
英子、静、満月の3人はグラビアアイドルユニット・スリーピースとして活躍中。人気は絶好調だが、ネット上では「この頃太った?」などと噂されており、実際のところ彼女たちの体重・体脂肪率は右肩上がりだった。事務所の社長は「よく食うことは悪いことじゃない」と前置きしつつ、体調管理ができないようならグラドルなんてやめてしまえ、痩せられなければクビだと宣告。美味しいものを食べることが大好きな3人が、力を合わせながらダイエットという困難に立ち向かう。






















































──グラビアアイドル×飯テロ×ダイエットという、ユニークなテーマを持った「飯テロ系グラドルは我慢できない!?」。この作品はどういったきっかけで生まれたのでしょうか? また、こうしたテーマを選んだ理由は?
めきめきは2人とも食べるのがもともと大好きで、美味しいものの情報を見たり聞いたりするとどうしても食べたくなりまして……。気づけばここでは言えないくらいの体重になってしまったんですね。このままではヤバい……。そこで一念発起して始めたダイエット、結果として13kg減量して無事平均体重くらいには戻せたんですが、とにかく食事制限がキツくて……。特に美食に溺れた舌に野菜と鶏むね肉のオンパレードは飽きるし腹にたまらないしで、空腹で泣いた夜もあったよね……ウッウッ(泣)。でもこの痩せた分でまた美味しいものが食べられる!と思って凌ぎました。そしてまんまと今、また増量してきてます(笑)。またダイエットか──……。そういうどうしようもない経験をベースに「飯ドル」は生まれました。スリーピースのみんなはグラドルなので大変だよね! 美味しいもの食べたらダイエットがんばれ!という気持ちで描いてます。
──主人公の3人は個性がバラバラですが、それぞれどんなイメージでキャラクターを考えていかれたのでしょうか? また、めきめきさんが思う、それぞれのキャラクターの好きなところも一緒に聞かせてください。
英子はゴスパンク系のファッションに身を固めた、意識だけは高い元子役の小さな女の子です。スリーピースのリーダー的存在で、みんなの精神的なよりどころになっています。体型的には不利なグラビアでなんとかがんばろうとしている負けん気の強さがチャームポイントです。
静はいい加減で欲望に忠実、随所でだらしないさまが体型にダイレクトに反映された子です(笑)。危険な三段腹でも基本肉付きがよく柔らかそうなのでグラビアアイドルとしてはけっこう人気がありますね。どうしようもないのにクビにされない秘密がここにあります(笑)。
我慢しすぎてもよくないし、そもそも人にはそれぞれ我慢できないことは多々あるので、自分に正直な彼女が好きです(そして同じ体型へ……)。
実は一応主人公の満月。一番グラビア歴が浅く年若いこともあり、やりたいことも固まっていないのが彼女です。それなりに頭もよく運動もでき、なんでも卒なくこなすため、自分が何をしたいのか今ひとつわかっていないという、悲しき器用貧乏タイプの子ですね。だから主張の塊のような英子と静と一緒にいると、必然的に影が薄くなってしまうという……。
グラドルとしてやりたいことをこれから見つけていく、可能性の塊なところが好きです。がんばれ満月!
──作中に、特にご自身に似ていると思うキャラクターはいますか? あるいは、どのキャラクターにもめきめきさんが共感できる要素が入っていらっしゃるのでしょうか。
もうほんと静一択ですね。各回必ず「静お前そういうとこやぞ」と思うシーンありますが、そういうとこ描いてるとき必ずめきめきもなにか食べてます。いや……食べたいよね……美味しいものはたくさん食べたいよ。うん。
──この作品の、もうひとりの主役と呼べるのが、登場する“食べもの”たちだと思います。食べものの描写にもこだわりを感じますが、どんなことを考えながら描かれていますか。また、参考にする資料はどんなものでしょうか?
参考資料はほぼ自分たちで撮った写真や動画です。もともと料理をするタイプなので自分たちで作りもします。そしてSNSでグルメアカウント作ってはお店の新作情報を漁りまくり、東に新店あれば楚々と向かい、西に限定の声あれば粛々と並ぶ。自分が美味しいと思ったものを参考にすれば、自ずと絵に情念が乗るんですよね。
──そんな食べものを主人公たちが食べる“飯テロシーン”は、やはりこの作品の大きな見どころかと存じます。飯テロシーンを描くときに意識していることを教えてください。読者に「お腹が空く」と思ってもらうため、工夫していることはありますか?
