テレビ朝日系で毎週日曜9時から放送中の「仮面ライダーセイバー」。映画ナタリーでは、同作の関連特集を2本立てでお送りする。
第1弾では、11月8日からTELASAで独占配信中の「仮面ライダーセイバー スピンオフ 剣士列伝」を取り上げる。本作は、ソードオブロゴスの剣士5人の知られざる過去や、秘められた内面を描くオリジナルシリーズ。今回は、各話のメインを務めたキャスト5人による座談会をセッティングした。新堂倫太郎 / 仮面ライダーブレイズ役の山口貴也、富加宮賢人 / 仮面ライダーエスパーダ役の青木瞭、尾上亮 / 仮面ライダーバスター役の生島勇輝、緋道蓮 / 仮面ライダー剣斬役の富樫慧士、大秦寺哲雄 / 仮面ライダースラッシュ役の岡宏明に、スピンオフの見どころやキャラクターの個性について語り合ってもらった。
そして3ページ目からの第2弾では、12月18日公開の「劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本」をフィーチャー。第1弾の5名に、主人公である神山飛羽真 / 仮面ライダーセイバー役の内藤秀一郎と、ヒロイン・須藤芽依役の川津明日香を加えた7名の、人となりがわかる座談会をお送りする。
取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / ツダヒロキ
「こういう生い立ちなんだ」と納得できた(山口)
──本作は、ソードオブロゴスの剣士5人それぞれにスポットを当てたスピンオフです。まずご自身がメインとなるスピンオフの製作を知ったときの心境を教えてください。
山口貴也 初めての主演ということでうれしい気持ちが半分、あとはいつも内藤(秀一郎)くんがやっている主演というポジションを自分ができるのかというプレッシャーも感じていました。僕自身、新堂倫太郎という役がまだまだつかめていないところはあったので、脚本を読んで「あ、こういう生い立ちなんだ」と、自分でも納得できた部分が大きかったです。
岡宏明 真面目だなあ(笑)。
山口 はい、真面目です!
青木瞭 僕も初めての主演を務めさせていただき、うれしい反面プレッシャーがありました。貴也と一緒ですが、期待してもらえていると思うと、どうしてもいろいろ考えることが出てきてしまって。でもやっていくうちに、富加宮賢人だったらこういう考え方をするんじゃないかと想像することによって、「がんばれば自分にもできるかもしれない」と思えるようになりました。
生島勇輝 第1話は「仮面ライダースラッシュ&バスター」ということで、僕らは初めてのダブル主演で。
岡 はい。
生島 ただ僕に関してはあまり主演という意識はなくやっていました。「スラッシュ&バスター」では尾上亮と大秦寺哲雄がどういう経緯でここまで来たかが描かれていたので、倫太郎たち若い剣士とは違う渋さや落ち着きを表現することができるかなと思いました。
岡 そうですね。実年齢だと俺は若いほうなんですけどね。
生島 実際はそうだね(笑)。
富樫慧士 僕はスピンオフが決まってすごくうれしかったです。主演というプレッシャーはそんなに感じず、自分なりにやった感じですね。本編につながるエピソードもありましたし、緋道蓮というキャラクターを深く掘り下げられたのがよかったと思っています。
岡 僕は企画の段階でプロデューサーさんから「スピンオフがあると思う」と聞いて、素直にうれしかったですね。僕がこのスピンオフに期待したのは、大秦寺哲雄と尾上亮の15年前に何があって、何を思って15年間生きてきたのかというバックボーンを、皆さんに知っていただけること。そして何より、僕たち自身がキャラクターについて深く理解する機会になるということ。これからのお芝居にすごく生かされるだろうなと思ったんです。
生島 第1話では、尾上と大秦寺の絆も描かれていて、そのシーンは僕ら2人きりで芝居したんです。それを演じてから、本編の撮影に戻ってもその関係性が出るようになってきたよね。
岡 そうですね。テレビシリーズでも2人が目を合わせるタイミングがあったりするので、スピンオフの内容とつなげて観ていただけたらいいですね。
降臨、満を持して……って感じですね(岡)
──このスピンオフではキャラクターの知られざる過去や内面が描かれます。皆さんは最初に自分の役が決まったとき、どこまで情報を教えてもらっていたんですか?
