「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」に原作ファンのでんぱ組.inc 藤咲彩音が“大感謝”!自分の人生と重ね合わせて感じたこととは

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」が6月24日に封切られる。

現在上映中の「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー」に続く同作は、荒川弘による原作マンガの最終話までを描いた作品。山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、本郷奏多らが2017年公開の1作目から続投し、黒島結菜、渡邊圭祐、山田裕貴、栗山千明、新田真剣佑、内野聖陽といった俳優が新キャストとして参加している。

映画ナタリーでは、“ハガレン”ファンの藤咲彩音(でんぱ組.inc)に「復讐者スカー」「最後の錬成」を観てもらい、インタビューを実施。原作好きとして熱くなったシーンやお気に入りのキャラクター、自分自身の人生と重ね合わせて感じたことについて語ってもらった。

取材・文 / 小澤康平 撮影 / 清水純一

実写化を頑なに否定するのはもったいない

──試写室で「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」をご覧になっていただきましたが、席に着く前からテンションが上がっているように見えました。

最近は家にいることが多いので、大きなスクリーンで楽しみにしていた映画を観れることに気分が上がっちゃいました。

藤咲彩音

藤咲彩音

──映画はどれくらいの頻度で観るんですか?

映画は好きなんですけど、劇場で観るのは年に3、4回くらいです。本当に好きな映画を観に行く感じですね。「ハガレン」のようなマンガ原作の作品はもちろん、ホラーも好きです。

──マンガを実写化すること自体に否定的な人もいますけど、藤咲さんはそうではない?

そうだったらここにはいないです(笑)。実写化によって自分が思い描いている世界観が崩れてしまうこともあると思いますが、「ハガレン」のようにちゃんと原作をリスペクトして作っている作品もたくさんあるので、頑なに否定するのはもったいないなと思っちゃいます。今作は皆さんの頭の中にある「ハガレン」の世界を壊さないので、心配しないで大丈夫です!

──2016年に実写化が発表された際、藤咲さんは「ハ、ハガレン実写化だ。。と。。。!?」とツイートしていて。うれしいということなのか、「やめてくれ」ということなのかわからなかったので、それを聞いて安心しました(笑)。

あははは。「あの世界観を表現できるのかな?」という思いはあったのですが、実際に1作目を観たらその不安は消し飛びました。山田涼介さんや本田翼さん、ディーン・フジオカさんといったキャストを知ったときにも「これは大丈夫だな」とも感じましたし。1作目は続きが気になる終わり方だったので、今年「完結編」2部作の公開が発表されたときは「またあの世界観を味わえる!」とうれしかったです。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、本田翼演じるウィンリィ・ロックベル。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、本田翼演じるウィンリィ・ロックベル。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、ディーン・フジオカ演じるロイ・マスタング(手前)、蓮佛美沙子演じるリザ・ホークアイ(奥)。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、ディーン・フジオカ演じるロイ・マスタング(手前)、蓮佛美沙子演じるリザ・ホークアイ(奥)。

オタクとして「きたきたー!」

──「最後の錬成」はいかがでしたか?

「復讐者スカー」を観たときに、CGがものすごくパワーアップしていて「予算大丈夫?」と思ったのですが(笑)、「最後の錬成」はそれ以上の映像になっていてびっくりしました。観ているときは息が詰まるというか、本当にあの場にいたんじゃないかと感じるくらいにリアルで。最後の戦いのシーンでは汗をたくさんかきました(笑)。

藤咲彩音

藤咲彩音

──終盤では山田さんが体を張った演技をしていて、この作品に懸ける思いが伝わってきました。

完全にエドだったので、途中から山田さんであることを忘れていました(笑)。血管の表現もCGとは思えなかったです。「復讐者スカー」のときも感じたことなんですが、CGが実写になじみすぎていて、アルがスカーに対して錬金術で壁を作ったときに「あ、これそういえばCGなんだ」と初めて意識しました。本当に違和感がない。

──スカーが地面を破壊するシーンも自然ですよね。

そうなんですよね。あと自然である理由には、メイクさんやスタイリストさんの力も大きいと思いました。私は両親の影響で1歳のときからコスプレをしているのですが、その視点で見ても登場人物が本当に原作そのままで、キャラクターへの愛にあふれていました。コスプレをしていると、二次元の髪型や格好をどうしても再現しきれないときがあるんですが、今作ではアクションシーンであってもそれが崩れることがない。エドの(髪の毛の)触覚や栗山千明さん演じるオリヴィエのクルンとした髪型など細かい部分にも妥協がないので、いい意味で俳優さんの影を感じなくて、あの世界の中でキャラクターがちゃんと生きている。だからスタッフさんの技術にも大感謝です!

「鋼の錬金術師」16巻より、オリヴィエ・ミラ・アームストロング(右)。©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

「鋼の錬金術師」16巻より、オリヴィエ・ミラ・アームストロング(右)。©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、栗山千明演じるオリヴィエ・ミラ・アームストロング。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、栗山千明演じるオリヴィエ・ミラ・アームストロング。

──先ほどお話しされていた原作へのリスペクトにもつながる要素ですね。

セリフにもリスペクトがあふれていて。ホーエンハイムがエドに言う「俺の命を使って……アルフォンスを取り戻せ。ちょうどひとり分残ってる」や、最後にエドがウィンリィにかける言葉を聞いたときは、オタクとして「きたきたー!」という思いでした。マンガを映画にするうえで削らないといけない要素はたくさんあったと思うんですが、ファンが求めているものはちゃんと押さえているという。あと私がマンガを読んだときに感じた魅力の1つに、少年マンガらしくないということがあるんです。等価交換の概念が根底にあって、人体錬成という禁忌を侵したエドとアルは子供ながらに肉体を失ってしまう。映画でもそういった部分を伏せることなく、兄弟の師匠であるイズミが内臓を失っていることや、マスタング大佐が失明してしまう場面が描かれています。だからこそ原作ファンの心にもスッと入っていくのだと思いました。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、山田涼介演じるエドワード・エルリック。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、山田涼介演じるエドワード・エルリック。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、内野聖陽演じるヴァン・ホーエンハイム、水石亜飛夢演じるアルフォンス・エルリック。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、内野聖陽演じるヴァン・ホーエンハイム、水石亜飛夢演じるアルフォンス・エルリック。

──なるほど。

そういう描写があるからこそ、ポスターに使われている「希望は、壊れない──」というコピーにも重みが出てくる気がします。ストーリーがご都合主義で「希望を捨てるな!」と言われても、たぶん響かないですよね。

──今のお話からは、藤咲さんの原作への思いが伝わってきました。

ふふふ(笑)。マンガから入ってアニメも観て、コスプレをするくらいには好きなので。