松岡さんと掛け合いをしていく中、徐々に春姫になっていけた
──メインキャストの中で、特に仲のよいキャストを教えてください。
先ほどお話しした「アルデラミン」では、ヘスティア役の水瀬いのりちゃんとも一緒だったんです。それもあって、いのりちゃんとはたまに遊んだりもするし、気負わずしゃべれる間柄で仲がいいんです。だから、「途中参加の現場だけれど、いのりちゃんもいるから……」という気持ちで初めてアフレコに行ったら、その日に限って、いのりちゃんがいなかったんですよ(笑)。
──まさかの事態ですね。
次の収録のとき、いのりちゃんに「先週いなかったじゃんー」って言いました(笑)。でも、いのりちゃん以外にも、ほかの現場でご一緒したことのある方もたくさんいらっしゃったので、緊張感は感じながらも問題なくできました。それに、アフレコよりも前にイベントにも出させてもらって、そのときにほかの共演者の方とお話しする機会もあったんです。
──3月の「AnimeJapan 2019」での「ダンまち」スペシャルステージ(参照:「ダンまち」AJで新情報続々、水瀬いのりのヘスティア絵に大西沙織が悲鳴上げる)では、ベル役の松岡禎丞さん、ヘスティア役の水瀬いのりさん、アイズ・ヴァレンシュタイン役の大西沙織さん。6月の「ダンまち FES2019」(参照:「ダンまち」アプリとアニメの合同イベントで松岡禎丞がまさかのギネス認定)では松岡さんのほか、タケミカヅチ役の間島淳司さん、シル役の石上静香さん、レフィーヤ役の木村珠莉さん、命役の赤﨑千夏さんと共演されていますね。共演者の方との特に印象的なエピソードがあれば教えてください。
「ダンまちFES2019」のときは、アフレコ直前ということもあって、すごくドキドキしていたんです。でも、控え室で待機しているときに赤﨑さんと間島さんが控え室で「長机にこうやってみんなで座ってると、親戚の集まりみたいだよね」とか言いながら、“親戚の集まりの会話あるある”の即興コントみたいなことを始められて。そのおかげで、すっごくほっこりと和んだんです。安心感がすごくあって、「タケミカヅチファミリア好き!」ってなりました(笑)。
──では、春姫が初めてセリフを話す第6話のアフレコでは、あまり緊張はしなかったですか?
やっぱり緊張はしました(笑)。初回だから、まだ口調のスピード感とかがしっかりと定まっていない中、模索しながらしゃべる感じだったし。セリフが50ワードくらいあって、単純にしゃべる量も多かったので。最初のテストの段階では、セリフを決められた尺の中に入れ込んでいくので精一杯という感じでした。でも、松岡さんの演じるベルくんの熱量がすごくって。掛け合いをしていく中、春姫と一緒に、徐々に心が開けていったというか。春姫になっていけたのかなと思います。それに、本当に緊張はしたんですけれど、松岡さんをはじめ、皆さんすごく温かい現場だなって感じました。
──春姫とベルがどんなふうに出会って、どんなふうに会話をするのか楽しみです。
春姫としてベルくんと対峙してみて、一番強く感じたのは優しさです。こんなにも優しい、無条件で無償の愛みたいな優しさを持ってる人っているのかなってぐらい本当に優しい。それでいて、冒険者としては、自分が目指しているものに真っ直ぐ向かっていって、どんどん力が伸びていく。たぶん、皆さんもそうだと思うのですが、そういうところにも1人の人間としてすごく憧れます。
──優しくて、強くて、成長もしている。まさに理想の主人公ですよね。
その中でも、ヒロインと会話をしているときのベルくんを一番表しているのは、「優しさ」というワードだと思います。ただ、1期からいるキャラクターたちも最初はそうだったと思うのですが、春姫も第6話の段階では、そういう優しさに慣れていなくて。ベルくんの優しさも響いていないところからのスタートになるんですよね。それが今後、どういうふうに変化して、春姫の心にも届いていくのか楽しみにしています。
春姫の持つ母性は、この作品の中でもすごく重要なもの
──監督や音響監督からは、どのようなディレクションがあったのですか?
冒険者や神様みたいに威厳があったり、強かったりするキャラクターが多い「ダンまち」という作品の中で、春姫は少し異色な雰囲気を纏っているなという印象がもともとあって。それをどんなふうに出していくのかは、スタジオでやりながら作っていったところなんです。だから、「ここはもう少し感情を出していいよ」とか、「そこまで出さなくていいよ」といった細部の調整のようなディレクションをしていただきました。
──この取材の時点で、アフレコは何話まで終わっているのですか?
今日が8話の収録でした。
──では、6話に続いて、7話、8話と演じる中で、春姫について新たに感じたことや発見したことなどがもしあれば、ネタバレにならない範囲で教えてください。
春姫は、自分の運命に対して達観しているというか、諦めているような感情が強い子なんです。普通の人だと、そういう感情になるときって周りに「どうせ」みたいな態度を見せたりしがちですよね。でも春姫の場合、本当に品のいい子だから、そういうときも常に品がいい。どんなことになっても丁寧なんです。それは本当にすごいと思います。
──生粋のお嬢様なのですね。それをお芝居で表現するのも、また難しいことなのでは?
