映画ナタリー Power Push - 「セーラー服と機関銃 -卒業-」

北村匠海インタビュー DISH//メンバーも知らない、“俳優・北村匠海”のこと

3月5日に公開される「セーラー服と機関銃 -卒業-」。1981年に相米慎二が監督を務めた「セーラー服と機関銃」のその後を描くこの映画は、弱小ヤクザの組長という驚きの過去を持つ女子高生・星泉が困難に立ち向かっていくエンタテインメント作だ。旧作で薬師丸ひろ子が、そしてテレビドラマ版で原田知世や長澤まさみが演じたヒロインの泉に、橋本環奈が扮している。

映画ナタリーでは、ダンスロックバンドDISH//のメンバー“TAKUMI”としても知られ、同作では泉の同級生・周平を演じた北村匠海にインタビューを実施した。2016年に入り出演作「信長協奏曲」が封切られ、本作のほか「あやしい彼女」「ディストラクション・ベイビーズ」の公開も控えるなど、役者として大躍進を見せる北村。今回は、自身の俳優活動と「セーラー服と機関銃 -卒業-」の見どころについて語ってもらった。

取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / 上山陽介

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ただのアイドル映画ではない、素晴らしい作品ができた

──北村さんは、女子高生組長・星泉の同級生である周平を演じられましたが、まず完成作品をご覧になって、いかがでしたか?

「セーラー服と機関銃 -卒業-」より。

びっくりするくらい独特の世界観がありました! 前田(弘二)監督が映す橋本環奈さんがすごく美しく、力強くも見えましたし、ベテラン俳優の方々のおかげもあって、ただのアイドル映画ではない素晴らしい作品ができたなあと思いました。

──周平、智生、哲夫、泉が4人で会話しているシーンはすごく自然に見えました。台本はあったんですか?

台本は一応あったんですけど、アドリブに近いというか、4人の空気感は普段のままでした。前田監督は、けっこうアドリブを好む方なんです。劇中に出てくるヤクザの世界は僕たちとあまり接点のない非日常かもしれないけど、ところどころに日常的なポイントを描くことにこだわられていて。カメラワークもワンカットで撮ることが多くて、パキパキの映画というよりは日常の切れ端を映していくような描き方だなあと思いました。あの4人で話しているシーンは、撮影以外での会話をそのまま持って来たりもして。

──楽屋でも、4人はああいう雰囲気でいたと。

北村匠海

そうですね。みんな気さくだったので楽しかったです。特に、最年長のささの(友間)くんが中心となって空間づくりをしてくれて、やりやすかったです。

──今回初主演を務めた橋本環奈さんとは、共演してみていかがでした?

一緒にやっていて思ったのは、すごく堂々としてるな、と。僕はまだ経験がないんですけど、初主演となるときっと気を張っちゃう部分も出てくるんじゃないかなと思うんです。でも、すごく堂々と演じているし、お芝居に対してもすごく貪欲で、見習いたいと思いました。主演の責任を背負っていると思うんですけど、それをあえて表に出さず、自然体でいられる橋本さんはすごいなって。

──武田鉄矢さんとも共演されましたね。

武田鉄矢さんは、アドリブがすごくて! アドリブなのに、あそこまで世界観に浸って話せるのってすごいなと思いました。やっぱり偉大でした。

──ご自身の出演シーンに限らず、好きな場面はありますか?

泉組長と組員の2人がメダカカフェ内でほのぼの話してるシーンですね。作品全体としてはすごくヘビーなんですけど、あそこでは3人の関係性も表れているし、先の展開を忘れてホッとできちゃうというか。きっとアドリブだったんだと思うんですけど、いいシーンだなって思いましたね。

「セーラー服と機関銃 -卒業-」より。

──周平の役柄としては、彼がホリウチグループの会社へ就職が決まる、ということが物語のポイントにもなりましたね。北村さんは今まさに高校卒業を控えていると思いますが、クラスの空気など共感できる部分もあったんじゃないですか?

僕は高校を卒業してもずっと芸能活動をしていくっていう進路なんですけど、周りはけっこう受験する人も多いですね。あのシーンは、「もし就職決まったらこんな感じなんだろうな」って思いながら演じてました。そのあと、就職先のことで泉に呼び止められる場面は、周平としての将来への決意をしっかり持って演じられたので、自分としてはうまくできたんじゃないかなと思うんです。

大切に大切に演じようと思った

──この作品は1981年に公開された薬師丸ひろ子さんの主演作「セーラー服と機関銃」のその後を描いていますよね。旧作はご覧になっていましたか?

北村匠海

はい、この作品を撮る前に観ました。「セーラー服と機関銃」は大勢の方から長く愛されている作品なので、大切に大切に演じようと思いました。今回の映画は、旧作とストーリーは違うんですけど、シリーズの大事な部分は丁寧に引き継いでいきたいなって。

──前作では、光石研さんが周平を演じていますが、意識したり、演技を参考にした部分はありますか?

そうですね、でもまるっきり一緒にしてしまうのは違うなと思いました。もちろん光石さんの素晴らしい演技を見習いたいなと思いましたが、真似すると言うよりは、僕自身で周平という役を噛み砕いて演じました。

「セーラー服と機関銃 -卒業-」2016年3月5日より全国公開

「セーラー服と機関銃 -卒業-」

高校1年生のとき、亡くなった伯父から弱小ヤクザ・目高組を引き継ぎ四代目組長となった星泉。敵対組織・浜口組に乗り込んで機関銃をぶっ放し、見事伯父の仇を討った泉だったが、現在はその浜口組とも協定を結び、目高組を解散。代わりにメダカカフェの店長を務めながら、普通の高校生としての日々を取り戻そうとしていた。しかし同級生がモデル事務所の詐欺に遭ったり、街に出回る“麻薬クッキー”で女子高生が命を落としたりと、泉の周りで事件が連続して発生。すると堀内組というヤクザの不穏な動きを察知した浜口組若頭補佐・月永が、手を組もうと持ちかけてきて……。

スタッフ

監督:前田弘二

原作:赤川次郎「セーラー服と機関銃・その後─卒業─」(角川文庫刊)

主題歌:橋本環奈「セーラー服と機関銃」(YM3D / YOSHIMOTO R and C)

キャスト

星泉:橋本環奈
月永:長谷川博己
安井:安藤政信
祐次:大野拓朗
晴雄:宇野祥平
真淵:古舘寛治
くさかべ:鶴見辰吾
星嗣夫:榎木孝明
浜口:伊武雅刀
土井:武田鉄矢
周平:北村匠海
智生:前田航基
哲夫:ささの友間

北村匠海(キタムラタクミ)

1997年11月3日生まれ。東京都出身。2008年に「DIVE!!」でスクリーンデビュー。主な出演作に「鈴木先生」「陽だまりの彼女」「信長協奏曲」など。4月に「あやしい彼女」、5月に「ディストラクション・ベイビーズ」の公開を控えている。スターダストの男性アーティスト集団EBiDANに所属しており、TAKUMI名義で4人組ダンスロックバンドDISH//のメインボーカル兼ギターとしても活動中。