテープが放たれ、メンバーの熱いパフォーマンスとファンの大合唱に華を添えた。

今回の「JUST LIKE THIS 2025」のうち、2日目の“History of ANIME”の模様は11月30日にMUSIC ON! TVで放送されることが決定。アンコールで発表された全国ツアーのチケットは、公式ファンクラブにて10月6日まで最速先行予約を受け付けている。

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セットリスト

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」2025年9月28日 河口湖ステラシアター

01. サムライハート(Some Like It Hot!!)
02. 青
03. スクランブル
04. Last Moment
05. One Day
06. アイム・ア・ビリーバー
07. Buddy
08. My World
09. I Wanna Be...
10. Bring the Beat Back
11. FEEL SO GOOD
12. Chase the Shine
13. 現状ディストラクション
14. RE-BIRTH
15. 轍~Wadachi~
16. RAGE OF DUST
17. サクラミツツキ
18. イマジネーション
19. JUST LIKE THIS
<アンコール>
20. オレンジ
21. SINGING

撮影:鳥居洋介、野口みみ

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SPYAIR STAFF @SPYAIRSTAFF

\LIVE REPORT②/

#音楽ナタリー にて
『JUST LIKE THIS 2025』DAY2
ライブレポートUP✨

@natalie_mu
#SPYAIR #SPYAIR_JLT2025 https://t.co/YEvqy1wgWK

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