「COSMiiCを開始します」
「BUDDiiS vol.10 - COSMiiC -」は、BUDDiiSが今月迎えた結成5周年を記念して行われたアリーナワンマン。昨年の東京・日本武道館公演、そして埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演と、着実にステップアップしてきたグループのさらなる成長を見せる2DAYS公演で、9人は広大な“宇宙”を舞台に、BUDDiiSの多彩な魅力を提示するステージでバディ(BUDDiiSファンの呼称)を楽しませた。この記事では21日のライブの模様をレポートする。
開演時刻を迎えステージ上のビジョンに映し出されたのは、9色のカラフルな部屋の中で過ごすメンバー9人の姿。思い思いに趣味の時間を楽しむ彼らに向け「COSMiiCを開始します」というアナウンスが投げかけられると、彼らはその言葉を合図にスタンバイを始めた。横浜アリーナを埋め尽くすバディの期待感がぐんぐんと高まっていったそのとき、ステージの上段に浮かび上がったのは逆光に照らされた9つのシルエット。「アルマゲドン」の名場面さながら、宇宙服を連想させるメタリックな衣装をまとって堂々たるオーラを放つ彼らは、凛とした顔つきで未発表曲「SHINE ON!!」を高らかに歌いつなぎ、「COSMiiC」の幕を落とした。
ステージのあちこちから放射されるカラフルなレーザーの瞬きが9人のスペーシーなコスチュームを色鮮やかに照らした「Koi to me」から、スパークラーが勢いよく噴射された「HONEY」へ。9人は冒頭から熱量の高いパフォーマンスで会場の熱狂を一気に高めていく。「HONEY」では情熱的なサウンドに身を任せたSHOOTが「教えてやるよ!」という咆哮を響かせ、バディの歓声を欲しいままにしていた。
祝5周年!「YO HO」で打ち上がる祝砲
バディが掲げる制御型ペンライトがグループカラーである黄色の光を放つと、結成初期からの人気曲「YO HO」へ。“COSMiiC仕様”のエッジーなアレンジが施されたこの曲で花道へと駆け出した9人は、アリーナの真ん中でバディからの声援を受け止める。SEIYAが「Let's go 横アリ!」と叫んだのを合図にバディは大きなコールの声を上げ、開幕早々熱い一体感に包まれた横浜アリーナ。キメのタイミングでメンバーが拳を掲げると、メインステージのビジョンには「祝5周年!」という文字をかたどる花火が打ち上がり、文字通りの祝砲に客席からは歓喜の声が上がる。そんな晴れやかなムードの中、リーダーのFUMINORIは「僕たちBUDDiiSとバディで最高の空間作っていきましょう!」とバディに約束。続く「LÖVE ME」で、9人はバディとの心の距離をグッと狭めるようなフレンドリーなパフォーマンスで会場中を魅了した。
「COSMiiC」というライブタイトルに沿ったステージセットや衣装、映像演出でも来場者を楽しませた今回のライブ。幕間映像でもメンバーがSF映画に飛び込んだような世界観が展開し、ここではSEIYA&TAKUYA、FUMINORI&YUMAがタンデムで近未来風のレーシングゲームに、MORRIE、FUMIYA、SHOOT、SHOW、KEVINが光線銃やレーザーソードを操るシューティングゲームに興じる姿が映し出された。VRでゲームを楽しむメンバーだったが、ここで突如“エラーメッセージ”が表示され、不穏なムードを引きずったままライブ本編へとつながっていく。
「バチバチに気合い入ってます!」
