今までの経験をどう周囲へ還元するか “人間麹菌”斎藤工が語るドラマ「漂着者」

コラム 漂流する斎藤工、その行き着く先は

斎藤工

変幻自在、“見えない何か”を備えたような存在感

今年、8月22日の誕生日で40歳になる斎藤工。2001年にデビューし、俳優としてのキャリアはちょうど20年になる。映画にドラマにと多数出演しているが、映画「昼顔」や公開待機作の「孤狼の血 LEVEL2」「シン・ウルトラマン」、ドラマ「BG~身辺警護人~」や秋元康が手がけた「共演NG」など、確かな演技力で作品ごとにまったく異なる顔を見せる斎藤。本作で演じるヘミングウェイは正体不明の漂着者であり、不思議な予知能力で人々から崇められるという捉えどころのないキャラクターだ。だが、キャスティングされたことについては「映画『団地』をはじめ、実は意外と地球外生命体や浮世離れした男を演じることが今まで何度もありました。案外、見えない何かが備わっているのかも(笑)。今回はそんなところを秋元さんが見抜いてくださったんじゃないかと」と述懐。漂着シーンは自ら志願して文字通り、体を張った。その役者魂はあっぱれ!

エンタテインメントへの多面的な関わり

俳優以外にもクリエイティブな一面を持つ斎藤。パーソナリティを務める映画情報番組ではディープな知識を披露し、10年も続く人気番組になっている。本名の「齊藤工」名義で映画監督として活躍しており、高橋一生主演で撮った「blank13」は第20回上海国際映画祭のアジア新人賞部門最優秀監督賞含む8冠を国内外で獲得し、今年公開された「ゾッキ」では竹中直人、山田孝之と共同監督を務めた。そのほか、プロデューサー業にも乗り出している。映画に対するいくつもの目線を持つが、今回は? 「封印ではないですけど、しゃしゃり出すぎるのもよくない。でも、一視聴者として作品がより魅力的で深さのあるものになったらいいと思うんです。ただ、誰も見たことがないという言葉は使い古されている。作る以上はそういったものを凌駕する何かをしなくてはいけない。制作陣とディスカッションしているとき、そんな好奇心が湧き立つようなほうに向かうときは、一演者であっても意見することはあります。主人公を演じる以上、このプロジェクトのために自分ができることはしたいですね」。果たして、凌駕するために斎藤がやったこととは!? それは自分の目で確かめよう。

培ってきたことをどう還元するか、“人間麹菌”としてのこれから

コロナ禍を機にエンタメの形も変わり、いろいろなことと向き合う機会も多かったという斎藤。俳優としてこれからも続けていくうえで、健康のことを考えるうちに“腸活”に目覚め、食事をすべて乳製品や発酵食品にしたという。味噌やぬか漬けも自分で作るほど徹底し、そんな腸活を撮影現場でもスタッフ&キャストに説いて回っているとか。「腸活する中で発酵食品のよさを実感するようになりました。発酵は周りを生かし、素材も生かすんです。そう考えてみたら、自分が今、求められているのは“発酵すること”じゃないかと。俳優をやってきて、20代、30代のときはステップアップという概念も自分がこうありたいというものでした。でも、パンデミックでその考えが不思議なほどなくなってしまって。自分がこれまで培ってきたことをどう周りに生かすか、どう還元するかということを考えるようになりました。まさに、そんなタイミングで回ってきた作品なんです。僕の今までの時間を、人間麹菌として、作品にどう還元するか。スタッフとキャストさんの腸内環境をフォローしながら、作品に臨みたいです」と語っている。

共演者・白石麻衣、戸塚純貴が見た斎藤工

白石麻衣演じる新谷詠美。

白石麻衣新聞記者・新谷詠美役

──斎藤工さんと共演して、印象はいかがですか?

すごく周りを見ていて、気遣いが素敵な方だなと思いました。
見た目はクールで不思議なところがたくさんある感じがしますが、実際お話ししてみると、とっても面白くてユーモアで溢れてる方なんだなと感じました。

──現場はどんな雰囲気でしょうか。

いつも楽しく撮影しています。
周りの役者さんが素敵な方ばかりで、みなさんそれぞれアドリブが面白く、いつも堪えるのに必死です。笑

──“謎の男”を演じる斎藤さんの謎めいた部分、もしくは自分が見てしまった秘密の一面は?

誰よりも体に良いもの(食べ物)を知ってるところですかね。
見習わなきゃと思うところがたくさんあったので、色んな健康の話を聞いて、私も腸活頑張ろうと思いました!

白石麻衣(シライシマイ)
1992年8月20日生まれ。乃木坂46の1期生として2011年に加入し、グループの中心的メンバーとして活動、同年代の女性などにも幅広く支持される。2020年10月28日の配信コンサートを持って卒業し、現在はモデル・女優として活躍。主な出演作に、映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」、ドラマ「漂着者」などがある。個人で開設したオフィシャルYouTubeチャンネル「my channel」の登録者数は130万人を超え、ますます多方面での活躍を期待されている。
戸塚純貴演じる野間健太。

戸塚純貴新潟県警刑事部捜査一課の刑事・野間健太役

──斎藤工さんと共演して、印象はいかがですか?

以前共演させて頂いた映画「MANRIKI」も今回もですが、工さんはもれなく変な役をやりたがる印象があります。
どんな方にも優しく、作品に臨む姿勢はとても紳士的で完璧な方だと思います。とっても頼りになる先輩であります。

──現場の雰囲気はいかがですか?

それぞれが謎めいているのでこの不思議な世界観を楽しみながら毎回新鮮な雰囲気の中撮影に臨めていると思います。
ただ現場で呼ばれる時など、役名で呼ばれることが多いのですが、ヘミングウェイさんやローゼンさん、ラペ、リモ、ペリなどこの現場には誰一人としてまともな名前の人がいないなと思いました。

──“謎の男”を演じる斎藤さんの謎めいた部分、もしくは自分が見てしまった秘密の一面は?

ある日の現場でたくさんトンボが飛んでいたので、人差し指を立ててトンボがとまるのを待っていたら、工さんがとまってくれました。なんてかわいい人なんだと思いました。

戸塚純貴(トヅカジュンキ)
1992年7月22日生まれ、岩手県出身。2010年に行われた第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにて理想の恋人賞を獲得して芸能界入りし、ドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」で俳優デビューを果たす。近年では映画「ケアニン」シリーズや「銀魂」シリーズ、「MANRIKI」などに出演してきた。