磯村勇斗インタビュー
現場でパパと娘の関係性を築き上げた
──今回、初めての父親役ということで新たな一面を見せられましたね。子役との撮影はいかがでしたか?
僕自身子供が好きなので、子供に愛情を注ぐ父親でいようと思い描いていました。でも実際に父親という立場にならないと子供がいる感覚はわからないと思うので、現場で娘役の子に会ってからパパと娘の関係性を築き上げました。撮影以外の時間も一緒に遊んだりして楽しかったです。かわいかったですね、本当に。
──娘の絵を褒めるシーンは本当に親子のようで印象に残っています。磯村さん演じる大友龍之介は大企業を辞めて主夫になり、今では家事も料理も完璧にこなしています。魚までさばいていましたね!
今回初めて魚さばきに挑戦したんですけど、意外と楽しかったです。普段から料理はしているので先生にも褒められました(笑)。でもプライベートではやっぱりハードルが高いですよね。スーパーに行って、魚売ってるなあと思ったんですけど……買わなかったです(笑)。いつか出刃包丁を買ったらまた挑戦したいです。
仕事と家庭を両立するのは本当に大変
──磯村さんは料理だけではなく家事全般が得意なんですよね。一人暮らしの家事と、家族を持つ主夫の家事はまったく違うと思いますが、役を通してどのように感じましたか?
一人暮らしは1人分の食事を作って、1人分の洗濯をして。でも家族が2人、3人と増えていけば、その量も2倍、3倍と変わっていくわけですよね。その分時間も取られますし、仕事と家庭をバランスよく両立するのは本当に大変なんだなと改めて思いました。将来結婚したらどういうふうに生活していくんだろうと想像したことはありますが、自分は仕事にのめり込んでしまうタイプなので、今のように自分1人ではすべてをこなせないかもしれません。特に俳優の仕事は不規則なことも多いので。でも家族のためだと思えばできるんですかね。
──ドラマの配信を控えて、どのような反響を期待していますか?
女性が家庭を切り盛りして、男性は外で稼いで来るという考え方が古くからあったと思いますが、時代とともに価値観が変わってきて。そういう流れの中で「主夫メゾン」という作品が生まれて、主夫という形を提示することで、どこか安心する人もいると思います。それは実際に主夫をされている人もそうですし、「男性が家事をする」という認識が広がるだけでも何か変わる気がしました。「家事は女性がするもの」でも「男性も家事を手伝う」でもなく、一緒にやろうと自分から思えることが一番いいことだと思います。
──先ほどご本人に聞いたのですが、稲葉友さんがサウナのシーンで被っているサウナハットは、磯村さんがプレゼントされたものだそうですね。
そうなんですよ、まさか「主夫メゾン」で登場するとは(笑)。ちょっとうれしいですよね。いいの? 大丈夫?と思っちゃいましたけど。2人ともサウナ好きなんですけど、「サウナシーンを入れてください」と頼んだわけじゃないということは言っておきたいです!
衣装協力:Apron Story(磯村勇斗)
- 磯村勇斗(イソムラハヤト)
- 1992年9月11日生まれ、静岡県出身。特撮ドラマ「仮面ライダーゴースト」のアラン / 仮面ライダーネクロム役、連続ドラマ小説「ひよっこ」でヒロインの夫となる役を演じ脚光を浴びる。近年出演した映画は「新解釈・三國志」「ヤクザと家族 The Family」など。2021年は7月公開予定「東京リベンジャーズ」や、劇場版「きのう何食べた?」の公開が控えている。放送中の大河ドラマ「青天を衝け」に徳川家茂役で出演。テレビ東京系ドラマ「珈琲いかがでしょう」の放送も控えている。
瀬戸利樹インタビュー
脚本を読んだときは「マジか!」
──第5話の主人公・牧田伸は、ほかの主夫たちとは少し性質が違うと言いますか。既婚未婚や性別に関係なく同じ経験をしたことがある人は多そうですよね。
そうなんです。3度目の司法試験に向けて浪人中だけど、やる気が起きなくなってゲームばかりしたり自堕落になっていて……。「やる」と言ったのに実際はやっていなかったというのは、人間の裏の部分と言いますか、1人でいるときに伸みたいに過ごしてしまうことってあると思うんです。誰もが思い当たる節のある、一番人間らしい役だと思います。
──応援してくれる人の気持ちを裏切るうえ、有名大学卒でプライドが高いので、ほかの主夫たちを見下した態度でひんしゅくを買ったり。なかなか強烈なキャラでした(笑)。
僕も脚本を読んだとき思いました。マジか!って(笑)。
──伸のパートナーは、伸のどこを好きになって結婚したと思いますか?
