映像制作者の養成スクール「Production Camp」で“現場の即戦力”を育てる、映画プロデューサー・古賀俊輔×代表・伊藤正美インタビュー (2/2)

センスってたぶん執着心から生まれてくる(古賀)

──これから映像業界に入ってくる人たちに向けてのお話も聞きたいのですが、そもそもこの業界で働くことの魅力はなんだと考えていますか? お二人が続けていらっしゃる理由はなんでしょうか。

古賀 僕の最大の理由は、映画を作っていると同じ日が二度と来ないこと。それに、自分が死んだあとには何か残っている。家族や友達に記憶が残るだけでなく、形に残るのはうれしいなと思います。あと僕は、映画は教科書と思って観てきたから、少しでも多く人に残してあげたいなと思ってやっています。

──伊藤さんはいかがですか?

伊藤 映画は、世の中を変えられる手段の1つなんじゃないかなって思います。僕が働いていたYohji Yamamotoって、それまでタブー視されていた黒い服を普通に着てOKにしたし、ダボッとしていてもアシンメトリーでもいい……と世界のファッションを変えたと思っていて。かつての監督たちも、戦争や差別を扱って訴え、政治ではできないことをしてきた。世の中を変えないといけないってみんなが薄々感じている中で、映画はそのきっかけになる可能性がある。いつかそういうものを作りたいですね。世の中にある、みんなが嫌だなと思ってることを映画1本で変えることができる、その力を僕は信じています。

──そのうえで、どういう人に映像業界に入ってきてほしいですか? これから挑戦したいと思っている方へのメッセージをお願いします。

古賀 映画が好きとか、表現がしたいとか、人と違うことをやりたいとかなんでもいいんですけど、何かにこだわっている人はいいなと思います。映画は、同じメンバーでも作るものが変わると会話の内容も変わるんです。そうなると、やっぱり自分のこだわりが重要になってくる。そのこだわりや自分の感情をきちんと持ち続けられる人と僕は仕事したいです。

左から古賀俊輔、伊藤正美。

左から古賀俊輔、伊藤正美。

伊藤 料理がうまい人がこの業界に入ってきたらおいしいお弁当をチョイスできるし、それって制作として優秀ですよね。運転が好きな人も活躍する場所がある。誰しも何かを持っていると思うんです。映像に漠然とした興味があればやっちゃえばいい!って思います。そのために、Production Campで自分に向いているものを探せばいいし、まずは続けてほしいです。例えば木が好きだとしたら、大工さん以外にも木に携わる職種っていっぱいあると思うんです。どんな形でもいいから、映像に関わるところにずっといるってことが大事で、そのためにどの職種のことも学べるプログラムになっています。

──それでも、映画作りとなると“センス”が必要なのかなと思ってしまいます。そこが優れている人がすべてを回しているんじゃないか?と。

古賀 センスがあったら僕はプロデューサーやってないですよ(笑)。あるとしたらセンスがいい人を見つける能力がある。センスだけじゃないセクションもあるし、センスってたぶん執着心から生まれてくるんです。人間は生活の中で感覚を養うので、何かを好きだとか表現したいといった執着心を持っていれば吸収していけると思います。映像業界の発展のためにも、ぜひ飛び込んでみてください。

Production Campの“現場主義”なカリキュラム

対象となる人

これから映像業界を目指したい人、現場で活躍しながらほかの職種にも興味がある人

受講から現場デビューまでの流れ

受講から現場デビューまでの流れ

これまでに映画プロデュース、美術、演出、衣装、制作などで映像作品に幅広く携わってきた会社dexiが、知識の習得だけでなく現場での動き方やルール、立ち振る舞いを身に付けることに主眼を置いたカリキュラムを監修。現役で活躍するプロフェッショナルが講師を務め、それぞれの経験をもとにオンライン講義を行う。