TAKUYAとYUMAによるパワフルなペアダンスでライブが次のシーンへと進むと、2人の奥から姿を見せたのはFUMINORI、SEIYA、SHOW、FUMIYAの4人。彼らはここでBUDDiiS屈指のドープなヒップホップナンバー「Mr. Freak Out」をドロップし、フリーキーなフロウをつないでオーディエンスのハンズアップを促す。曲の後半にはダンスセクションのアレンジも盛り込まれ、FUMINORIとFUMIYAはそれぞれの得意とするスタイルのソロダンスで持ち前のスキルを遺憾なく発揮してみせた。再び9人がステージにそろって届けられたのは聴き手をディープかつセンシュアルに誘う「Instinctive Love」。KEVINやMORRIEによる美しいファルセットボイスが艶やかなムードを醸す中、9人は滑らかなムーブで魅せるダンスパフォーマンスでも観衆を魅了した。
パワフルに躍動するダンス&ボーカルで駆け抜けた「RUN」を経て、この日最初のMCへ。9月18日に誕生日を迎えたばかりのSHOOTは「23歳になって一発目のライブなので、バチバチに気合い入ってます!」と気合いをのぞかせる。また、9人が順に自己紹介をしていく中では、YUMAが「さっきふみくん(FUMINORI)に5秒で考えてもらった」という自己紹介を披露する場面も。「世界一カッコいい俺って?」「YUMA!」というコールでバディと盛り上がる。また、直前に披露された「RUN」について、KEVINはこの楽曲をSHOOTと共に制作したことを報告。振付はFUMINORIが担当したことを付け加えて「カッコいいでしょう!?」と笑顔で胸を張った。
MV再現に迫真の「Iris」…BUDDiiSの多彩魅せるステージ
MCののち、ステージに残ったKEVIN、MORRIE、SHOOTのメインボーカルチームは花道の先のセンターステージへと歩みを進め、バラードナンバー「わがまま」を歌い届けた。SHOOTが「出会いと別れをテーマに歌っている楽曲。今自分の身近にいる大切な人、そういう人を大事に。自分の人生を大切に。そんなふうに聴いてもらえたらと思います」と紹介したこの曲で、3人は情感豊かな美しいボーカルワークを披露。豊かな広がりを生むハーモニーで聴衆の心を震わせる。メインステージで残る6人も合流しての「Lack」では、満たされない恋心を切ない表情に、歌声に宿して表現したBUDDiiS。MORRIE&SHOOT兄弟が見せた迫真のかけ合いや、SHOWが持ち前のハスキーボイスで聴かせる歌声が楽曲の世界観をぐっと深め、9人が見せる渾身のパフォーマンスに、バディもじっくりと耳を傾けていた。
シリアスなムードから一転、「Magic」ではコミカルな魅力を前面に打ち出したパフォーマンスを見せた9人。ステージに現れたトレンチコート姿の女性にメンバーが歌声をつなぎながら次々と“求愛”していくという、この楽曲のミュージックビデオで描かれたストーリーをステージ上で再現してみせる。YUMAの“セクシーアピール”にSEIYAの投げキッス連打……それぞれに熱烈なアピールを見せた9人だったが思いは実らず、ドタバタな空気感のまま「HOT CHEESE」へ。この楽曲ではステージ上のビジョンに彼らのキメ顔が次々と切り取られ、リアルタイムで思い出のアルバムが作り上げられていくような楽しい演出に笑顔の輪が広がっていった。コミカルからシリアスまで、BUDDiiSのバラエティ豊かな楽曲、パフォーマンスが次々と披露されたこのパートの最後に用意されていたのはドラマチックなミドルバラード「Iris」。繊細な歌の表現とダイナミックなフォーメーションのコントラストでバディを釘付けにした9人がステージ奥へと姿を消すと、サイバー空間の中“エラーメッセージ”に戸惑う9人の姿がビジョンの中に浮かび上がった。
みんなも同じ気持ちですか? 今日は帰さねえぞ!
