頭のターバンを腰に巻けよ！

──谷底に落ちたところから、ギャグシーンも盛り沢山でしたね。

だいぶ長いこと裸でいましたもんね。

──ミストラスは物語の後半から登場したキャラクターということもあり、実際は違うかもしれないですけど、登場時間の半分は裸だったんじゃないかと思うくらい、最後の印象が強く残っています（笑）。

そうなんですよね！ というか、ミストラスは頭のターバンを腰に巻けよ！って僕は思ってたんですけど。

──あはは（笑）。確かに立派な布が頭にあるのに！

やっぱりササンの騎士として、プライドみたいなものがあったんですかね。ターバンの中に非常食を隠していたとはいえ、「非常食ありますよ！」って中身を出したなら、もう腰に巻けばいいのに！って（笑）。そういった意味でいうと、あの場所に誰よりも早く順応してたのかもしれないです。

──シンドバッドとジャーファルも家を建てて、なんなら布まで作ってたのに、体には葉っぱ1枚でしたからね。

ははは（笑）。もしかしたら人間の本能なのかもしれないですね。僕も経験はないからわからないんですけど、誰もいない、なんにもないだだっ広い草原で裸になってみると、人生観が変わるくらい気持ちがいいんですって。

──そうなんですか（笑）。

すべてが自由みたいな気持ちになって、すごく気持ちいいらしいんですよ。だから彼らはその境地に到達してしまったのかもしれない（笑）。

ミストラスとして歌えたことがすごくうれしかった「Life goes on」

──最終回には、まだ出てきていない八人将のメンバーも一瞬ですが登場していました。あのシーンを観たファンの皆さんは続きが観たくなったんじゃないかと思います。

そう、そう。みんなの子供時代が観たいですよね。だから（マスルール役の）細谷（佳正）くんにもやってほしいです！ 子供時代を！

──この流れでいったらキャストはそうなりますもんね。

そうですよ、絶対に拒否させませんからね！ 僕だってやったんだもん！って（笑）。

──ぜひほかのキャラクターの子供時代も観てみたいです！ それでは最後に、改めて読者へメッセージをいただけますでしょうか。

「マギ シンドバッドの冒険」はキャラクターがすごくイキイキと描かれていて、僕自身途中参加ではあったんですが、収録現場の空気感がそのまま絵やお芝居に流れている、すごくエネルギッシュな現場だったんです。その空気感は間違いなくアニメにも込められていると思います。2周目、3周目と観ていただくと新しい発見がたくさんあると思うので、ぜひ何度でも観ていただきたいですね。あと「マギ シンドバッドの冒険 COMPLETE BOX」には、キャラクターソングがつくんですよ。

──シンドバッドとミストラス、ジャーファルが3人で歌う「Life goes on」ですね。

歌詞も非常によくできていて。最初に歌詞を読んだとき、これはミストラスの歌なのかなと思ったんですよ。そしたら「3人で歌います」と言われて、そこで「あ、なるほど。みんなに当てはまるような意味の歌詞になっているんだ」と気付いて。アニメを最後まで観ていただいたあとにこの曲を聴いていただくと、きっと暖かい気持ちになれるんじゃないかなと思います。ミストラスとして歌えたことがすごくうれしかったです。

──羽多野さんにとってもお気に入りの1曲ですか？

すごく好きな曲なんですよ。実はレコーディングが早く終わりすぎたんですけど、「ミストラスのソロバージョンも作ってもらえませんか」って冗談で言ったくらい（笑）。めちゃくちゃいい曲なんです。

──公式サイトでは試聴も公開されてますが、陽気な雰囲気の楽曲ですよね。

そうなんです。だけどAメロやBメロにはちょっとした切なさもあったりして。あとはジャーファルの合いの手も、すんごいかわいいんですよ。ジャーファルが場を盛り上げるような言葉を言うんですけど、子供のジャーファルだから、そのたどたどしさがかわいくって。ぜひフルサイズで聴いていただきたいですね。