のんき大将
ノンキタイショウ
上映時間:92分 / 製作:1949年(メキシコ)
解説 「銀河」や「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」などで鬼才の名をほしいままにしたブニュエル監督が、メキシコ時代に撮った娯楽映画。妻を亡くした悲しみから、酒びたりの自堕落な生活を送っている百万長者ラミロ。家族たちもまた、彼が無頓着なのをいいことに浪費を重ねるばかり。このままでは財産を失ってしまうと心配した弟のグレゴリオが、大芝居を打ってなんとかラミロを立ち直らせようとするが……。ご都合主義的なストーリー展開とハッピーエンドに終わる結末。ハリウッド映画そのままの楽天的なコメディとなっている。常に登場する動物のイメージや“扉”の描き方など、ブニュエル映画になじみ深い記号はここでもあちこちに見受けられるが、ハリウッド映画のパロディーがどうのこうのという必要などなく、素直に楽しめる一編と言っていいだろう。そしてこの「のんき大将」の興行的成功によって、ブニュエルは翌年の問題作「忘れられた人々」を撮ることができたのである。
スタッフ |
監督:ルイス・ブニュエル |
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キャスト |