「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」に原作ファンのでんぱ組.inc 藤咲彩音が“大感謝”!自分の人生と重ね合わせて感じたこととは (2/2)

どうしても敵のホムンクルスに肩入れしてしまう(笑)

──お気に入りのキャラクターはいますか?

一番はやっぱりエドなんですが、映画を観てキング・ブラッドレイ役の舘ひろしさんに心を持っていかれました。もともと舘さんのことは好きなのですが、今回かっこよすぎて……。渡邊圭祐さん演じる(グリードに体を乗っ取られている状態の)リン・ヤオとの戦いも最高でした。バトルアクションを盛り盛りにするぞという感じもなくて、人間ドラマや錬金術のシーンとのバランスが取れているのも押し付けがましくなくてよかったです。

「鋼の錬金術師」24巻より、キング・ブラッドレイと(グリードに体を乗っ取られている状態の)リン・ヤオのバトルシーン。©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

「鋼の錬金術師」24巻より、キング・ブラッドレイと(グリードに体を乗っ取られている状態の)リン・ヤオのバトルシーン。©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、渡邊圭祐演じる(グリードに体を乗っ取られている状態の)リン・ヤオ(左)、舘ひろし演じるキング・ブラッドレイ(右)。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、渡邊圭祐演じる(グリードに体を乗っ取られている状態の)リン・ヤオ(左)、舘ひろし演じるキング・ブラッドレイ(右)。

──舘さん、貫禄がありすぎて出てくるだけで映像に重厚感が出ていました。

ほんとに!(笑) すごくキュンとしました。作られた存在であり、“憤怒”のホムンクルスのキング・ブラッドレイが、最後の最後には自分らしい人生が送れたというような展開にもグッと来ました。あとはエンヴィーが憎めなくて……。

──“嫉妬”のホムンクルスですね。

どうしても敵のホムンクルスに肩入れしてしまう(笑)。本当は好きな子に対して嫌いな態度を取ってしまう小学生男子みたいなエンヴィーが、エドにまっすぐに気持ちを見抜かれるシーンが描かれていたのも、原作ファンとしてうれしかったです。マンガとアニメで泣いた場面なんですが、映画でも泣きました。もうちょっと早めにエンヴィーのことを理解してくれる人がいたら、違う結末が待っていたかもしれないと考えもしましたが、エドに理解されたことで救われたのだと思います。エド役の山田さんにも感じたことなのですがエンヴィー役の本郷奏多さんも絶対に原作好きだろうなと。勝手な妄想ではありますが(笑)、演技を見ていて思いました。

藤咲彩音

藤咲彩音

──先ほど髪型の話でも挙がっていた、栗山さん演じるオリヴィエはいかがでしたか? 「復讐者スカー」には出ておらず、「最後の錬成」からの登場になりますが。

かっこよすぎて、結婚してくれ!って感じです。ちょっと踏まれたいとも思ってしまった……。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、栗山千明演じるオリヴィエ・ミラ・アームストロング。

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」より、栗山千明演じるオリヴィエ・ミラ・アームストロング。

──舞台挨拶では渡邊さんも「(オリヴィエに)流し目されたり舌打ちされたい」と話していました。

やっぱり同じようなことを感じるんですね!(笑) 見惚れてしまったキャラクターで言うと、仲間由紀恵さん演じるエドとアルの母親トリシャも。表情だけで優しさを表現していて、ぴったりな配役だと思いました。

何を大切にしたいのかということに改めて気付かされた

──藤咲さんは原作、アニメ、そして実写映画と網羅したことになりますが、改めて「鋼の錬金術師」から感じることはありますか?

ホムンクルスに感情移入することの理由でもあるかもしれないのですが、敵側のキャラクターの根底には「こうなりたい」「誰かを助けたい」という気持ちがあると思うんです。それが垣間見えて、自分自身の人生と重ね合わせた瞬間がありました。アイドル活動を長く続けていると「自分らしさってなんだろう?」と迷うときがあるんですが、結局は素直に思っていることをコツコツ続ける、仲間を大切にして過ごすのが大事だなって。

──敵だったキャラクターの感情を理解することで、最終的には共闘するという展開もありますね。

原作、アニメ、映画に共通して感じたのは“受け入れる心”かもしれません。生きていれば苦手な人と付き合わなければいけないことも、上司と馬が合わないこともあると思います。その人に対してイライラするのは正当な感情である一方、受け入れようとする気持ちも持っていたい。それによって一歩進めることがある気がします。最近はSNSで傷付け合っている人を見ることも多く、相手のことをすべて理解するのは無理だとしても、感情の根っこの部分を想像する努力はしていきたいです。

──実際、藤咲さんのSNSは平和なやり取りや投稿が多い印象です。

争いごとは好きじゃないので。ファンの方々が穏やかな気持ちになれる存在でありたいというのは、この活動をしていて常に思っていることです。今日「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」を観て、自分が何を大切にしたいのかということに改めて気付かされました。

藤咲彩音

藤咲彩音

プロフィール

藤咲彩音(フジサキアヤネ)

12月7日生まれ、埼玉県出身。でんぱ組.incとチャペの泉 from でんぱ組.incのメンバーで、愛称はピンキー!。両親の影響で1歳のときにコスプレイヤーとしての活動を始めた。フィンランド親善大使、埼玉県観光大使を務める。