結木滉星インタビュー

世の男性がドラマを観て行動してくれたらうれしい

──本ドラマでは専業主夫家庭限定のマンション「メゾン・ド・オット」を舞台に、5組のカップルの悩みやトラブルが描かれます。東京・渋谷の一等地、おしゃれな2LDK、家賃はたったの月5万円という好条件のこのマンションに住むため、結木さん演じる神谷リクは勢いで専業主夫に転身します。

僕も楽観的というか、感覚で行動するタイプなのでちょっと似ていました。

──ところが実際にはわからないことだらけで、身をもって学んでいくことになりますね。結木さんは最初に“主夫”と聞いて、どんな印象を抱きましたか？

両親の姿を間近で見てきたので、大変そうというイメージでした。主夫 / 主婦って一番大変な仕事だって言われたりもするじゃないですか。だからとにかく漠然と、大変なんだろうなあと。

──リクを演じたことで、その印象が変化した部分はありました？

やっぱり大変でした！ 洗濯物の干し方1つ取ってもうまくいかなくて怒られる場面もあったり。でも専業主夫としての仕事をまっとうすることで、それ以上にやりがいを感じられると思いました。僕が将来結婚したときは、専業主夫になるのは難しいかもしれないけど、“どちらかが”ではなく一緒にやりたいです。2人で協力できれば大変さも楽しさに変わるかなと思うので。

──“主夫”をメインにしたドラマを作ることで、どのような反響に期待していますか？ ドラマの中でも描かれますが、専業主夫という役割に偏見を持つ人がまだたくさん存在しているのも事実ですよね。

そうですね。夫が専業主夫だということを自分の両親に言えない、というエピソードも描かれますが……。でも「こういう人がいる」ということをドラマで描くのは大きいですし、リクが成長していく姿を見て、世の男性もちょっとでも行動してくれたら同性としてはうれしいです。実際に専業主夫をされている方も、悩みが共有できたりして響く内容だと思います。

「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」夢の競演

──結木さんはメインキャストの中で唯一、全員と共演されていましたね。

はい！ 基本的にどの回もそれぞれの家庭がメインになるんですけど、唯一ほかの住人と関われる場所がサウナで。主にそこで皆さんとお会いしましたね。サウナのシーンは全話通して1日で撮影したので、僕が朝から晩までずっと“サウナの主”みたいになって、皆さんが交互に入れ替わって来たのが面白かったです。奥野（壮）くんに「『仮面ライダージオウ』のメンバーって今も仲いいの？」とか聞いたりしながら（笑）。

──特撮枠出身のキャスト陣ということでファンが盛り上がっていますが、出演側にも特別な意識はありましたか？

共演したことはなくても（テレビ朝日の）日曜特撮枠をやってきた人たちには、どうしても仲間意識が芽生えますね。親近感が湧きます。楽しいことも大変なこともたくさんある1年間を味わった仲間なので、そんな方々とこうして共演できるのは本当に光栄です。

──「主夫メゾン」の中では「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」の結木さんを中心に、「仮面ライダーゴースト」出身の磯村勇斗さんと「仮面ライダードライブ」出身の稲葉友さんがベテラン主夫、「仮面ライダーエグゼイド」出身の瀬戸利樹さんが少し先輩の主夫、「仮面ライダージオウ」の奥野壮さんは同じく手探り中の主夫だったり、特撮の出演順と役の主夫歴がリンクしている気がして面白かったです。

え、本当だ！ 今言われて気付きました（笑）。リクは意図せず周りに影響を与えていく役で、リク自身もほかの主夫たちから影響を受けて成長していくので。リクと同じ目線になってドラマを観ていただけると楽しめると思いますよ。

──ちなみに結木さんだけ「スーパー戦隊」出身で、ほかの4人は「仮面ライダー」出演者ですね。

確かに……どっちもいると思い込んでいたのでちょっと寂しい（笑）。今思えば「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」の夢の競演だったんですね。うれしいキャスティングでした！