「劇場版ウルトラマンR/Bセレクト!絆のクリスタル」濱田龍臣×潘めぐみ|ウルトラファン歴、怪獣愛、円谷プロへの切願…“ただのガチオタ”2人のノンストップトーク!

3月に封切られた「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」のソフトが7月26日に発売決定! 映画ナタリーでは特集第2弾として、本作に出演した「ウルトラマンジード」の主人公・朝倉リク / ウルトラマンジード役の濱田龍臣、ペガッサ星人ペガ役の潘めぐみの対談を掲載する。

2人の共通点は、筋金入りの「ウルトラマン」好きであること。潘とコラボレーションしたこともある特撮ソングカバーバンド・科楽特奏隊の大内ライダーがインタビュアーとなり、ビデオデッキにテープが巻き込まれるほど見返したという幼少期の思い出から、好きなウルトラマンや怪獣のエピソード、円谷プロに望む今後の展開までを2人から聞き出した。ネタバレありで「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」の見どころもたっぷり紹介!

取材 / 大内ライダー 文 / 松本真一 撮影 / 星野耕作

ウルトラマンジャスティスを好きな理由? それはですね……(濱田)

左から濱田龍臣、潘めぐみ。

潘めぐみ 2人だけで取材受けるのって初めてだよね? なんか照れるね(笑)。

濱田龍臣 そうですね(笑)。

 さっきの写真撮影のときも、「リクくん、少し背が大きくなった?」と思いながら隣を見てました。

──今日は「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」に関する取材ということで、1つ前のシリーズである「ウルトラマンジード」から映画にゲスト出演しているお二人の話をいろいろ聞かせてください。

濱田 わかりました! オッケーです。

──映画の話ももちろんですが、ウルトラマンシリーズ全体の作品愛についても聞けたらなと。せっかくウルトラマン好きとして有名なお二人がそろっているので、遠慮せずに全力で、ウルトラマン愛を語ってもらえれば。ネタバレも気にせず。

濱田 僕はただのガチオタですからね(笑)。いやあ、今日は楽しそうですね!

 いいですね。仕事であるのをちょっと忘れちゃう感じ。

──まず濱田さんは、いろんなところで「好きなウルトラマンは?」と聞かれて、「ウルトラマンコスモス」の劇場版に登場するウルトラマンジャスティスが一番好きだと答えられていますけど、好きな理由というのは。

取材開始早々、ウルトラマンの魅力をまくしたてる濱田龍臣。

濱田 理由ですか? そうですね……(以下、早口で一気に)「劇場版 ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET」のときにサンドロスと戦うコスモスの味方として現れたジャスティスが、「劇場版 ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE」では“宇宙正義”を掲げるデラシオンの代理人として登場しますよね。それでいわゆるファンが言うところの「コスジャス」で、デラシオンやジャスティスのバックボーンまでわかるじゃないですか。ジャスティスはサンドロスが将来的に有害な存在になるかもしれないことを知ったうえで猶予を与えていて、でもその結果として2000年経ってサンドロスが宇宙の秩序を乱すことになってしまったのを失態だと感じていたからこそ、かつてのサンドロスと似たような思考を持っている地球人に対して厳しい態度に出るっていう。でも最終的には、コスモスという名前の犬を飼っている少女が、自分の命を顧みずに犬を助けようとしているのを見て感化されて、ジャスティスの中で迷いもありつつ、改心してウルトラマンコスモスと一緒に地球のために戦ってくれる。宇宙から大気圏に落下しかけたときには、溶けそうになっているにもかかわらず身を呈してコスモスを守ってくれるんですよ! そこまでして戦ってくれるんですよ。そしてコスモスと1つになってウルトラマンレジェンドになるっていう一連の流れが胸熱でしかないんですよ! あと単純にデザインも大好きです! ……ふぅー(と息を切らす)。

──……今日はいい取材になりそうですね!(笑)

 大気圏のとこ、コスモスの後ろでジャスティスが守ってくれるのが熱いよね。

濱田 そうなんですよ、あれはヤバいですよね!

──「コスモス」の劇場版はリアルタイムで観ていたんですか?

濱田 いや、本編も含めてDVDですね。車で移動するときはずーっと、ウルトラマン関係の何かしらが車内で流れていました。

──それは濱田さんが子役時代、「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」にナオ役で出演する前?

濱田 全然前です。「ウルトラマンネクサス」「マックス」「メビウス」を観ている頃だったので。4歳から6歳ぐらいの頃ですね、そういったDVDを観ていたのは。

 それは家族がウルトラマンを好きだったとか?

濱田 父や母はがっつり特撮大好きってわけではないので、DVDは誰かから譲り受けたものなんでしょうね。「ウルころ(ウルトラマンボーイのウルころ)」とかいろんなDVDを持ってたんですよ。それが僕のうまいところに刺さったんでしょうね。それで……こうなってます。

潘めぐみ

 「こうなってます」(笑)。いや、実際にウルトラマンになっちゃうんだからすごいよ!