切迫感に満ちた状況の中、窮地に立つメンバーを救ったのはSHOOTの涙。彼の流した一筋の涙が光に変わると、その光は横浜アリーナ全体に広がっていった。「とにかくここから出よう」。映像の中のメンバーがそう誓うと、本公演でそれぞれが背負うテーマカラーの衣装に身を包んだ9人がそろってステージへ。リーダーのFUMINORIはここで「こっからまだまだ、盛り上がっていけますか! バディのみんなは“そのまま”がずっと素敵です!」と叫び、9人は十人十色、ありのままの個性の輝きを讃える「Brightness」でパフォーマンスを再開させる。9人が色とりどりの声色でボーカルをつなぐと、客席のペンライトの光も色鮮やかに明滅。歌詞で歌われる“眩しい世界”が眼前に広がるような演出も相まって、会場のムードは温かに高揚していく。
5周年の結成記念日である9月16日にリリースされたばかりの「Dear」ではセンターステージに立ち、四方を囲むバディへ向け「いつも隣で寄り添う未来を約束するよ」という楽曲のメッセージを歌い届けた9人。メンバーがお互いに寄り添いながら花道を行進した「OZ」でファンタジックなムードが加速すると、BUDDiiSのライブには欠かせないラブソング「The One」がここで届けられた。KEVINがFUMINORIの“奇跡ポーズ”をマネしながら歌声を響かせたりと、メンバーの楽しい“おふざけ”もヒートアップ。そんな中、この日の“ラブコール”係を担ったSHOOTは「もしもーし、SHOOTです。今日みんなとバイバイしたくないよ。みんなも同じ気持ちですか? 今日は帰さねえぞ!」と宣言。客席中の黄色い悲鳴を一身に浴びた。
この先の未来も僕たちとずっと一緒に
「The One」を終え、この日2度目のMCタイムにはバディにウェーブを促して客席を1つにした9人。ここまでのパフォーマンスで受けた熱烈な声援に、YUMAは思わず「歓声の量がすごいですね。過去イチじゃない?」と口にする。するとSEIYAは「これからも絆見せていきましょうよ」とバディに呼びかけ、TAKUYAも「みんなまだまだ盛り上がれますか!」と続いた。そんなTAKUYAによる渾身の「聴いてください!」からなだれ込んだスタイリッシュなダンスナンバー「LIGHTS」が届けられるとライブも佳境。「Under The Sea」からは5曲をつなぐ「COSMiiCスペシャルメドレー」が展開され、9人はバディの声を求めながらアリーナ外周の通路へと歩みを進める。メンバーが通路のあちこちに散らばった「Ütopia」では、FUMINORIが「愛してるよ」とバディにラブコール。超近距離で笑顔を交わすメンバーとバディがキャッチーなダンスを踊って楽しんだ「ALIEN BOY」ののち、「JEALOUS」では「Jump, jump!」と会場中を煽る9人の声にバディが応じ、横浜アリーナを揺らすジャンプの波が会場の一体感を高めていった。
バディたちのさらなる声を求めて9人が「LOUD」を届けると、「Wow wow wow」のシンガロングとクラップの音が横浜アリーナに響きわたる。ボーカル陣の歌声が高らかに響く中、TAKUYA、YUMA、FUMIYA、SEIYA、FUMINORIの5人はアリーナ外周をリレー形式で猛ダッシュ。底なしのエネルギーを見せつけて熱狂をさらに加速させた。「俺ら一生バディのこと愛すからさ、これからも付いてきてくれよ!」。FUMINORIがそう告げた「BUD」のペンライトを回す動きで会場中が固い結束で結ばれたクライマックス。今年の夏を彩った「BLUE SODA」で青一色に染め上げられた客席を愛おしそうに見つめたメンバーは、ラストナンバーとして「Dear」を贈る。「この先の未来も僕たちとずっと一緒にいましょう」。そう約束したFUMINORIの言葉を体現するように、歌詞に刻んだメッセージを大切に歌いつないでいく9人。彼らとバディの温かな結束を祝福するように、最後にはきらめくテープキャノンが降り注ぐ。最後にFUMINORIが「1つだけ忘れないでください。あなたが笑顔になりたかったら、いつだって僕たちは駆け付けます。絶対また会いましょう!」と告げ、9人はステージから姿を消した。
MORRIEからの贈り物
熱烈なアンコールを受けて9人がステージに戻ると、ここでメンバーとバディを驚かせたのはMORRIE。彼は「ちょっと前まで(活動を)休止したり、心配かけることが多かったでしょ。でも今日思ったのは、俺、歌って踊ってが大好きなのね。それが一番の“お薬”というかさ。ここ(ステージ)に来ると治るんだよ。それがうれしい」と思いを語り、「メンバーにもたくさん支えてもらって感謝してる。だから、5周年を記念してさ、プレゼントを用意したの」と、SEIYAが考案したBUDDiiSの新たなロゴマークが刻まれた、シルバーのペンダントヘッドをメンバーに贈った。「ガチサプライズすぎて!」とFUMIYAも思わず声を上げ、目を丸くした彼の行動に、8人は「めっちゃうれしい!」と大喜び。この光景にMORRIEは「大事な人がお守り感覚で付けてくれてたらさ、俺もモチベ上がるから」と笑顔を見せていた。
