セントチヒロ・チッチ×クロちゃんが語る「ザ・スイッチ」|女子高生と殺人鬼が入れ替わってるー!?怖くて笑えて泣ける未体験ホラー、撮り下ろしポスター&特別動画も公開

ホラーなのに思わず応援しちゃいました(クロちゃん)

──ミリーの姿になったブッチャーがあの手この手で殺戮を繰り広げるシーンはいかがでしたか? チッチさんは「気持ちよかった」とのことでしたが……。

チッチ 全部スパーン!と爽快にやってくれて最高でした。一番好きだったのは意地悪な先生と対決するところです。ただ襲うだけじゃなくてもう1つ工夫を凝らす残虐さが素敵でした。

「ザ・スイッチ」
「ザ・スイッチ」

クロちゃん 恐ろしすぎるわ! でも女の子になって力が弱いはずなのに、自分よりも大きなやつらをバンバン殺していくので、思わず応援しちゃいました。殺される側の性格が悪いから「やっちゃえ!」って思うんですけど、最終的に殺し方が残酷すぎて目を背けるっていう(笑)。今までのホラーだったらずっと「イヤー!」ってなってたんですけど、応援してしまったのが新感覚でした。

チッチ わかります。ミリーに嫌なことをしてきた人たちの伏線が「次はあいつだ!」って回収されるのが気持ちよかったです。

クロちゃん あと1人ひとりのキャラクターがしっかりしてたよね。嫌な子は嫌な子で、ミリーをいじめてたくせに一夜明けて注目の的になったら急に態度がコロッと変わるあの感じ。ミリーを使ってSNSの反応を増やしたいっていうのがすごく今時で、しっかりクソだなって思いましたよ。

──前半はハイスクールものとしても楽しめましたよね。

「ザ・スイッチ」

チッチ はい。ハイスクールあるあるだなって思ったのは、クロちゃんが言ってたロッカーの前でいじめてくる女子たちですね。で、その先にイケメンの男の子がいてキュンみたいな瞬間があって、ラブの部分がどうやって進んでいくのか楽しみになりました。あと意外とミリーがきちんとしてないのもかわいくないですか?

クロちゃん 授業に遅刻したりしてね。僕が共感したのは、大学に進学したいから内申点を上げるために部活をやったりするところ。僕、中学校のときに成績が悪かったんですけど、勉強したくなかったので高校の推薦をもらうために生徒会長になったんですよ。だからミリーのちょっとダメなところがリアルだなって思いました。

──細かい設定にも注目していただいてたんですね。本作はミリーの成長物語という側面もありますが、感動したポイントはありますか?

チッチ いっぱいありました! 登場人物みんなのセリフに印象的なものが多かったんですけど、特にブッチャーの姿になったミリーとお母さんとの会話に感動しました。ミリーのままだったら話せなかったことを打ち明けられて、お互いに成長できたシーンだと思うんですよ。ラストには2人とも前に進んでいるんだなって感じることができて、すごくグッときましたね。

「ザ・スイッチ」

クロちゃん 僕も一番は今チッチが言ったシーン! あそこは体が入れ替わったからこそ成立してたと思うし。ほかには、ブッチャーになったミリーと親友2人が一緒に逃げる場面で友情を感じました。ブッチャーといたら犯罪者の仲間にされてしまうかもしれないのに、迷いなくみんなで逃げたじゃないですか。ああ本当の仲間なんだなって熱くなりましたね。

チッチ うんうん。あと恋愛の部分もよかったです。憧れの彼がミリーをちゃんと見てくれてたんだってわかるシーンではすごくキュンとしましたし。いろんな感動するポイントがありました。

「ポニョ」は10回観に行きました(クロちゃん)

──チッチさんはインタビューの最初で本作に期待していたとおっしゃってましたが、ブラムハウス・プロダクションズの作品のファンなんですか?

セントチヒロ・チッチ 左からセントチヒロ・チッチ、クロちゃん。

チッチ ファンです! 最近もけっこういろいろ観ました。「ゲット・アウト」とか「アス」とか「マー ―サイコパスの狂気の地下室―」とか……。どれも社会的な問題や差別の話が入っていたんですけど、「ザ・スイッチ」でもミリーの親友2人がゲイや黒人の女の子だったので、ちょっとずつそういうテーマを訴えかけてる感じがしてやっぱり深いなと思いました。

──クロちゃんは普段どんな映画をご覧になるんですか?

クロちゃん 甘酸っぱい感じのが好きなんで、基本的に青春系の映画を観ますね。あとデートで「崖の上のポニョ」を観に行ったり。1回観て内容を知ってるのに、知らない振りして違う子ともう1回観に行ったりして。僕10回観に行きました。

──なるほど……(笑)。明るい作品を観ることが多いんですね。

クロちゃん 明るいやつです。自分の生活の中でもうホラーを味わっているから、わざわざ怖い思いをしに行こうなんて思わない。

チッチ 確かに(笑)。

クロちゃん 実際、番組とかで家に勝手に隠しカメラが仕掛けられてたり、知らない人がいたりするから。寝て起きて知らない人がいるって殺されると思いますよ!

チッチ あはははは!

クロちゃん だからホラー映画を観ていると、殺されそうになっている人と自分が重なっちゃうんです。その人が殺されるときに「ああ、ほんとだったら俺も死んでるのかな」って思っちゃうから嫌なんですよ。

左からセントチヒロ・チッチ、クロちゃん。

──好きな映画が対照的なお二人ですが、もし一緒に映画を観に行くとしたらどんな映画を観たいですか?

