ヒーロー認定試験に受かったとしても、すぐにフブキ組に入ってそう
──ちなみに、お笑い界がヒーローのようなランキング制だとしたら、今のご自身の立ち位置はどのあたりだと思いますか?
うわあ、難しいな……。つまり、S級には明石家さんまさんやダウンタウンさんがいるっていう感じですよね。
──そうですね。S級は数えるほどですからね。
うーん……どっちに振ろうかな(笑)……よし! じゃあA級の1位で。
──イケメン仮面アマイマスク的なポジションですね。
イケメン仮面アマイマスクみたいに、「弱いヤツをS級にあげないために俺は門番をやってる」って言ってみたい。ヒーロー協会を盛り上げるために、あえてメディアに出るっていうスタンスもカッコいいですよね。まあ、あくまで理想ですけど。
──では現実は?
……まだヒーローになってない。ヒーロー認定試験受験中ですよ。
──(笑)。A級1位から受験生に。
どうにか受かったとしても、すぐにフブキ組に入ってそう(笑)。B級1位の地獄のフブキみたいな気の強い女性にこき使われる末端構成員……いやでも、せめてフブキ組のNo.2くらいにはなりたいかな。フブキ組のメンバーであるマツゲと山猿、すがちゃんでスリートップ、みたいな感じで(笑)。
──謙虚ですね。
正直、ランキングとか数字って、気にはなるけど、そこまで重要じゃないとも思うんです。2024年のブレイク芸人ランキングで、僕らぱーてぃーちゃんが1位をいただいたんですけど、営業先で「1位誰だと思いますか?」って聞いても、誰も僕らが1位だって知らないんですよ。全員が「令和ロマン」って言うんです(笑)。世間って意外とそんなもんなんですよ。
──それは切ないですね……。
だから、数字よりもっと印象に残る活動をしなきゃなって思って。無免ライダーだってC級ですけど、ヒーローとしてのマインドはS級ですからね。S級を目指す気概は持ちつつも、数字には振り回されないっていうね。「そこじゃないっすよ」と言いたいです。
──カッコいいです。では、ほかのぱーてぃーちゃんメンバー・信子さんときょんちぃさんのヒーロー適性はいかがでしょう?
いや、彼女らはギャルなんでヒーロー向いてないっす(笑)。ギャルは口癖が「責任取りたくない」ですから、そもそもヒーローの素質はゼロ。逆に怪人の素質は100ですね。信子はヒゲでロン毛の男ばかりを狙う怪人になりそうだし、きっと「災害レベル:竜」までいくんじゃないかな。きょんちぃはずっと食べてるから、あえてヒーローで例えるならS級の豚神みたいな感じかも。デビューから35キロも増量してるんで、もう女芸人界の豚神ですね。
アニメ第3期は、S級ヒーローの本気が楽しみ
──これまでのアニメシリーズで、特に印象に残っているシーンを挙げるとすればどこでしょう?
いろいろあるんですけど、やっぱり深海王との戦いですね。無免ライダーのヒーローっぷりはもちろん、その前に戦ったぷりぷりプリズナーもすごくいい。彼は深海王に敗れるんですが、そのときに言われた「一発一発殺意をもって打つのよ」っていう言葉を、その後のメルザルガルドとの戦いで実践するんですよね。そういうふうに成長していく姿が王道の主人公みたいでカッコいいなって思います。
──ぷりぷりプリズナーは、その後もどんどん強くなっていきました。
そうそう。痛みを受け入れる技「エンジェル☆ハグ」とか、タンクトップマスターとはまた違う方向でひとつの世界を作り出していて、いやもう、面白いですね。
──では、第2期ではいかがですか?
スイリューのシーンがめっちゃ好きです。彼は才能だけで武術では圧倒的な力を持つまでになった天才キャラですけど、怪人協会幹部のゴウケツたちに追い詰められて、初めて心の底からヒーローに助けを求めるじゃないですか。そんなときにサイタマが登場して、そのカッコよさに心を打たれて自分もヒーローになることを決意して。もともとセンスや才能がありながら、肉体的な強さだけじゃないものに触れて、初めてヒーローに憧れを抱くっていうのがいいんですよね。ヒーローの本質みたいなところがしっかりと描かれていて、好きです。
──ヒーローの本質と言えば、ガロウの物語も見逃せません。
ガロウも最高ですよね。A級ヒーローたちに囲まれて絶体絶命という状況の中で、なんとか全員倒してようやく一息ついた瞬間に、今度はS級ヒーローのジェノスが現れるっていう絶望感。これって本来、敵キャラの演出ではありえないですよね。まるで主人公が体験するようなシチュエーションを、ガロウというヒール(悪役)で描いていて。ストーリー的には敵のはずなのに、いつの間にかガロウを応援しちゃってる自分がいる。この構図は「ワンパンマン」ならではだし、すごくおしゃれだなと思います。
──そして現在はアニメ第3期が放送中です。どんなところに注目してご覧になっていますか?
第3期の魅力は、なんといってもこれまであまり戦闘描写がなかったS級ヒーローたちの本気のバトルが観られることじゃないですかね。ヒーロー協会と怪人協会の総力戦だけに、彼らがギリギリの戦いを繰り広げるのは本当に楽しみです。ここから佳境に入っていくタイミングなので詳しくは言いませんけど、本当に見どころ満載だと思います。
──先ほどのお話でも出た、裏主人公的なガロウの物語もさらに盛り上がっていきますね。
そうですね。ここまで怪人としての戦いを続けてきたガロウでしたけど、ついには怪人協会のボスである怪人王オロチとまで交戦して。これまでも急激に強くなってきたガロウですけど、それでも圧倒的な実力差で負けちゃって。とは言え、原作の単行本を読んでいる身としては、この先の展開も本当にすごいですから、楽しみで仕方ないです。
ワンパンでハマる、気づいたら2パン、3パンと見続けてるはず
──では最後に、この記事を読んでいる方々へメッセージをお願いします。
まだ「ワンパンマン」に触れたことがない方、とりあえずアニメかマンガの第1話を見てください。たぶんワンパンでハマると思うんで。気づいたら2パン、3パンと見続けてるはずです。
──特にどんな人にオススメしたいですか?
週末に仕事で疲れて、人に会うほどの元気はないなっていうときにぴったりだと思います。社会人に成り立ての人たちなんか、いいんじゃないですかね。僕がそうだったように、心がちょっと弱ってるときでもこの作品はストレスなく観られますし、勇気をもらえますから。言い換えると、「ワンパンマン」はつまり、テリヤキバーガーみたいなもんなんです。日本人ならみんな美味しいと思うし、どこか懐かしさもあって。手軽で食べやすいし、美味しいし、言うことなし!……ってあれ? 俺、なんか変なこと言ってる?(笑)
プロフィール
すがちゃん最高No.1(スガチャンサイコウナンバーワン)
1991年生まれ、山形市出身。信子と金子きょんちぃのコンビに、すがちゃん最高No.1が加わる形で、2021年4月にお笑いトリオ・ぱーてぃーちゃんを結成、ツッコミを担当。ギャルやギャル男を題材にしたネタが話題を呼び、数々のバラエティ番組に出演している。生い立ちを綴った自伝「中1、一人暮らし、意外とバレない」が、2024年にワニブックスより刊行された。





