コミックナタリー Power Push - マーガレットコミックス特集 あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言 第9回 幸田もも子「ヒロイン失格」「センセイ君主」

チーム別マで“ラブコメ枠”の役割を果たす

4人の仲間それぞれが、お互いに一番のファンです

──このインタビューシリーズでは、森下suuのなちやん先生(参照:第5回 森下suuインタビュー)、やまもり三香先生(参照:第7回 やまもり三香インタビュー)からすでにお話を伺っているので何度も幸田先生のお話が出てきていますが、「ギャルジャポン」のシタラマサコ先生と4人で、本当に仲がいいそうですね。

弘光の回想シーン(別冊マーガレットsister秋フェス01掲載)。

はい(笑)。8月は、「ヒロイン失格」の実写映画関連のお仕事もあったので、ちょっとありえないページ数の原稿を描かなければならず……。4人のグループLINEで、「来月手伝ってくれる人いたりしないかな?」って言ったら、やまもりとなちやんが「俺、行けるよ」って言って、はるばる新幹線で来てくれたんです。シタラは自分の締め切りがあったのに、早く片づけて最終日に駆けつけてくれて……。本当に感謝しています。アシスタントさんたちの仕上げもいつも素晴らしいんですが、今回は作家ならではのアイデアをいっぱいもらえたのもよかったです。先ほど話した弘光の話(別マsister秋フェス01掲載)を手伝ってもらったんですが、弘光がはとりとの思い出を振り返る場面の回想シーンに使うコマを、なちやんとやまもりが選んでくれて。そのチョイスが素晴らしいんですよ!

──単行本から重要なコマを選んで、回想シーンを作ってくださったんですね。

そうなんです。しかもコマの置き方が素晴らしくて。そこを見ているだけで泣ける!と思いました。「超泣ける」って言ったら、「あたしらも選びながら泣いてた」って(笑)。キャラの絵も描いてもらっているので、あ、これなちやんの絵だなとか、やまもりの絵だなとか完全にわかると思います。

──お三方の作品の魅力はどんなところに感じますか?

なちやんの絵って、ずっと見ていたくなるんですよね。目の中の描き方とか、まつ毛の描き方とか、微妙に変えたりもしていて、なちやんが絵の流行を作ってるなって思ったりします。やまもりは、もう本当にモノローグがカッコいいんですよ! どの脳みそで考えたんだ、みたいな。それしかない、っていうモノローグなんですよねえ。私がカッコよく書こうとすると嘘くさいモノローグになっちゃうんですが、やまもりはそうならないし、セリフがすとんと落ちる。絵ももちろんカッコいいですしね。シタラは……なんでこんな面白いの!? って毎回思います。普段からシニカルな目で周りを見ているんだなあと。LINEでもシタラの言い回しはちょっと違っていて、面白いんですよ。

──いやあ、すごい4人組ですねえ。

一緒にいると本当に楽しいです。みんなのいいところをそれぞれ知っているのも大きいですよね。純粋に、全員を尊敬しています。ライバルでもあるんですけど……どっちかっていうと、ファンかもしれない。一番のファンです。

最強集団「チーム別マ」で自分の役割を果たします!

──よき読者でもあり、よき仲間もいる別マですが、ご自身が作家として少女マンガを描く上では、どういうことを大事にしていらっしゃいますか?

そうですね……自分の役割をきちんと、ということでしょうか。別マって、最強集団だと思うんですよ。自分がいる雑誌のことを言うのもなんですが、どの雑誌よりも面白いと思っていて。その中で、胸キュン担当はこの作家さんで、キャラクターが強いのはこの作家さん、ストーリーで読ませるなら……と役割がある中で、自分が担当するなら、やっぱりずっと目をそらしてたラブコメかなと。

別冊マーガレット10月号

──目をそらしていらしたんですか?

さきほどやまもりのモノローグに憧れるという話をしましたが、ずっとカッコいい話が描きたいと思っていたんです。でも今は、自分に合ったものを描いていこう、と思っています。笑わせて、キュンもできるみたいな、そういう枠がもしあるのなら、そこを張っていきたいです。

──「役割をきちんと」ですね。

はい。「チーム別マ」というところでは、ですね。個人プレーヤーとしてはいつだってメラメラしているんですよ(笑)。「ちくしょーっ、みんな面白いな! 私も次こそは傑作を描くぞ」って。だけど、こう考えたんです。もし、雑誌のチーム対抗戦があったら、チーム別マは絶対に勝てる。本当にすごい布陣だなと、ほかの作家さんたちを誇らしく思うし、こんな最強の雑誌にいられる自分を幸せに思う。それならば、自分のできることをして読者さんを楽しませたいな、と。アンケートで1位はとれなくてもオンリーワンになろうと……いや……いつかは1位をとりたいです!(笑)

幸田もも子オススメのマーガレット作品が読み放題!

