映画ナタリー Power Push - ちはやふる
身も心も“綿谷新”になるために、真剣佑のプロ意識と情熱
競技かるたに青春を捧げる高校生の姿を描いた末次由紀のマンガ「ちはやふる」が、前後編2部作で実写映画化。前編「ちはやふる -上の句-」が3月19日に、後編「ちはやふる -下の句-」が4月29日に連続公開される。「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の小泉徳宏が監督・脚本を務め、キャストには広瀬すず、野村周平、真剣佑、松岡茉優らフレッシュな若手俳優が名を連ねている。
ナタリーでは、出演者と原作、2つの観点からジャンルをまたいだ特集を展開する。第1弾として、映画ナタリーにて綿谷新役・真剣佑へのインタビューを実施。新という役をどのように作り上げていったのか。人気キャラクターを演じるうえでの多大な努力と、それすら「当たり前」と言い切ってしまう彼のプロ意識について打ち明けてもらった。
取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / 佐藤類
綾瀬千早(広瀬すず)
容姿端麗だが突っ走りがちな性格から“無駄美人”と称される瑞沢高校1年生。かるたに情熱を燃やし、競技かるた部を創設する。不器用で恋愛にも鈍感。かるたの読み札の最初の音を瞬時に捉える、天性の才能を持つ。
真島太一(野村周平)
千早と瑞沢高校で再会し、競技かるた部の部長となった幼なじみ。スポーツ万能、頭脳明晰、金持ちでイケメンだが、自分にないものを持つ千早と新にコンプレックスを感じている。千早に恋心を抱く。
真剣佑インタビュー
“映画の中の新”を演じたいと思った
──映画の中の真剣佑さんを見て、「新がいる!」と感動しました。
ああ、うれしいです! ありがとうございます。
──まずは、どうやってあの実写版“綿谷新”を作り上げていったのか伺えればと思います。もともと真剣佑さんはオーディションでこの役を射止めたわけですが、小泉徳宏監督やプロデューサーは「1次審査ではとにかくキラキラしていて、演技は未知数だった。でも2次審査でその演技が劇的な変化を遂げていた」とおっしゃってました。そのときのことは覚えていますか?
その場で即興芝居をしたので、はっきりとは覚えてないですね。僕も探り探りだったんですけど、いろいろ試していくうちにしっくり来たのかなあ。でも、それが求められていたのなら本当によかったです。
──原作は読んでいましたか?
いえ、役が決まってからも、監督とお話ししてあえて読みませんでした。監督もあまり原作に引きずられてほしくなかったみたいですし、僕も“映画の中の新”を演じたいなと思ったので。脚本や監督にもらった言葉からイメージを作り上げていきました。それが結果的に原作の新に近くなればいいなと。
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- 映画「ちはやふる-上の句-」3月19日より全国公開
- 映画「ちはやふる-下の句-」4月29日より全国公開
小学生の千早は、幼なじみの太一、新と一緒にいつも競技かるたで遊んでいた。しかし彼女にかるたを教えてくれた新が、家庭の事情で故郷の福井県へ戻り、離ればなれになってしまう。「新にもう一度会って、強くなったと言われたい」と願い、1人でかるたを続けてきた千早は、高校で再会した太一とともに競技かるた部を創設。初心者も含めなんとか集まった部員5人で、弱小チームながら全国大会を目指すことに。新に会いたい一心でかるたに情熱を燃やす千早と、その気持ちを知りながら千早に思いを寄せる太一。そして離れて過ごす新は、1人ある悩みを抱えていて……。
スタッフ
原作:末次由紀(講談社「BE・LOVE」にて連載中)
監督・脚本:小泉徳宏
主題歌:Perfume「FLASH」
キャスト
綾瀬千早:広瀬すず
真島太一:野村周平
綿谷新:真剣佑
大江奏:上白石萌音
西田優征:矢本悠馬
駒野勉:森永悠希
須藤暁人:清水尋也
木梨浩:坂口涼太郎
若宮詩暢:松岡茉優
宮内妙子:松田美由紀
原田秀雄:國村隼
©2016 映画「ちはやふる」製作委員会 ©末次由紀 / 講談社
真剣佑(マッケンユウ)
1996年11月16日生まれ、アメリカ・ロサンゼルス出身。2014年春より日本で芸能活動を開始し、2015年より本格的な俳優活動を始める。WOWOWのドラマ「夢を与える」に出演したほか、「劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー」では敵ライダーを演じる。2016年には舞台「花より男子 The Musical」にて西門総二郎役に抜擢され、現在NOTTVにて放送されている辻村深月原作の連続ドラマ「サクラ咲く」に出演中。
ヘアメイク / 豊田円(ADDICT_CASE)
スタイリスト / 鈴木まさあき
2016年3月11日更新