「この本を盗む者は」田牧そらが片岡凜に壁ドン？東山奈央は「寝言と寝息」をアピール

劇場アニメ「この本を盗む者は」のジャパンプレミアが、本日12月1日に東京・新宿バルト9で開催され、上映前のイベントにキャストの片岡凜、田牧そら、東山奈央、伊藤静、土屋神葉、監督の福岡大生、キャラクターデザイン・作画監督の黒澤桂子が登壇した。

「この本を盗む者は」とは

12月26日に公開される「この本を盗む者は」は、深緑野分の小説が原作の“本の世界”を巡る謎解き冒険ファンタジー。巨大な書庫「御倉館」を管理する一家に生まれながら本嫌いの主人公・御倉深冬が、突然物語の世界に飲み込まれてしまった町を救うため、謎の少女・真白とともに本の世界を旅していく。片岡は深冬役、田牧は真白役、東山は御倉館に住む深冬の叔母・御倉ひるね役、伊藤は本好きな自称“風来坊”の与謝野蛍子役、土屋は読長商店街にある新刊書店・春田書店で働く大学生・春田貴文役を演じる。

カッコいい声を出すためには「壁ドン」

声優初挑戦となった片岡は、収録の日々を「毎日新しいことの挑戦で、難しい部分もあったけどワクワクが止まらなくて、日々学ばせていただきました」と振り返る。自身が演じる深冬を「ちょっと自分と似ている」と表現し、「（収録現場は）冒険のような毎日だったので、彼女が新鮮にリアクションしていたり、何かに驚いたり、頭を悩ませたりっていう様子に、私もすごく共感しながら演じていました」と語った。

同じく声優初挑戦となった田牧は、もともと声優の仕事に興味があったと話す。真白を演じる際には「映像や台本を見ながらのお芝居がすごく難しくって。プロの声優さんってすごいなって思いながらやっていました」と述べた。アフレコでの思い出を聞かれると、片岡と顔を見合わせながら「壁ドン」と回答。真白がカッコいい声を出すシーンのために、福岡監督から「壁ドンをしてみたら」という指示があったと明かし、「すごくカッコいい感じが掴めた気がしました」と振り返った。

東山奈央「寝言と寝息に全力をかけました」

ひるねを演じるうえで気をつけたところを聞かれた東山。上映前のイベントということで「スタッフさんにも気をつけろよ……といっぱい念を押されているんですよ」とネタバレに気をつける様子を見せながら、「すでに漂っている不思議な雰囲気からもわかるように謎めいた女性ではあるんですが、面倒をみてもらわないとなかなか1人でできない、“昼寝おばちゃん”なんです」とひるねを表現する。「ダメなところもあるんですけど、そこも愛される人なんだろうなと思いながら演じさせていただきました」話し、見どころとして「寝言と寝息に全力をかけました」と語った。

作中で本の中の物語が展開されていく「この本を盗む者は」。伊藤はさまざまな役柄を演じたことを明かし、「自分の中ではあまりにも役柄が違いすぎるので、たまたま似た顔と似た声帯を持っている別の人をやる気持ちで演じました」と振り返る。土屋は本編中で鶏の鳴き真似をしたと話し、「アフレコの前日の夜中まで、どうやったら鶏になれるか考えて、いろんな動画を漁っていたんですが、夜中の3時くらいにこれだ！と掴むことができて。（アフレコでは）渾身の鶏を演じることができました」と述べる。そうして鶏の鳴き真似を実演すると、その巧さに会場から拍手が送られた。

デザイン周りは1人で担当、音楽は世界中で収録

黒澤はレイアウトの4割ほどを担当したと明かす。意識したこととして、「日常パートが多かったので、ヘンテコな世界に入る前にはヘンテコな動きをしないように、普通のことは普通にするよう心がけました」と説明する。そして1人で作画監督を務めたがゆえに、キャラクターデザインのみならず、メカやプロップデザインといった、デザイン周りを全部担当したことについて、「挑戦でしたけど楽しかったですね」と振り返った。

演出で気をつけたことを聞かれ、「作品を再現するためにいっぱい設定を作ったんですが、紙に印刷したら広辞苑くらいになりました」と語る福岡監督。「観終わったときに深冬と真白のことを好きになってもらえたらいいなと。たくさん設定の紙も、そのために使い切ったぐらいのつもりでいます」と観客に伝える。音楽については本の世界ごとにスタジオを変えていると明かし、日本やヨーロッパなど世界中で収録したと話すと、登壇者たちも驚く様子を見せた。そして今は“燃え尽きた状態”であり、制作に携わった人々に感謝の気持ちでいっぱいだと話す福岡監督は、「実は観終ったあと、数年後にもう1回観たいなと思ってもらえるような作品を目指して作りましたので、そう思ってもらえたら光栄です」と締めくくり、イベントは閉幕した。

劇場アニメ「この本を盗む者は」田牧そらが片岡凜に壁ドン？東山奈央は「寝言と寝息」をアピール

劇場アニメ「この本を盗む者は」

2025年12月26日（金）全国ロードショー

スタッフ

原作：深緑野分「この本を盗む者は」（角川文庫/KADOKAWA刊）
監督・コンテ・演出：福岡大生
構成・脚本：中西やすひろ
キャラクターデザイン・作画監督：黒澤桂子
美術：草薙
色彩設計：村田恵里子（グラフィニカ）、加口大朗
CGディレクター：市川孝次（グラフィニカ）
2Dデザイン：久保田彩（グラフィニカ）
撮影監督：戸澤雄一朗（グラフィニカ）
編集：重村建吾
音楽：大島ミチル
音響監督：郷文裕貴
アニメーションプロデューサー：比嘉勇二
アニメーション制作：かごかん（株式会社かごめかんぱにー）
配給：角川ANIMATION
製作幹事：KADOKAWA
製作：「この本を盗む者は」製作委員会

キャスト

御倉深冬：片岡凜
真白：田牧そら
御倉ひるね：東山奈央
御倉あゆむ：諏訪部順一
与謝野蛍子：伊藤静
春田貴文：土屋神葉
要 純一郎：千葉繁
チェ・タンビ：鈴木崚汰
原田夏芽：上田麗奈
菊地田 治：関智一
春田栞：高橋李依
御倉たまき：朴璐美