──潘さんも4月1日にNetflixで配信開始のアニメ「ULTRAMAN」に、北斗星司 / ACE役での出演決定おめでとうございます。

 私もウルトラマンになったー!

──2018年12月に行われた「ULTRAMAN」のイベントでは、濱田さんが「ペガもウルトラマンになったということで、お赤飯を炊きたいと思います!」とコメントされてました(参照:「ULTRAMAN」スペシウム光線へのこだわりとは?濱田龍臣のウルトラマン愛もさく裂)。

 エゴサしてたときにそのコメント見ました!(笑)

濱田 我が身のごとくうれしいです。なんか、はーー……!って感じです。

一同 (笑)。

濱田 自分も「ウルトラマンになりたい」と昔から思っていて、実際にウルトラマンにさせていただいた身ではあるので、ほかにも夢が叶った方がいらっしゃるっていうのはすごくうれしいですし、それがましてや潘さんですからね。アニメ「怪獣娘(~ウルトラ怪獣擬人化計画~)」にもエレキングとして出られていて、「ウルトラマンジード」ではペガとしてずっと一緒だった潘さんがウルトラマンというのは感慨深いです。「ULTRAMAN」を観るためにNetflixに入りますよ。

 ほんと? 今日プリペイドカード持ってくればよかった!

濱田 大丈夫です、自分で払います(笑)。

──そんな潘さんのウルトラファン歴もお聞かせ願えれば。

潘めぐみ

 リアルタイムで初めてちゃんと観たのは「ウルトラマンティガ」なんですよ。でも一番最初にウルトラマンに触れたのは1作目の「ウルトラマン」です。たぶん母(声優の潘恵子)が仕事の関係でもらってきた何かのサンプルだったと思うんですけど、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「ウルトラマンタロウ」のビデオが家にあって、ずっと観ていました。何回も繰り返し観ているうちにビデオデッキにテープが巻き込まれて、結局切断したという悲しい思い出がありますね。

濱田 うわー。

──濱田さんはDVD世代ですから、テープが巻き込まれた経験はなさそうですね。

 あ、そっか! あと私「ウルフェス(ウルトラマンフェスティバル)」と同い年なんですよ。さすがに0歳の頃には行ってないんですけど、3歳のときには行った記憶があります。

──潘さんっていまだにプライベートでもウルトラマンイベントにたくさん行ってますよね。僕も「ウルトラヒーローズ EXPO」で普通にお会いしたことがあります。

 ウルトラショット(ウルトラマンや怪獣とツーショットが撮れるコーナー)に並んだりしてますから。

濱田 えー、いいなあ。

 そうだよね、なかなか並べないよね。

こんな話ばっかりで大丈夫ですか?(潘)

──お二人とも「好きなウルトラマンは?」という話はよくされていると思うんですが、今日は好きな怪獣、好きな星人のトークもしたいなと思いまして。

濱田 うわー、それは本当に悩む!

 悩むなあ。

──個人的にウルトラマンシリーズの魅力の本質は怪獣にこそあると思うんです。怪獣のグッズやソフビがいろいろ出ていますけど、敵のグッズが出るのは怪獣が魅力的だからなのかなと。

 確かにそうですね。

──かつては怪獣図鑑や「ウルトラビッグファイト」のような怪獣がメインの映像作品もたくさん出ていたんですよ。

濱田 (図鑑を見ながら)あー、これは止まらなくなっちゃいますね……。

 (図鑑を見ながら)シルビィ(チャイルドバルタン)かわいいねえ。

怪獣図鑑に夢中になる濱田龍臣(左)と潘めぐみ(右)。

濱田 好きな怪獣については悩みますけど……「コスモス」の怪獣はだいたい好きなんです。コスモスは怪獣との共存を目指しているウルトラマンだから、登場怪獣に愛着が湧きやすい作品でしたし。怪獣保護区である鏑矢諸島の怪獣とかは特に優しいじゃないですか。さっき話した「コスジャス」の映画ではリドリアスとかゴルメデが助けに来てくれるし、本当に素敵。コスモス怪獣は優しいですよね。

──強いてその中から1体を選ぶなら?

濱田 日によって答えが変わるかもしれないですけど、イフェメラかな、登場エピソード(第12話「命の輝き」)含めて。あれは「コスモス」の中でも大切な回だと思います。500年に一度だけ卵が孵って、しかも1日だけしか生きられないという怪獣なんですよ。だから(予告の)ナレーションで「あなたは1日を懸命に生きていますか?」と言っていて。メッセージが強すぎて、ああ……!ってなるんです。あの回は本当に泣きそうになります。はー…………。

──そんなに感極まるほどなんですね。潘さんはどうですか?