チッチ (渋い顔をしながら)いや……なんとも……。

クロちゃん いやいや「なんとも」ってなんなの? 今から戦いに行く志願兵じゃないんだからさ! チッチはホラーばっかりだから、青春系とか行きたいけどね。途中で手を握ったりしたいし。

チッチ いや、手は握りたくないです……。でも横で叫ばれたりすると嫌なので、クロちゃんとはホラーは行きたくないです。集中したいんで。

クロちゃん ほんとの断り方じゃん。僕、今は彼女いないんですけど、彼女がいたときはホラー観てて声出しちゃったり、感動系の映画で先に泣いちゃって。それ見て泣けないって怒られたこと何回かあります。

チッチ あ、泣いたりするのは大丈夫です。一緒に泣いてくれる人のほうがいいですね。

──では泣ける映画ということで……。

チッチ はい。そこに落ち着きました。

クロちゃん 落ち着きましたって。観に行かなければ死ぬとかじゃないから!

うんこ掛けられても死なないじゃないですか(チッチ)

──本日は入れ替わり後のミリーとブッチャーの衣装を着ていただきましたが、お二人がもし本当に入れ替わったとしたらどんなことをしたいですか?

クロちゃん チッチの体を手に入れたら……?

チッチ (クロちゃんに引いた目を向ける)

クロちゃん

クロちゃん なんでそんな感じになってるの? いや、いろいろやってみたいことはありますよ。僕、今はだまされてお笑い芸人をやっていますけど、もともとアイドル志望だったんです。だからBiSHとしてみんなの前でライブをやって、しっかりとした評価を得たいです。

チッチ ふふ(笑)。

クロちゃん あと、僕はチッチと同じ事務所の豆柴の大群のアドバイザーをやっているんですけど、最近メンバーが言うことを聞かないので、チッチとして「クロちゃんの言うことを聞かないとだめだよ」「アドバイザーじゃなくてプロデューサーに戻しな」って言いたいですね。グループLINEを作ったんですけど、未読スルーとかガンガンすんの!(※クロちゃんは2020年2月にアイドルグループ・豆柴の大群のプロデューサーを解任されアドバイザーに就任した。参照:豆柴の大群、アドバイザーとしてクロちゃん返り咲き「次は夏曲で水着!」

チッチ それは怒っときます(笑)。私はけっこう怖がられているんで、私になったらなんでも言うこと聞いてくれると思います。

クロちゃん 待って! それで普通にチッチが怒ったら俺がチクったってことになるからそこは言い方考えてね!?

──チッチさんはいかがですか?

セントチヒロ・チッチ

チッチ 私はドッキリを仕掛けられたいです。サプライズって普通に生きてたらなかなかないことじゃないですか。それをいっぱい味わっているクロちゃんはうらやましいなって思います。

クロちゃん えー地獄だよ? どんなのやられてみたいの?

チッチ さっき言ってた「起きたら誰かいる」みたいな本当の怖いドッキリをやられたいです。あんまり普段怖いって思わないんですよ。だから「怖い!」って思いたい。

クロちゃん めっちゃあと引くよ、あれは本当に……。でもBiSHだからさ、うんこ掛けられたりとかいろんなことやってるじゃん。あれはドッキリに似てない?

チッチ でもうんこ掛けられても死なないじゃないですか。

クロちゃん え!? 俺死ぬと思ってるの? 一か八かで生き残ってると思われてるの?

チッチ ギリギリを生きてるなと思ってます。

クロちゃん マネージャーがスタッフさんに「クロちゃんは死ぬ以外NGないんで」って言ってるのを聞いたときには「こいつらマジでヤバいな」って思ったからそれだけは気を付けて! 「あ、守ってくれないんだ」って。

大事な人と観て分かち合ってほしい(チッチ)

──いろいろと映画の感想を伺ってきましたが、この映画はどんな人にお薦めできますか?

チッチ 今は学校に行けない時間が多かったり、仕事の人に会えなかったり、いろんなことが怖い世の中じゃないですか。この映画はホラー要素やスカッとする部分ももちろん楽しめるんですけど、最初に話したように家族愛や友情や恋愛っていう本当に思い出すべき大切なものが詰まっているなと感じました。だから、大事な人と観て分かち合ってほしい映画だなって、初めてホラーを観ててそう思いましたね。家族や友達とワイワイ観に行って楽しんでほしいです。

「ザ・スイッチ」

クロちゃん 僕は怖がりですけど、この作品を観てミリーちゃんの姿になったブッチャーを「もっとやれ!」って応援したり、笑ってしまうシーンも多くてすごく楽しめたんです。しかも観終わったあとはいろいろ考えさせられるし、成長できる作品だなって思いました。だからホラーが苦手な人にこそ、一歩踏み出して観てほしいです。もちろん怖いですよ! でも怖いのを受け入れた先に何が見えるかっていうのを、自分で体感してほしいですね。

──ありがとうございます。公開されたらお二人で劇場へ観に行くのはどうですか?

クロちゃん ね? 今、分かち合えた感じになってるもんね?

チッチ ちょっと……考えておきます……。

クロちゃん なぜ! 仲良くなったと思ったのにー! 怖いの好きなチッチと怖いの苦手なクロちゃんの感想を「そうそうそう」って分かち合えたじゃん! もう1回観たら新しい発見があって楽しいかもよ?

チッチ 考えておきます……。

クロちゃん 答えは変わらず! なんなのほんとー!