2015年
大久保 (中国語で)歌ったー!
大和 歌ったね(笑)。中国の方が結構熱狂的でびっくりした覚えがあります。客席降り(出演者が舞台から客席に降りてくること)のときにワーッて勢いよく近づいてきて、「パワフル……!」って。
大久保 あと日本との反応の違いを感じて面白かったです。デマンド(麻尋えりか)やサフィール(真波そら)がやられてしまったとき、敵とはいえ日本のお客さんは「ちょっと切なくてしくしく……」という感じだったんですが、中国のお客さんはガッツポーズで「Whoooooo!!」って(笑)。
大和・野本 あはははは(笑)。
大和 このときから元宝塚のキャストが多くなったよね。
大久保 セーラーウラヌス役の汐月しゅうさん、セーラーネプチューン役の藤岡沙也香さん、あと土萠教授役の香音有希さんとカオリナイト役の扇けいさん。悠河さんと合わせると5人も!
大和 私たちが宝塚で培った見せ方や芝居の心構えを、ほかのセーラー戦士たちに伝えられた気がしたのでうれしかったですね。ウラヌスとネプチューンの2人とは宝塚時代に一緒に舞台に上がったことはなかったんですけど、顔合わせの日に「役にぴったりだな」って思いました。
大久保 しゅうさんと沙也香さん、最初緊張した様子で。
野本 え、なんでですか?
大久保 私たち5戦士や美絵子が、もう2年くらいセラミューに出てたから「みんなはもうキャラとして成り立ってる」って言って。すごく一生懸命練習に励んでらっしゃって。
大和 一度できあがったカンパニーに入るって、ちょっと大変なことだからね。まだ舞台にその役として立っていないから、セーラー戦士としての感覚が体に染み込んでないことを気にしてたんじゃないかな。
大久保 私から見たら、ふたりとも最初から超カッコよかったんです。
大久保 卒業しちゃった……。
大和 この記事の写真、みんないい笑顔だね。5人が本当にすっごく仲良くってね。壁にぶつかっても「こうかな?」「ああかな?」ってみんなで悩んだり助け合ったり、「大丈夫だよ」って励ましあったりする場面をよく見てきたので、この5人がこれでもう卒業なんだっていうのはすごく寂しかったです。1作目で5戦士になって、2作目、3作目と役が板についてきてたので、すごくいいときに卒業しちゃうんだなって。
大久保 DVDのコメント収録のときだったかな? 宝塚のトップスターだった悠河さんが、「今のノリに乗ってるときに辞めるっていうことは、落ちていかないということなんだよ。逆にもっと上がっていくんだよ」ってお話ししてくださって、「あ! 私、上がれるんだ!」と自信がついて。逆にここから新しくスタートして、5人ともそれぞれ道は違うけどがんばっていこうと強く思いました。
大和 千秋楽、みんな泣いてたね。私も切なくなりました。
大久保 はい。セラミューに出られたこの3年間は、本当になんだか青春で、中学校みたいでした。やっぱり最終章までやりたかったという悔しい思いもあったんですが、みんなで卒業に向かってガーッとがんばっていったという達成感もあって、泣いちゃいましたね。
2016年
野本 なんでこたつなの?
大久保 「DVD発売記念イベントでどんなことやりたい?」って聞かれたから、みんなで「こたつがよくない?」「リラックスしたくない?」って。
──5戦士の皆さんの発案だったんですね!
大和 なんかのほほんとした感じが5人に合ってるね。
大久保 第1部はパジャマパーティだったんです。あと手紙の読み合いとかお互いの第一印象とか語って……。あ、この写真懐かしい。私が体の硬さを披露しているんですよ。
大和 え、これ長座前屈してるってこと?
野本 すごくきれいな90°ですね(笑)。
大久保 これ以上前にいかない。セラミューのカーテンコールのときとか、気持ちを込めてすごく深いお辞儀をしたかったんですよ。でもどうしても深くできないんです。それはセラミューの心残りですね(笑)。
大和 これね、マントをきれいに見せたくて大変だったの(笑)。武内先生のマンガを持ってきて、「マントのこの感じを表現したいんだよね」って伝えて、撮影のときスタッフと一緒に考えて。風を吹かせようとか、マントを落としてみようとか、糸を使ってみようとかいろいろやったなあ。結論としては、私がバサって翻した瞬間に撮ってもらうのが一番きれいで自然だってことになって、何回も「バサッ」「バサッ」っと。次の日すごい筋肉痛になりましたが、会心の1枚です。
野本 新しいセーラー5戦士(野本ほたる、竹内夢、小林かれん、楓、長谷川里桃)として発表されて、この6月30日の誕生日イベントで初めて人前で踊って……。
大久保 観ました。
野本 えっ?