 私は自分で演じているペガとエレキング以外で言うと、最近「ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル」のために見返していた「ガンQの涙」(「ウルトラマンギンガS」第11話)がいい回だったから、ガンQは好きです。平々凡々と生きているサラリーマンが運悪くも怪獣にされてしまって、1人の純粋な心を持つ少年と出会って、心を通わせて。サラリーマンだったガンQが子供に元気を与える話なんですけど、怪獣がそんな立場になるってなかなかないですよ。「ああ、もしかしたら異星人と共存できるんじゃないかな」と思わせてくれる希望的な回だなと思います。

──田口(清隆)監督による人気回ですよね。あの次の回が、アイドル好きのメトロン星人がオタ芸を披露する回(第12話「君に会うために」)で。僕もその2本は大好きです。ではエピソードは関係なく、純粋にデザインが好きな怪獣っていますか?

怪獣の説明をする濱田龍臣。

濱田 サンドロスは好きです。口がこう(縦にも横にも)開く。(「劇場版R/B」に登場する)スネークダークネスにちょっと近いですけど、もっとリアルというか。歯が口の裏まで付いていたりして、本当に「異形!」って感じがするのがいいですね。

 私は昔の怪獣も好きで、「ウルトラマン」1話のベムラーとかも(ポーズをマネして)「この手、何?」っていう。あとはやっぱりエレキングも好きですね。絶対に切られちゃうエレキングかわいい!

──最近は昔ほど切断はされないですけど、切られる描写は多いですよね。

濱田 「ウルトラマンマックス」のエレキングもよかったなあ。

──エレキングのように人気怪獣が何度も出るのもウルトラマンの特徴です。

濱田 グビラとかは何回も出てますもんね。「ウルトラマンX」から皆勤ですから。

 グビラはかわいいなあ。

──最初の「ウルトラマン」に出てきた怪獣が、近年あんなに活躍する怪獣になるとは思わなかったですよね。再登場してほしい怪獣はいます?

図鑑を読むのが止まらない濱田龍臣。

濱田 何かに再登場してほしいというよりは、怪獣を再登場させるなら、スーツの再利用じゃなくて新規造形で出てほしいなっていうのはありますね。(また図鑑を見ながら)いやー、こんな話ならずっとできますよ。止まらなくなっちゃう。

──余談ですけど、スマホゲームの「ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ」はプレイしていますか?

濱田 やってます! がんばってグローカービショップを星6にしたんですよ。

──やはり「コスモス」の怪獣を育てるんですね。

 忙しそうなのにゲームもちゃんとやってて、えらいね。

濱田 スタミナが5分で1回復なんで、いろんなことの合間に意外とできるんですよ。

──この取材の時間、ちょうど今、定期メンテナンス中ですね。

濱田 そうなんですよねー。

 取材を定期メンテ中の時間つぶしにしないでくださいよ!(笑) こんな話ばっかりで大丈夫ですか? ちゃんと映画の話もしましょう!

「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」
2019年7月26日(金)発売
「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」

特装限定版 [Blu-ray]
7344円 / BCXS-1452

バンダイナムコアーツ

封入特典

SPECIAL DISC

  • 劇場版ウルトラマンR/B メイキング<ドラマ編>
  • 劇場版ウルトラマンR/B メイキング<特撮編>
  • 湊兄妹×リク ビジュアルコメンタリー(出演:平田雄也、小池亮介、其原有沙、濱田龍臣)
  • 2019/2/19 完成披露舞台挨拶レポート完全版

作品解説書(24ページ / オールカラー)

映像特典
  • ノンテロップエンディング
  • 劇場予告&TVスポット
仕様
  • 特製三方背ブックケース

※内容・仕様は予告なく変更する場合がございます。

「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」

通常版 [DVD]
4104円 / BCBS-4952

バンダイナムコアーツ

封入特典

作品解説書(6ページ / オールカラー)

映像特典
  • ノンテロップエンディング
  • 劇場予告&TVスポット

※内容・仕様は予告なく変更する場合がございます。

濱田龍臣(ハマダタツオミ)
2000年8月27日生まれ、千葉県出身。子役として、2010年放送のNHK大河ドラマ「龍馬伝」やテレビドラマ「怪物くん」に出演して注目を集める。その後も「ガッチャマン」「疾風ロンド」といった作品に参加。特撮ドラマ「ウルトラマンジード」、テレビドラマ「モブサイコ100」で監督の坂本浩一とタッグを組んだ。近年の出演作にテレビドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」、AbemaTVオリジナルドラマ「1ページの恋」などがある。
潘めぐみ(ハンメグミ)
1989年6月3日生まれ、東京都出身。2011年に「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン=フリークス役で本格的に声優として活動を始める。主な出演作品に「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」セイラ・マス役、「ハピネスチャージプリキュア!」白雪ひめ / キュアプリンセス役、「怪獣娘 ~ウルトラ怪獣擬人化計画~」エレキング役、「リトルウィッチアカデミア」アツコ・カガリ役、特撮ドラマ「ウルトラマンジード」ペガッサ星人ペガ役など。Netflixで配信中の「ULTRAMAN」には北斗星司 / ACE役で出演。2019年4月6日より放送中の「フルーツバスケット」に草摩紅葉役で出演している。

2019年4月17日更新