小野賢章が語る「マイティ・ソー バトルロイヤル」|“宇宙一の裏切り王子”ロキと、声優・小野賢章の共通点

ヴァルキリーが見せるドヤ顔に、「きたー!」って

──今回「マイティ・ソー バトルロイヤル」に登場した女性キャラクターはいかがでした?

「マイティ・ソー バトルロイヤル」より、ヴァルキリー。

ケイト・ブランシェットが演じた死の女神ヘラの迫力がすごかったけど、女戦士のヴァルキリーを演じた女優さん……テッサ・トンプソン? あの人がときどき見せるドヤ顔がすごく面白かった。片方の眉だけクイッと上げて笑う独特の感じとか、毎回「きたー!」って思っちゃいました。クライマックスの最終決戦シーン、ビフレストという橋の上をスローモーションでゆっくり歩く見せ場で、身体全体をゆっくりクネクネさせる動きもよかった。

──酔っ払いの女賞金稼ぎかと思いきや、実は過去にヘラと深い因縁があるという設定で……。

あの全身クネクネは、彼女の自信の表れなのかもしれませんね。それにしても今回のヴィラン(悪役)のヘラは強すぎでした。「アベンジャーズ」のソーはわりと孤高キャラで、単独行動することも多かったけれど、今回は彼が積極的にチームを組もうとするでしょう。

──復讐に燃える“リベンジャーズ”、ですね。

小野賢章

そう。最後にチームが一丸となる展開はまさに「アベンジャーズ」流。ヘラと激闘を繰り広げているソーのすぐ近くで、ハルクが巨大な狼と取っ組み合っていたり、ロキが敵の兵士を斬り刻んでいたり(笑)。ああいった連携プレーは燃えました。ヘラとの決着の付け方も、個人的にはびっくりでした。

──そこも観ていただいてのお楽しみ、ですね(笑)。マーベル映画全体に範囲を広げると、好きな女性キャラクターって誰かいますか?

全体ですか? うわー、どうしよう! 「デッドプール」(2016年)のヒロインだった女性にもかなり惹かれますが……やっぱり「アイアンマン」シリーズで、僕の大好きなトニー・スタークの秘書として活躍するペッパー・ポッツさんかな。

──なるほど。常に冷静沈着な、大人の女性という感じですね。演じているのは、名女優のグウィネス・パルトロウ。

でもポッツさんって、忠実な秘書というポジションを守りつつ、実はトニーに対して一番熱い感情を持っていたりするじゃないですか。落ち着いているようでけっこうムチャもするし。ああいう自制心の強そうな女の人がたまにハジけるところがまたグッとくる(笑)。最近も「スパイダーマン:ホームカミング」(2017年)の最後にちょっとだけ顔を出してくれて、うれしかったです!

日本語吹き替え版のキャスティングに太鼓判

──小野さんはマーベル映画をご覧になるとき、吹き替え版より字幕版のほうが多いですか?

小野賢章

はい。完全に字幕派ですね。俳優さんの肉声のニュアンスを楽しみたいというのもありますし。声優という仕事柄、吹き替え版はどうしても「自分ならどうあてるだろう」と余計なことに頭がいっちゃうので……。

──「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフをはじめ、小野さんは洋画の吹き替えもたくさん担当されていますが、オリジナルのニュアンスを日本語のどこかに反映したいとか思ったりされますか?

それは常にあります。たとえばダニエルくんでいうと、実は彼、とても早口なんですよ。その英語のスピード感みたいなものは、日本語吹き替えでもなるべく滲ませたいですし。他の海外俳優さんに声をあてる場合も、その方が持っている声の質感やトーンはできる範囲で再現したいと思う。

──マーベル映画の吹き替え版も、いつか手がけてみたい?

今すぐでも出たい! これ太文字でお願いします(笑)。「マイティ・ソー バトルロイヤル」もそうですが、最近のマーベル作品はギャグの要素も多いでしょう。僕もお笑いが大好きなので、ぜひ挑んでみたいです。ちなみに日本語吹き替え版のロキは、どなたが担当されているんですか?

──平川大輔さんです。

ああ、平川さん。それは合うなあ! 平川さんも割とダークめの声質をされてますもんね。ぴったりのキャスティングだと思います。

──ソー役は三宅健太さんで、ヘラ役は天海祐希さん。ヴァルキリー役は沢城みゆきさん。

「マイティ・ソー バトルロイヤル」より。左からソーとハルク。

なるほど、沢城さん! セクシーですね(笑)。あのドヤ顔がぴったりのキャスティングだと思います。やばい、僕も吹き替え版を観たくなってきた。

──では最後に、これから「マイティ・ソー バトルロイヤル」を観るというコミックナタリー読者にメッセージをいただけますか?

登場人物のキャラ立ちもバトル映像の迫力も、ギャグのテンポも最高なので、マーベル映画ビギナーの方でも十分に楽しめると思います。ただ個人的には、これまでの作品を少しでも予習してから劇場に行っていただけるといいなと。そうすればこの作品を何倍も楽しめる気がするんですよ。

──予習のために1本だけ選ぶとするならば?

ソーとハルクの人形を手に持つ小野賢章。

うーん……悩みますけど……やっぱり「アベンジャーズ」の1作目じゃないかな。ロキも悪役としてしっかり登場しますし。個性豊かなヒーローたちが結集し、力を合わせ戦うという意味では、今回の「マイティ・ソー バトルロイヤル」にも直接繋がる1本なので。それで興味が湧いたら、僕みたいに過去作を少しずつ遡っていっていただきたい。とにかく奥深い世界観なので、きっといろんな楽しみ方ができると思います!

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「マイティ・ソー バトルロイヤル」
2017年11月3日(金・祝)より全国ロードショー
「マイティ・ソー バトルロイヤル」
ストーリー

「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の戦いから2年。アベンジャーズでもっともアツい雷神ソーの前に、復讐に燃える死の女神ヘラが現れた。究極の武器ムジョルニアをもたやすく破壊するヘラによって、ソーと義弟である宇宙一の裏切り王子ロキは宇宙の辺境・惑星サカールへ飛ばされてしまう。そこでエキセントリックな独裁者グランドマスターに捕らえられ、格闘大会へ出場させられたソー。目の前に現れた対戦相手は、なぜか大会の“絶対王者”として君臨するアベンジャーズの盟友ハルクだった。そんなとき、ヘラがアスガルド崩壊をもくろんでいると知ったソーは、ハルクとロキ、さらにワケあり女戦士のヴァルキリーと即席チーム“リベンジャーズ”を結成し、故郷へ急ぐ。

スタッフ / キャスト

監督:タイカ・ワイティティ

出演:クリス・ヘムズワース、トム・ヒドルストン、ケイト・ブランシェット、イドリス・エルバ、ジェフ・ゴールドブラム、テッサ・トンプソン、カール・アーバン、マーク・ラファロ、アンソニー・ホプキンスほか

小野賢章(オノケンショウ)
1989年10月5日生まれ、福岡県出身。「ハリー・ポッター」シリーズの日本語吹替版で全作にわたり主人公ハリー・ポッター役を担当した。俳優、声優、歌手などジャンルを超えて活動し、近年の出演作にミュージカル「ロミオ&ジュリエット」、劇場アニメ「映画『聲の形』」「劇場版 黒子のバスケ LAST GAME」、テレビアニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」「恋愛暴君」、実写映画「燐寸少女 マッチショウジョ」など。2018年にはメインキャストとして出演するテレビアニメ「アイドリッシュセブン」「封神演義」が1月にスタートするほか、劇場アニメ「映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』」の公開も初春に控えている。