音楽ナタリー Power Push - 千菅春香×清 竜人

コラボ対談でお悩み相談

2012年開催の「マクロス」シリーズ30周年記念オーディション「ミス・マクロス30コンテスト」で歌手部門グランプリに輝き歌手&声優デビューを果たした千菅春香が、通算5枚目となるニューシングル「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」を完成させた。この曲は現在放送中のテレビアニメ「アクエリオンロゴス」のエンディングテーマで、千菅は劇中に登場する神社の娘・綺声神心音の声も演じている。

オリエンタルな琴の音色と華やかなストリングスが織りなすポップソングを手がけたのは、現在“一夫多妻制”アイドルグループ「清 竜人25」で活躍中の清 竜人。音楽ナタリーでは千菅と清の対談をセッティングし、楽曲についてのみならず、プライベートな話題や悩み相談まで、たっぷりと語り合ってもらった。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 上山陽介

清さんの「PEOPLE」をよく聴いてました

──今回はどのようなきっかけで清さんが曲を書くことになったんでしょうか。

左から千菅春香、清 竜人。

清 竜人 千菅さんの担当のディレクターさんから話をいただいた形なんですけど、そのディレクターさんは坂本真綾さんも担当されてる関係で、真綾さんに曲を書いているthe band apartの原(昌和 / B)くんを通して連絡が来ました(笑)。僕はバンアパと仲良しなので。

──千菅さんは清さんのことをご存知でしたか?

千菅春香 はい。大学の友達に清さんの大ファンの子がいて、アルバムを貸してもらったことがあったんです。「PEOPLE」(2011年4月に発売された清 竜人の3rdアルバム)というアルバムで、私もよく聴いていたんです。だからお話をいただいたときはけっこうびっくりしました。まさか自分が歌の活動をする中で、清さんとご一緒することがあるなんて、まったく想像していなかったので。

──もともと知っていたということは、その変遷や今の清 竜人25としての活動もご存知なんですよね?

千菅 ソロの歌しか知らなくて、お話をいただいたときは25さんのことは知らなかったんです。レコーディングのときにCDをいただいて、まずはビジュアルにびっくりしたんですけど(笑)、聴いてみたらすごく素敵で。5月のバースデーライブ(参照:清 竜人25、予想外の発表も飛び出したバースデーパーティ)も拝見させていただいて……もう素晴らしかったです! すごくピースフルな感じというか、いろんなものが手を取り合っているような。曲やダンスや衣装が好きなのはもちろん、いろんな層のお客さんが一体になって盛り上がっているのが本当に素敵だなあって。

 ありがとうございます(笑)。「PEOPLE」を聴いてくれていたというのも今初めて聞きました。

逸脱しながらもリクエスト通り

──清さんはこれまで堀江由衣さんやでんぱ組.incへの楽曲提供がありましたけど、この「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」は中でも図抜けてさわやかで、飲み込みやすいポップスだなと感じました。

 最初の打ち合わせの段階で、アニメのエンディングテーマだということはうかがっていて、アニメのプロットも準備されていたんですよ。物語のあらすじだったり、千菅さんが声を演じているキャラクターは神社の娘なので邦楽の要素が欲しいみたいなリクエストもいくつかあったので、それを自分なりに解釈して。参考楽曲として何曲か挙げてもらったものも、メジャー調のさわやかな曲だったので。

──もともとさわやかなものを求められていて、リクエストに応えた形だと。

 そうですね。もらったリクエストからはある程度逸脱してるとは思うんですけど(笑)、なんとなくの雰囲気は応えられたかなあと。

──千菅さんのこの曲の第一印象は?

千菅春香

千菅 1曲の中にいろんな要素を感じて、これを自分が歌うとどうなるんだろうなって。清さんの世界観が色濃かったので、今までの曲の中でも一番想像ができない曲でした。明るいだけではなく、ちょっと内に秘めた憂いもあって。

──以前堀江さんは、デモテープでは清さんが歌っているとおっしゃってましたけど(参照:堀江由衣「秘密」インタビュー)、この曲も清さんが?

 ええ、この曲もそうです。

千菅 清さんの歌で聴くと、清さんの曲そのものなので、余計に自分が歌う姿が想像つかなくて。

──すごくポップでキャッチーに聞こえますけど、わりと複雑な作りではありますよね。

 意外と転調が多かったりとか、フレーズが細かかったりするので、聴感以上に歌うのは難しいかもしれないです。コーラスのラインもあっちこっちに動いてたりするので。バシッと歌ってくださいましたけど、少し難しかったんじゃないかと思いますね。

すごく素直にマイクに乗る声

──清 竜人25での活動も含め、清さんはこの1、2年でさまざまなボーカリストを対象にした曲を作る機会が増えましたよね。ボーカリストとしての千菅さんは、ほかの方と比較してどんな特徴を感じますか?

 すごく素直にマイクに乗る声という印象ですね。ピッチもすごく安定してる。2、3テイク録ったら僕的にはもう大丈夫という感じでしたね。

──歌録りのディレクションまで引き受けたんですね。清さんのディレクションはいかがでしたか?

千菅 オケ録りのときにもうお会いしてたんですけど、きちんとお話するのは歌録りのときが初めてだったので、すごく緊張してたんですよ。どんな方なのかなと思って。

──細かい指示もあったんですか?

