「メアリーの総て」|「フランケンシュタイン」の“怪物”はなぜ生まれた? 古屋兎丸描き下ろしイラストやコラムから紐解く

作品の魅力紹介コラム 4つのキーワードから紐解く「メアリーの総て」
メアリー・シェリー

1797年、思想家ウィリアム・ゴドウィンとフェミニズムの先駆者メアリ・ウルストンクラフトの間に生まれる。1812年に詩人のパーシーと出会い、1814年には彼と駆け落ち。16歳から24歳までの間で5人の子を懐妊するも、そのうちの4人を失うなど波乱の人生を送った。彼女が18歳で執筆し、20歳のときに匿名で出版した小説「フランケンシュタイン」は、ティム・バートンやギレルモ・デル・トロ、デヴィッド・リンチら名だたるクリエイターに多大なる影響を与えた。

フランケンシュタイン

原題は「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」。科学者ヴィクター・フランケンシュタインの手で生み出されるも、あまりの容貌の恐ろしさから捨てられた“怪物”が、人間の理解と愛を求めさまよい、やがてはヴィクターを追い詰めていくというストーリーだ。たびたび映画・舞台化されており、ベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーが舞台でWキャストを務めたことも。同作は「メアリーの総て」公開にあわせて、12月15日より東京のシネ・リーブル池袋にてアンコール上映が決定した。2020年1月にはミュージカル版が日生劇場で上演される。なお、「フランケンシュタイン」誕生のきっかけは、詩人バイロンの別荘で行われた5人の男女による創作ゲーム。“ディオダディ荘の怪奇談義”と呼ばれるこの集まりからは、ジョン・ポリドリの「吸血鬼」も生まれた。

自由恋愛

すべてを捨てて妻子ある男性・パーシーと駆け落ちをしたメアリー。型にはまらない生き方を信条とするパーシーは、「愛は束縛じゃない」と“自由恋愛”を掲げて彼女の義理の妹クレアと仲を深め、メアリーにも知人との交際を勧めるように。さらにクレアは悪名高き詩人・バイロンとも関係を持つようになって……。

ファッション

少女らしいあどけなさの残るワンピースや、たっぷりとしたフリルが付いたブラウス、淡いグリーンのドレス、鮮やかなオレンジのシャツにエレガントな帽子など、劇中には現代の感覚で見てもファッショナブルに感じられるコスチュームがいくつも登場する。これらの衣装を手がけたのは、ジャコ・ヴァン・ドルマルによるシニカルなコメディ「神様メール」にも参加したカロリーヌ・クーネル。ちなみに時代映画の出演が初めてだったファニングは、コルセットを着けた状態での演技に最初は苦戦したという。

「メアリーの総て」
2018年12月15日(土)全国公開
「メアリーの総て」
ストーリー

19世紀、イギリス。作家を夢見る少女メアリーは、ある夜“異端の天才”とうわさされるパーシー・シェリーと出会った。パーシーに妻子がいたものの、互いに強く惹かれあった2人は駆け落ち。最初は幸せに暮らしていた彼らだったがその生活は次第に荒んでいき、借金の取り立てから逃げる最中に子供が命を落としてしまう。深い悲しみに覆われた日々を送っていたメアリーは、悪名高き詩人・バイロン卿の別荘で、怪奇譚の執筆を持ちかけられて……。

スタッフ / キャスト

監督:ハイファ・アル=マンスール

出演:エル・ファニング、ダグラス・ブース、トム・スターリッジ、ベル・パウリー、スティーヴン・ディレインほか