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本作は、四畳半のアパートに住みながら路上で古物を売って暮らす大貫大が、黄泉の国に迷い込んだことをきっかけに自身の人生を見つめ直していくさまを描く幻想奇譚。大を田中が演じた。
制作経緯を尋ねられた平波は「企画・原案・共同脚本を担当した大江戸康さんから『映画を作りたいんだけど興味ないかな?』と2、3年前に声を掛けられました。受け取った台本は自由で荒唐無稽ではちゃめちゃなものだったんですが(笑)、そのときがちょうどコロナで緊急事態宣言が出た頃で。映画や表現でこの状況にどう立ち向かえばいいのか悩んでいた時期だったので、これなら思い切った作品作りができるんじゃないかと思いました」と答える。今回のイベントでMCを担ったプロデューサー・鈴木徳至も「楽しかったですね。こんなにやりたい放題やれる映画はなかなかないと思う」と満員の客席に向かって笑顔を見せた。
田中は「本当の話なんですが、このオファーをいただいたとき今日と同じくK's cinemaにいたんですよ。E4番ぐらいに座っていて……。映画を観終わったあとに携帯を見たら、マネージャーからめちゃくちゃ連絡が来ていて『台本を送ったから読んで』と。読んでみて『なんじゃこの話は』とはてなが浮かんだんですが、信頼している平波さんからのオファーでしたし、台本を読めば読むほど一本筋が通っていると思わされたので、断る理由がないと思いました。映画を観ていたときにオファーが来たということで、映画の神様からお声が掛かったような特別な気持ちになれましたね」と振り返る。
また片岡は劇中の“壮絶ないざこざ”について述べ、以前に「宣伝のためにSNSで詳細について書いてもいいか」と平波に尋ねたが「ネタバレになるので」とストップが掛かったことを回想。ただ片岡は「皆さんに映画を観たいと思ってもらわないと」「しつこく感想を検索してるのでぜひ書いてほしい」と熱を持ってアピールを続けた。
キャストのほぼ全員と共演経験があるという柳は「キャストの方々が強すぎて」と笑いつつ、「俊介さんとは(名古屋の映画館)シネマスコーレで知り合っていまして、勝手にミニシアター応援隊だと思っています。こんなふうに和気あいあいと撮影ができて楽しかったです」と語る。また印象的なシーンに骨董市の競りのシーンを挙げ、「実際に競りをしている方が集まってくれたので臨場感がありましたね。撮影に参加しながら、これはいいシーンになるなと思いました。封切りになって、お客さんがあのシーンをどう体験されたのか気になります」と述懐。川瀬も撮影を振り返り「(現場には)目の前に赤や青に塗られている人たちがいて、やる気にしかならなかったですよ」とにぎやかな雰囲気を伝えた。
「餓鬼が笑う」は全国で順次公開中。
田中俊介の映画作品
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おおとも ひさし @tekuriha
田中俊介が「餓鬼が笑う」のオファー回想「映画の神様からお声が掛かったような」 - https://t.co/XKrh5a8kiL