温度や食感、味わいなど少しでも具体的に伝えたいですね。あの美味しいものを食べたときの感動を少しでも皆様にお裾分けしたい……!(そして肥えるがいい……!)そんな気持ちで描いてます(笑)。参考資料は主に自分が実際に食べたものですが、作画中は動画などで食べている音や作っている音、いわゆるASMRですね、それをずっと流して、飢餓状態で描いてます(笑)。これがまたつらいんだあ……。
──ダイエットというテーマは、ともするとネガティブにイメージされやすいものでもあります。また体型を意識するあまり、過度な食事制限が問題になったりもしますよね。ただ、「飯テロ系グラドル」では、そんなダイエットというテーマが、ポジティブなものに描かれているように感じました。物語を構成するうえで気をつけていること、大事にしていることはありますか? 「こういう描き方はしない」と決めていることもありますでしょうか。
減量には食事制限が一番ですが、その様子はなるべくコミカルにさらっと流すよう心がけています。食べたいのに食べられない葛藤を表現したかったのですが、彼女たちが食べられないのは描いていてかわいそうなので、結局食べさせてしまっています。
でも、13kg減量したことがある身としては、無理せずある程度食べたらいいんじゃないかなと思います。若いから代謝もいいし、そして食べた分だけがんばって運動したり我慢したり、そうやって心と体が動くことで健全に成長していけるんじゃないかな、という……。「つらいこともあるけど楽しくいこうよ!」というめきめきの信条がそこにある感じです。
──ダイエットに通じる部分でもありますが、グラビアアイドルという立場もあり、彼女たちの自己肯定感のゆらぎも丁寧に描かれている印象を受けました。キャラクターたちの言動や気づきの描写で、気を配った部分はありますか。また、3人のやり取りからは、自己肯定感を高められるメッセージを受け取れるようにも感じました。そんなやり取りを描かれて、めきめきさんご自身が改めて気づいたこと、考えたことがあれば教えてください。
スリーピースの3人だけでなくいろんな人にいろんな生まれ育ちがあって、そこから培われた性格によってもそれぞれ考え方や気づき方が違ってきますよね。体型も悩みも三者三様な3人が仕事やダイエットを通してシナジーを起こし、より高いところに引っ張り上げ合い、ときどき足を引っ張り合う(笑)。困難に立ち向かうとき、独りはつらいけど仲間がいればなんとかなる……かも? 信頼関係って大事だな、って改めて思いますね。
──めきめきさんご自身が、「これだけは我慢できない!」という食べものはありますか? また、最近食べて美味しかったもの、作中に登場させたいと思ったものがあれば教えてください。
炭水化物が好きなので、ラーメン、カレー、うどん、丼もの、いろいろとありますが……最近はうどんが我慢できません。大阪のうどんがね、もうずっとレベルアップが止まらないんですよね。かけ冷温、ぶっかけ冷温、ざる、釜揚げ、煮込みときて天ぷらのトッピングもバチバチに豊富。どんだけ美味しいうどんを食わせるのかと。天ぷらでカロリー倍々ゲームやぞと。最近のブームは釜揚げうどんなのですが、これがまたうどんとつゆだけなので純粋炭水化物+塩。炭水化物に偏りすぎてダイエットにはいけません!と思っても我慢できた試しがありません。
──2巻収録話では、3人での新生活が始まったり、管理人さんに後輩グラドルなど登場キャラクターが増えてより賑やかになったり、新しい展開もありますね。2巻の見どころを聞かせてください。
管理人さんが参加したことで、家で料理を作ったり、家庭での食事の様子を描きやすくなりました。リラックスした3人の食事風景をぜひ見てほしいです。
──最後に、ファンや読者の方にメッセージをお願いします!
いつもお応援ありがとうございます。
今後の展開として、地方巡業していろんな地域の美味しいものを食べさせてあげたいし、バーベキューなど料理もさせてあげたい……! グラビアアイドルとしてのステップアップに、たくさん仕事がくるからこその苦悩のダイエット展開も!
きっといろんなことが起こりますが、これからもたくさん食べまくっていくのでスリーピースの活躍をぜひ見守ってくださいね。
「飯テロ系グラドルは我慢できない!?」コミックス2巻発売記念PV
プロフィール
めきめき
2人組のマンガ家ユニット。現在は月刊ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)で「怜-Toki-」(原案:小林立)、月刊コミックキューン(KADOKAWA)で「飯テロ系グラドルは我慢できない!?」を連載している。