そうですね! そこをがんばりたいなと思っています。
──アフレコ現場の雰囲気を教えてください。
長くこの作品に関わられている方が多いので、すごく自然な空気感というか。お互いが背中を預け合うような、本当の信頼関係ができている座組みなんだろうな、という雰囲気はすごく感じています。あと、イベントのときも感じたのですが、すごくアットホームな現場で、今日も赤﨑さんが話題になってるニュースの画像を見せてくれてみんなで笑ったり、あとは、タケミカヅチファミリアの皆さんと、なぜかスチームアイロンについて話したりとか(笑)。いのりちゃんとは、面白いドラマの話で盛り上がりました。そんな感じで、話題が本当に実家みたいなんですよね。
──いよいよ第6話から本格的に登場する春姫が「ダンまち」ファンの皆さんにとって、どのような存在として受け入れてもらえたらうれしいですか?
春姫が出てきたとき、安心感を感じてもらえたり、気持ちが癒されたりしてもらえたらうれしいなと思っています。あとはやっぱり、母性を感じてもらいたいですね。
──母性をいかに出すかは、最初のゲームのときから変わらずのテーマなのですね。
アニメのアフレコが始まって、皆さんのお芝居も見たことで、春姫の持つ母性、精神的な器の大きさや温かさは、この作品の中でもすごく重要な役割を持っているんだ、とより強く感じるようになりました。
──では、最後に6話以降の「ダンまちⅡ」の見どころを改めて教えてください。
ずっと「ダンまち」シリーズを応援してくださっているファンの皆さんも、この機会に見始めたよ、という皆さんもいらっしゃると思うのですが。どんな方でも勇気をもらえる、本当に気持ちのいい物語だと感じています。春姫が登場してからも、たくさんのことが起きるのですが、画面の中のキャラクターと一緒に冒険しているみたいな感覚で観ていただいて、いろいろな感情も一緒に味わってもらえたらなと思っています。私も、いち視聴者として、この先どんなふうに物語が進んでいくのか追いかけていきますので、ぜひ一緒に楽しんで下さい!
- TVアニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか II」
- 放送情報
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TOKYO MX:毎週金曜日24:30~
サンテレビ:毎週金曜日24:30~
KBS京都:毎週金曜日24:30~
BS11:毎週金曜日24:30~
AT-X:毎週金曜日24:30~
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U-NEXT、アニメ放題ほか各種配信サービスにて配信中
- スタッフ
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原作:大森藤ノ(GA文庫/SBクリエイティブ刊)
キャラクター原案:ヤスダスズヒト
監督:橘秀樹
シリーズ構成:白根秀樹
キャラクターデザイン:木本茂樹
音響監督:明田川仁
音楽:井内啓二
オープニングテーマ:井口裕香「HELLO to DREAM」
エンディングテーマ:sora tob sakana「ささやかな祝祭」
プロデュース:EGG FIRM/SBクリエイティブ
アニメーション制作:J.C.STAFF
- キャスト
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ベル・クラネル:松岡禎丞
ヘスティア:水瀬いのり
リリルカ・アーデ:内田真礼
ヴェルフ・クロッゾ:細谷佳正
ヤマト・命:赤﨑千夏
リュー・リオン:早見沙織
アイズ・ヴァレンシュタイン:大西沙織
アイシャ・ベルカ:渡辺明乃
サンジョウノ・春姫:千菅春香
ダフネ・ラウロス:小若和郁那
カサンドラ・イリオン:真野あゆみ
ヒュアキントス・クリオ:KENN
アポロン:逢坂良太
©大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち2製作委員会
- 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII Vol.1」
- 2019年9月25日発売 / ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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初回仕様版 [Blu-ray+CD]
税込8640円 / 10007-48231 -
初回仕様版 [DVD+CD]
税込7560円 / 10007-48236
- 収録話数
第1話、第2話、第3話
- 初回仕様版特典
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- キャラクターデザイン木本茂樹描き下ろしイラスト使用特殊ケース(デジパック仕様+三方背クリアケース)
- 原作・大森藤ノ描き下ろし小説
- 特製ブックレット(12P予定)
- 特典CD(オリジナルオーディオドラマ Vol.1)
- 音声特典
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- オーディオコメンタリー
- 映像特典
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- ノンテロップOP&ED、WEB予告
- 千菅春香(チスガハルカ)
- 1992年1月23日、岩手県盛岡市生まれ。2012年に行われたアニメ「マクロス」シリーズ30周年記念オーディション「ミス・マクロス30コンテスト」でシンガー・ウィング(歌手部門)グランプリを獲得。2013年2月にゲーム「マクロス30~銀河を繋ぐ歌声~」の主題歌で歌手デビューし、同ゲームのヒロインであるミーナ・フォルテ役で声優としての活動もスタートさせた。主な出演作品に「SHIROBAKO」(坂木しずか役)、「ソウルイーターノット!」(春鳥つぐみ役)、「少女たちは荒野を目指す」(黒田砂雪役)、「殺戮の天使」(レイチェル役)など。