禁断の質問「ムー編集長は肯定派? 懐疑派?」
──三上編集長は本作でいうと、“とにかく明るいオカルト研究部”の部長・円城護のキャラクターに近いのかもしれません。ご自身がオカルトに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
きっかけというか、まあそういう世代ですよね。木曜スペシャル(日本テレビ系列)はUFOを特集し、ユリ・ゲラーが来日するという時代で育ちました。
──これは禁断の質問かもしれないのですが、三上編集長ご自身はオカルト肯定派ですか、懐疑派ですか。
ムーの編集長に何言っちゃってるんですか(笑)。事実をいくら積み重ねても真実にたどり着くとは限らないし、証拠をいくら並べてもたどり着けない。何が正しいのかはわからない。それが真理ですよ。
──深いです……。ひかわ先生はムー編集部がYouTubeに投稿されているMUTubeをよくご覧になられているそうで、三上さんも出演されている居皆亭や、MUTubeに出演しているmi-coさんのチャンネルもお気に入りだそうです。三上編集長が最近注目しているオカルトトピックはありますか。
令和に入ってからというと、やはり松原照子さんの大予言ですね。東京オリンピックの中止を予言されていますが、あくまでも“延期”ではなく、“中止”ということですから、これからも注目していく必要があります。しかし世の中には表に出ていない能力者というのがいたりするんです。表立って有名ではないけれども、家の前に行列ができているというような形で……。そういう人のところには政治家や芸能人がよく訪れていますが、警察官だった父によると、中には警察が捜査協力を求める能力者もいると言っていました。
──日本でもそういったことがあるんですね。「魔法にかかった新学期」について、三上編集長として「ここを掘り下げてほしい」という部分や「今後の展開が気になる部分」はありますか。
作中に登場する叙事詩「ホツマツタヱ」が伝承されてきたのは琵琶湖周辺(滋賀県)と言われていて、琵琶湖といえば「大昔に王朝が存在したのではないか」という「近江高天原(おうみたかまがはら)説」がある土地です。これはヤマト王権(大和朝廷)とは別の流れをくんだ古代文明が存在したかもしれないという可能性を示しており、ほかにも「蔵王(山形県)に王朝があった」と「ホツマツタヱ」には記されています。本作には鍵を握るらしい“みずら髪の人”も登場しますし、ひょっとしたらそういう“王朝”の部分にフォーカスすると新たな面白さが出てくるかもしれないと思いました。特に多賀大社(滋賀県)の主祭神は、伊邪那岐命(イザナギ)と伊邪那美命(イザナミ)ですしね。何か関連があっても面白いと思います。
──最後に、本作の魅力を踏まえてどんな方にオススメしたいと思いますか。
王道のスクールラブコメということで少女マンガがお好きな方にはもちろん、ムー民(※)にも引っかかる、フックの多い作品だと思います。オカルトマニアであればあるほど、ハマってしまうのではないでしょうか。
(※)ムー民……ムーを愛読するファンの俗称。
ひかわきょうこから三上編集長へ
ひかわきょうこが今回のインタビューのために、三上編集長に手紙を執筆。三上編集長はいつも通りのニヒルな笑みを浮かべながら手紙を読んでいた。その手紙を、コミックナタリーの読者にも公開! 「魔法にかかった新学期」とムーとのシンパシーを感じてほしい。
取材のため動画を見回っているときに、まずムーチューブに出会いました。
近視乱視老眼で細かい字を読むのが辛いので雑誌ムーは読めていなかったものの以前からこの方面の話は興味があったので拝見させていただきました。
とにかく三上編集長のお話の分かりやすさ、面白さ、声の良さ、怪しい雰囲気(褒めてます)、豊富な知識、ミーコさんとのやり取りになんだかファンになってしまい、居皆亭(いるみなてい)等の他の動画も見歩いていました。
当時調べていた神代文字に直接関係はなくても、何か裏でつながっているかもとか、もしくはこじつけて話を作れないかと思い、ムーチューブの中で興味を感じたものは片っ端から調べ歩いてました。
三内丸山遺跡と同じ時代かな?と思ったシュメール文明も、日本に残ってるペトログラフとつながってる話や不思議な宇宙人の神話とか、そこから超太古に巨人がいた説とか色々流れ歩きました。
あ、それから臨死体験で超古代を見てきた方のお話とかも興味深かったです。色々スケールがでかすぎて「へー 面白ーい」とワクワクするだけで漫画にはできませんでしたが…。
空想物語が微妙に徐々に現実味を帯びてくる不思議な話が好きです。
おかげさまで面白く色んなことを勉強させていただきました。
今後のご活躍をお祈り申し上げます。
2020年9月4日更新