大久保 ニコ生で観ました。まだ会ったことなかったから、新しいセーラー5戦士はどんな子たちなんだろうと思って。初々しかったけど「すごくサマになってんじゃん、カッケー!」って思った(笑)。
野本 ありがとう、さーとん(笑)。私はもうド緊張で。このときにセーラームーンを意識した動きができてないって気づいたことで、動き方とかちょっとした首の角度とか「もっとうさぎちゃんらしく」「もっとセーラームーンっぽく」ってすごく考えるようになりました。
大和 新5戦士になったことで、すごくフレッシュでしたね。それこそ聡美ちゃんたち5戦士との1作目「-La Reconquista-」で感じた、なんとも言えない緊張感とか高揚感を感じました。だから自分も初心に帰ってタキシード仮面を演じることができたなって。意外とほたるちゃんたちはお稽古場のときから焦ることなく落ち着いてこなしてたので、私は安心して見てて。
野本 5戦士の共通意識として、ここまできたらやるしかない!というのはありました。焦っても今まで積み重ねた以上のものは出ないから、自分たちの稽古を信じてお客さんの前に立とうって。
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キャストもお客さんもひとつになった、幸せな5年間
- 「ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』-Le Mouvement Final-」
- 2018年3月14日発売 / キングレコード
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[DVD2枚組]
8424円 / KIBM-683~4
- DISC1収録内容
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「ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』-Le Mouvement Final-」本編
- 音声特典:外部太陽系4戦士 オーディオコメンタリー
- DISC2収録内容
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「ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』-Le Mouvement Final-」映像特典
- 東京公演ダイジェスト映像(ちびちび:新津ちせ)
- “ライブショー”回替わりナンバー映像(「Celestial Born」/「Eye of the Storm」)
- “ライブショー”「When Destiny Calls」プリンス・エンディミオンver.
- バックステージ映像
- 大千秋楽特別カーテンコール
- セーラー5戦士対談~思い出写真館~
- 大和悠河×小佐野文雄(講談社)スペシャル対談
- 大和悠河(ヤマトユウガ)
- 8月4日、東京都生まれ。株式会社GOOGA所属。元宝塚歌劇団宙組トップスター。天性の華やかさと類い稀な抜群のスター性でファンを魅了。卒業後は女優として、ミュージカルを中心に数々の主演・ヒロインを務め、舞台やテレビなどで幅広く活躍。2013年からのミュージカル「美少女戦士セーラームーン」タキシード仮面/地場衛役では、上海・パリ・ヒューストンなど海外のステージでも大反響を呼ぶ。2018年1月に主婦の友社より発売された最新著書「YUGA」は、海外で撮り下ろした未公開写真が満載で、帝国ホテルで暮らし、お休みはヨーロッパでラグジュアリーな日々を送るなど、大胆で“YUGA”な毎日に密着した内容だ。7月にはウェーバー作曲「『魔弾の射手』ハンブルク州立歌劇場と二期会共同制作~悪魔との契約が運命を変える~」にて、まさに物語を動かすキーパーソンである悪魔ザミエル役で待望の国際的オペラデビューを飾る。
- 大久保聡美(オオクボサトミ)
- 10月30日、千葉県生まれ。スターダストプロモーション所属。2013年から2015にかけミュージカル「美少女戦士セーラームーン」で主演を務めた。主な出演作は、ドラマ「ラヴソング」(2016)、「わたしのウチには、なんにもない。」(2016)など。そのほか舞台にも多数出演。
- 野本ほたる(ノモトホタル)
- 2月20日、東京都生まれ。砂岡事務所所属。主な出演作にミュージカル「モーツァルト!」、「銀河鉄道の夜」、舞台「けものフレンズ」など数多くの舞台に出演。テレビ東京「はっけんたいけんだいすき!しまじろう」、映画「歩いても歩いても」(是枝裕和監督)、「告白」(中島哲也監督)など、舞台や映像と幅広く活躍している。