山口 倫太郎については、なんとなく今までの歴代2号ライダーをイメージしていたんですが、設定をうかがったときに「あれ、なんか思っていたのと違う、すごく協力的な感じだな」と思って……。
生島 そうだね(笑)。1号のライバルというよりは、協力者。
山口 こういう新しい2号ライダーの形を、僕が作っていけるという意味ではうれしかったですね。(仮面ライダーセイバーが使う)キングオブアーサーの絵だけ先に見せてもらったときは、あれは誰が使うのかな? みんなでスーパー戦隊みたいに合体するのかな?と不思議に思っていました。
青木 基本的に僕も台本を開いてからストーリーを知るので、毎回すごく新鮮です。先に内容を聞いてしまうと、どうしてもやっぱり「俺はこのあとこうなるんだ」「倫太郎はこうなるんだ」と考えてしまって、ちょっと慣れたリアクションになってしまうかなと。
岡 先がわからないからこそ、考察するのも楽しいよね。放送を観ないとわからないヒントもあるし。
青木 あ、やっぱりそういうのあるの? 本編を観たらわかるんだ。
岡 やっぱり映像だとわかるものもある。
青木 勉強になります!
一同 (笑)
青木 彼は仮面ライダー大好きなので、こうやってちょくちょく知識をもらってるんです(笑)。
生島 僕が演じる尾上は、本編第3章からの登場だったんです。撮影の3日前くらいに初めて本読みをしたとき、中澤祥次郎監督から脚本にはないような設定を説明してもらいました。尾上は……15年くらい前からやってるんだっけ?(岡を見る)
岡 尾上さんは、15年前にソードオブロゴスの若手剣士だったくらいですね。
生島 そうだよね。今の倫太郎や賢人たちのような段階を経て、そらくんという子供もできて。
──言える範囲で構わないのですが、そらくんの母親の設定はご存知ですか?
生島 一応、いるということはわかっているんですが、僕もまだどんな奥さんなのかは未知の状態です。勝手に想像するとしたら、奥さんは外でバリバリ働いていて、尾上が主に主夫業をしていて……緊急事態には剣を持って戦いに出るという感じかな(笑)。今後そのあたりも描かれてほしいなと、楽しみにしています。尾上はイクメンという設定ですけど、僕には子供はいないので、この作品の中で育児や夫婦関係を疑似体験できたら面白いなと思っています。
岡 最初の企画書だと大秦寺さんの設定がとてもふわっとしていたんです。僕がプロデューサーさんからなんとなく聞いていたのは、ソードオブロゴスの刀鍛冶で、普段は無口だけど武器に対しての熱量は人一倍ある人物だということ。テレビシリーズの第5章、第6章で、上堀内佳寿也監督が大秦寺哲雄というキャラクターを一緒に作り込んでくださいました。
生島 第3章、第4章の本読みで、セリフが一言しかなくてめちゃくちゃ苦労してたもんね。
岡 まだ大秦寺さんのことがあまりわかっていない段階でセリフが一言だけあって、「この人はどんな人間なんだ?」と悩んでしまったんです。でも第5章と第6章を経てやっと大秦寺さんと友達になれたかな、と思ってます。
──岡さんが仮面ライダーの大ファンだということはすでにファンの皆さんも知るところですよね。第8章放送後の次回予告で、大秦寺の変身する仮面ライダースラッシュが出てきたとき、きっとファンの方々も「変身できてよかったね!」という気持ちだったと思うんです。
山口 やっと変身できた感じですもんね。おめでとうございます!
岡 はい。降臨、満を持して……って感じですね。今のは、そのまま載せていただければ。「仮面ライダー電王」に出てくるセリフなので(※「電王」のキャラクター・ジークおなじみのセリフ)。
一同 (笑)
2020年12月4日更新