ブックパスでは幸田もも子作品が期間限定で読み放題。実写映画化された「ヒロイン失格」、現在連載中の「センセイ君主」をはじめ、過去作も一挙ラインナップした。インタビューに登場した、幸田オススメのマーガレット作品も公開中だ。

  • いくえみ綾「I LOVE HER」
  • いくえみ綾「オススメボーイフレンド」
  • 藤村真理「隣りのタカシちゃん。」
  • 中原アヤ「ラブ★コン」
  • 河原和音「青空エール」

※各作品の読み放題提供期間はブックパスの特集サイトでご確認ください。

ブックパス マーガレットコミックス特集

マーガレットコミックス特集 あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言 特集一覧・連載作品年表はこちら
第1回 河原和音
第2回 咲坂伊緒
第3回 神尾葉子
第4回 中原アヤ
第5回 森下suu
第6回 あいだ夏波
第7回 やまもり三香
第8回 水野美波
第9回 幸田もも子
第10回 宮城理子
第11回 佐藤ざくり
第12回 椎名軽穂
第13回 小村あゆみ
第14回 いくえみ綾
第15回 ななじ眺
第16回 八田鮎子
番外編 マーガレット&別冊マーガレット編集長インタビュー

期間限定!auの電子書籍ストアで読み放題

幸田もも子作品
幸田もも子「ヒロイン失格」
幸田もも子「センセイ君主」
幸田もも子「誰がスッピン見せるかよ」
幸田もも子「そんでむらさきどーなった?」
幸田もも子「姐さんカウントダウン!」
幸田もも子「よってけ! 音子村」
幸田もも子オススメ作品
いくえみ綾「I LOVE HER」
いくえみ綾「オススメボーイフレンド」
藤村真理「隣りのタカシちゃん。」
中原アヤ「ラブ★コン」
河原和音「青空エール」

※各作品の読み放題提供期間はブックパスの特集サイトでご確認ください。

ブックパス

スマートフォンやパソコンで利用できるauの電子書籍ストア。月額562円(税別)でマーガレット作品も読み放題! 初回入会なら14日間無料でお試しもできる!

映画「ヒロイン失格」2015年9月19日ロードショー
映画「ヒロイン失格」
キャスト

桐谷美玲、山﨑賢人、坂口健太郎、福田彩乃、我妻三輪子、高橋メアリージュン、中尾彬(特別出演)、柳沢慎吾(特別出演)、六角精児(特別出演)、濱田マリ、竹内力

幸田もも子「ヒロイン失格」特集
幸田もも子「センセイ君主」7巻 / 2015年9月11日発売 / 集英社 / 432円
幸田もも子「センセイ君主」7巻

高校2年生の佐丸あゆはと、同じ学校の超イケメン教師・弘光先生は、生徒と教師の関係ながら付き合っている禁断カップル! 順調に付き合うふたりだが、先生の初恋相手・秋香さんが現れ、先生が好きで、今度こそ捨て身で先生を追いかけたいと宣言されてしまう! 禁断カップルの仲は一体どうなる!?

別冊マーガレット10月号 / 2015年9月12日発売 / 集英社 / 500円
別冊マーガレット10月号

「センセイ君主」が表紙&巻頭カラー!
「ヒロイン失格」×「センセイ君主」コラボマンガも掲載。付録は映画「ヒロイン失格」を特集した特製DVD。

幸田もも子(コウダモモコ)
幸田もも子

9月24日生まれ、東京都出身。2002年に「たまごやき」でデビュー。2010年に別冊マーガレット(集英社)にて「ヒロイン失格」が連載スタートし、累計160部以上の大ヒットとなり、実写映画化もされる。2013年より同誌にて「センセイ君主」を連載中。ほか著作に「姐さんカウントダウン!」「そんでむらさきどーなった?」「誰がスッピン見せるかよ」「よってけ!音子村」などがある。


2016年1月22日更新