「ずっと中身は変わっていないから。初心を忘れずやっていきたい」と思いを新たにしたSEIYAに続き、SHOWは「こうして5年間グループを続けられていることはすごいこと。今もBUDDiiSができていることが一番の幸せです」と語る。TAKUYAは「BUDDiiSを中心に自分の人生が発展し、輝いている。それが幸せだなって思います」と言葉に充実をにじませ、FUMIYAは「これからもいい思い出たくさん作って、楽しいことをいっぱいしたいと思います」とバディに約束した。
皆さんとならどこまでも行ける
「2日間横アリでライブができるなんて! ヤバいですよね。みんなのおかげ!」と太陽のような笑顔を見せたKEVINの言葉ののち、SHOOTは「ライブをするたび、音楽をみんなで作り上げるたびに、生きててよかったと人生を誇れます。これからもそばにいてほしいし、そばにいさせてください」とまっすぐにバディに伝えた。同会場で行われた成人式に出席したという横浜出身のYUMAは「(成人式で)友達に『いつかこのステージに立ってみたいわ』って話してたんです」と明かし「そのときは夢のまた夢だったけど、現実になって。夢叶えたぞ!って。夢を持つことは大事だと思いました」と言葉を噛み締めた。それぞれの思いがバディの胸を震わせた挨拶の最後、FUMINORIは「皆様とならどこまでも行けるし、皆さんとじゃなかったらどこにも行けない。これからもBUDDiiSと歩んでくれますか? これからもいっぱい幸せを届けるので、これからも温かい応援をよろしくお願いします!」とまっすぐにバディへと訴えかけた。
そして、ここでBUDDiiSがソニー・ミュージックレーベルズと契約を締結したこと、2026年に全国ホールツアーが行われることがバディに向けて発表され、客席から上がった大歓声にFUMIYAは思わず涙。リーダーのFUMINORIは「ソニーさんとタッグを組んで、僕らさらに大きくなるので、よろしくお願いします!」と力強く語った。歓喜のニュースに沸いたひとときを経て、9人がアンコール1曲目に届けたのはデビュー曲の「CLICK ME」。5年前からはるかに大きくなったステージで、はるかにたくましく進化したパフォーマンスを届ける9人は、楽曲の随所に“指ハート”を盛り込んでバディへの想いを表明する。続く「Sonic」では、そろってアリーナ外周の通路へと踏み出した9人。瞬く光の海の中を進みながらバディの力強い声援を受け止め、KEVINとMORRIEは気持ちよさそうにユニゾンでロングトーンを響かせた。「皆さんとならどこまでも行ける」。遥かなる宇宙空間を舞台に、そんなバディへの思いを歌で、ダンスで表現したBUDDiiSの横浜アリーナワンマンのラストを飾ったのは「WE HIGH」。9人がつなぐ希望に満ちた歌声に客席中のバディは力強いハンズアップで応え、会場には感動的な一体感が広がった。「光のその先へ」というSEIYAのフレーズで楽曲が締めくくられると、リーダーのFUMINORIは「日々を過ごす中で暗くなってしまうときは今日のライブを思い出して笑顔になってください。絶対にまた会いましょう!」と告げ、9人は何度も手を振りながらステージをあとにした。
セットリスト
BUDDiiS「BUDDiiS vol.10 - COSMiiC -」2025年9月21日 横浜アリーナ
01. SHINE ON!!
02. Koi to me
03. HONEY
04. YO HO
05. LÖVE ME
06. Mr. Freak Out
07. Instinctive Love
08. RUN
09. わがまま
10. Lack
11. Magic
12. HOT CHEESE
13. Iris
14. Brightness
15. Dear
16. OZ
17. The One
18. LIGHTS
19. メドレー
・Under The Sea
・Ütopia
・R4U
・ALIEN BOY
・JEALOUS
20. LOUD
21. BUD
22. BLUE SODA
23. Dear
<アンコール>
24. CLICK ME
25. Sonic
26. WE HIGH
関連人物
vitalxchange @vitalxchange_
@natalie_mu 写真や詳細記事リンクをつければ、エモさと拡散力UPします