講師陣

映画プロデューサー

古賀俊輔

セットデコレーター・プロダクションデザイナー

赤塚佳仁

撮影監督

ふじもと光明

映画監督

草場尚也

ヘアメイク

高橋亮

スタイリスト

森本裕治

ほか

基礎講座

映像制作プロセス基礎講座

現役の映画監督が映画業界や自身のキャリア、業界で求められる人物像などについて語る特別インタビューが視聴できる。講師を務めるのは、監督・脚本を担った「君の忘れ方」の公開を2025年1月に控え、マンガ「孤島の鬼(1)令和地獄編」の原作を手がけるなど活躍の場を広げる作道雄、齊藤なぎさ・鈴木伸之・飯豊まりえ・市原隼人が主演したオムニバス映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」や、2024年秋に公開予定の萩原聖人主演作「Cross my mind」の監督・向井宗敏ら。また、Instagramで人気の映像クリエイター・Kaito Iwashitaが映画監督に初挑戦する様子を、企画から撮影、編集までインタビュー、ドキュメンタリー形式で収録しており、映画制作の進め方や重要なポイントを学べる。

業界・職種基礎講座

映像制作の大まかな流れや、現場での役割とその仕事内容を学び、どの職種に合うのか・挑戦したいのかを理解する講座。

学べる内容

  • 映像制作の流れと役割分担
  • プロデューサーの仕事
  • 演出部の仕事(監督・助監督・その他の役割)
  • 制作部の仕事(仕事の概要と役割)
  • 撮影部 / 録音部 / 照明部 / 美術部 / 持ち道具 / 衣装(スタイリスト) / メイク / 劇伴制作の仕事について

専門講座(演出 / 美術 / 制作)

演出コース

映像業界の中でも、特に助監督を目指す人に向けた専門講座

学べる内容

助監督目線での台本の読み方 / 撮影前日までにやっておくべきこと / 撮影当日の動き / 現場での段取り / サード助監督の立ち回り ほか

美術コース

美術・装飾を目指す人に向けた専門講座

学べる内容

持ち道具という仕事 / 台本の読み込み方 / 美術打ち合わせでの立ち振る舞い / クランクイン前・撮影時・撮影終了後の動き ほか

共通講座・制作コース

映像制作に関わるすべての人が“知っておかなければならないこと”を学べる講座

学べる内容

  • 共通講座…制作進行の業務 / 基本的な業界用語の解説 / 台本の基本的な読み方 / 香盤表などの書類の読み方 / 衣装・美術打ち合わせについて / 現場でのNG行動 ほか
  • 制作コース…制作進行の携行品とその使い方 / ロケ地の確保とやり方 / 配車の方法と基礎知識 ほか

※制作コースのみの受講は不可。専門講座(演出コース・美術コース)を受講することで、共通講座・制作コースの講座を視聴できる。

短編映画制作研修

Production Campでの短編映画制作研修の様子。

Production Campでの短編映画制作研修の様子。

約2週間の実地研修で、オンライン講座で学んだ知識をおさらいしながら、プロとともに短編映画の制作を経験できる“現場デビューの予行練習”。希望するセクションで、制作現場での実際の動き方を学ぶことができる。
※年4回の実施

受講料

制作プロセス基礎講座

税込3,000円→オープン記念価格 税込1,000円

業界・職種基礎講座

税込54,000円→オープン記念価格 税込27,000円

専門講座 演出コース

税込120,000円→オープン記念価格 税込70,000円

専門講座 美術コース

税込120,000円→オープン記念価格 税込70,000円


業界・職種基礎講座+演出コースor美術コース

税込164,000円→オープン記念価格 税込90,000円

業界・職種基礎講座+演出コース+美術コース

税込237,000円→オープン記念価格 税込130,000円


短編映画制作研修(プリプロ・講座+撮影・講習費)

税込70,000円

※各講座・コースには制作プロセス基礎講座も付属
※オープン記念価格のキャンペーンは、一定期間で終了となる可能性あり(詳細は公式サイトへ)

卒業後のサポート

・現場デビューを完全サポート

マナー講習と面談を経て、dexiが映像制作案件の紹介・人材マッチングまで行う。

・「Campers Caravan」

現場デビュー後も卒業生とプロのクリエイターたちがつながるコミュニティ。入会すると、案件の誘いや最新技術の情報交換、毎月開催される勉強会・ワークショップなどに参加できる。

問い合わせ・申し込みはこちらから