現場でもその話題になったんです。その結果、「心の広い人だった」という結論に至りました。ひどいことをされたり言われたりしているのに、めげずに寄り添ってくれる人ってそうそういないので。「伸、お前本当に大事にしろよ!」って自分で演じながら思っていました(笑)。
──ほかの回では“主夫”という仕事から悩みやトラブルが発生しましたが、伸にとっての“主夫”は捉え方が少し違います。
それが結果プラスになっていくのが素敵でした。主人公の心境の変化や成長がリアルに感じられる話なので、共感しながら観ていただきたいです。
僕、目分量が神がかってるんです
──伸のように他人がうらやましくなったり、弱気になって何もやりたくなくなってしまうことは多々あると思いますが、瀬戸さんはそんな状況をどのように打破しますか?
僕は学生の頃にずっと野球をやっていて。県選抜に推薦で選ばれたことがあるんですけど、集まってみたらびっくりするほどうまい人ばかりで。小学1年生の頃からプロ野球選手になりたいと思っていたのに、そのときに上には上がいるなと思ってしまった経験があります。あのときはあきらめてしまいましたが、こうしてまったく違う道に進んで、25歳になって。今はいじけたりするような気持ちはなくなりました。というより、そういう気持ちを自分で受け付けないようになりました。たぶんどこかで思ってはいるんですけど。同じジャンルで自分より上がいるのは当たり前だと思うのですが、それで悲しくなるのは嫌だなって。
──自分のやりたいことをまっとうすることこそが、周りも幸せにするということに伸は気付きました。きっと瀬戸さんの仕事にも通ずることですよね。
僕自身、伸という人間を通して気付かせてもらえました。この仕事が向いているかどうかというより、やりたいという気持ちで続けられている部分があるので、そういう意味では最初から最後まで共感できた役でした。今の自分の状況に迷いがある人にも響くと思います。
──勇気付けられる人もいるかと思います。瀬戸さんと言えば、2020年の秋頃に昼の番組で料理を披露されていましたね。懸命に特訓されている姿が印象に残っている人も多いと思いますが、その後も続けていますか?
がんばってます! あのときより僕はさらにレベルアップしています。特にナポリタンと生姜焼きがめちゃめちゃ得意で自信があります。いろいろな人に食べてもらいたいです。ナポリタンは隠し味があるんです。
──隠し味ということは、教えてはいただけないでしょうか……?
うーん、一度だけ話したことがあるので言います(笑)。具材としてはエリンギを使うんですけど、なんとそこにバターを入れるんです! 味の深みが出て本当においしくなる。生姜焼きは勘です。僕、目分量が神がかってるんです。このドラマを撮影してる時期にも家で生姜焼きを作ったんですけど、ありえないぐらいおいしい日があって。お店の生姜焼きが5だとしたら、僕の生姜焼きは8。でもその日は10だった! 本当にみんなに食べてほしい。来世では店を開こうかなあ。
衣装協力:Apron Story(瀬戸利樹)
- 瀬戸利樹(セトトシキ)
- 1995年10月7日生まれ、千葉県出身。2014年にドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」で俳優デビュー。2016年から特撮ドラマ「仮面ライダーエグゼイド」に仮面ライダーブレイブ / 鏡飛彩役で出演した。主な出演映画は「チア男子!!」、ドラマは「偽装不倫」「マリーミー!」など。中村里帆とダブル主演を務めたドラマ「シンデレラはオンライン中!」がFODで配信中。2021年放送のテレビ東京系ドラマ「お茶にごす。」に出演するほか、セカンド写真集「et SETO la」が3月20日に発売される。
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