千菅 事前に少しニュアンスを試してみたりはしましたけど、大きく「そこは違う」みたいなことはなかったですね。

左から千菅春香、清 竜人。

 ザッと1回歌った段階で十分によかったので、語尾のニュアンスとか、「ここはオケのダイナミクスにあわせて」とか、部分部分でこうしてほしいなと思ったところをちょこっと伝えたぐらいでしたね。

千菅 オケがすごく素敵なんですよね。デモの音と生の楽器が入ったあとではまた印象が大きく違っていて。オケ録りの様子を観ながら「清さんの頭の中ではこんな音が鳴ってたのか!」と驚きました。

 デモである程度のところまで作り上げて生に差し替える進め方が僕は多くて、フレーズもそのまま完コピでミュージシャンの方に弾いてもらうんですけど、特にストリングスは打ち込みでは出せない生演奏ならではのよさがあるので。同じフレーズでも聞こえ方は全然違うと思います。

ニューシングル「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」 / 2015年7月22日発売 / 1188円 / FlyingDog / VTCL-35213
ニューシングル「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」
収録曲
  1. ジュ・ジュテーム・コミュニケーション
    [作詞・作曲・編曲:清 竜人]
  2. 私とあなたの在る世界
    [作詞・作曲・編曲:inktrans]
  3. ジュ・ジュテーム・コミュニケーション(カラオケトラック)
  4. 私とあなたの在る世界(カラオケトラック)
千菅春香 ニューシングル「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」発売記念インストアイベント
2015年8月2日(日)大阪府 ゲーマーズなんば店
START 14:00
内容:ミニライブ / 握手・サインお渡し会
2015年8月2日(日)大阪府 アニメイト天王寺
START 17:30
内容:握手・サイン会
2015年8月9日(日)東京都 ソフマップ☆アキバ1号店8F マップ劇場
START 12:00
内容:ミニライブ / 握手・サインお渡し会
2015年9月6日(日)東京都 AKIHABARAゲーマーズ本店8F
START 12:00
内容:ミニライブ / 握手・サインお渡し会
2015年9月11日(金)東京都 とらのあな秋葉原店C 4Fイベントフロア
START 19:30
内容:トーク / 握手・サイン会
ニコニコ生放送「リスアニ!STUDIO Vol.05」
2015年8月14日(金)21:00~23:00(※生配信)
<出演者>
綾野ましろ / 千菅春香 / 豊永利行 / 早見沙織 / MICHI / REVALCY / Ray
司会:冨田明宏(音楽ライター)/ 澄川龍一(「リスアニ!」編集長)
ニコ生番組「千菅春香Newシングル『ジュ・ジュテーム・コミュニケーション』発売記念パーティー」
2015年7月22日(水)21:00~
<出演者> 千菅春香
千菅春香(チスガハルカ)

千菅春香

1992年1月23日、岩手県盛岡市生まれ。2012年に行われたアニメ「マクロス」シリーズ30周年記念オーディション「ミス・マクロス30コンテスト」でシンガー・ウィング(歌手部門)グランプリを獲得し、2013年2月にPS3専用ゲームソフト「マクロス30~銀河を繋ぐ歌声~」の主題歌「プラネットクレイドル / ワンダーリング」でデビューを果たし、同ゲームのヒロインであるミーナ・フォルテ役で声優としての活動もスタートさせた。2013年にはテレビアニメ「琴浦さん」のエンディングテーマ「希望の花」を2ndシングルとしてリリース。2014年にはOVA「絶滅危愚少女 Amazing Twins」オープニングテーマ「絶滅危愚少女!」、テレビアニメ「モモキュンソード」オープニングテーマ「桃色ファンタジー」と2枚のシングルを発表した。2015年7月には通算5枚目のシングル「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」をリリース。この曲はテレビアニメ「アクエリオンロゴス」のエンディングテーマで、アニメでは声優として主要キャラクターの1人、綺声神心音の声を演じている。

清 竜人(キヨシリュウジン)

清竜人

1989年生まれ、大阪府出身の男性シンガーソングライター。15歳でギターを手にし、作曲を始める。16歳のときには早くも自主制作盤を発表し、そのクオリティの高さが音楽関係者の間で話題となった。2006年には「TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2006」でグランプリを受賞し、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006」に出演を果たす。映画「僕の彼女はサイボーグ」への挿入歌提供を経て、2009年3月にシングル「Morning Sun」でメジャーデビュー。その後もシングル、アルバムを精力的にリリースし、2012年5月には曲ごとに異なるアレンジャーとエンジニアを招いた4thアルバム「MUSIC」、2013年2月には自宅録音による弾き語り楽曲のみを収めた5thアルバム「KIYOSHI RYUJIN」をツアーとの連動作品として発表した。同年10月には6thアルバム「WORK」をリリース。2014年9月からは6名の“夫人”とともにアイドルユニット「清 竜人25」での活動を中心に行っている。また作詞・作曲・編曲家として作家活動も並行し、堀江由衣、でんぱ組.inc、千菅春香といった女性アーティストを中心に個性的な楽曲を提供している。

清 竜人25 1stアルバム「PROPOSE」
2015年9月2日発売 / TOY'S FACTORY
「PROPOSE」超限定引き出物盤
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「PROPOSE」初回限定盤
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「PROPOSE」通常盤
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