マンガ大賞2020の大賞が、
授賞式ではまず、昨年「彼方のアストラ」で大賞を受賞した
そして篠原の口からマンガ大賞2020の結果が伝えられ、山口が壇上に姿を現した。カエルの被り物で登場した山口は「去年もマンガ大賞の3位をいただいていたのですが、まさか自分が登壇できるとは思いもよらなかった。今日まで本当かなと疑っていました」と授賞の喜びを語る。また山口は「彼方のアストラ」について「父から『ブルーピリオド』より面白いからって勧められて(笑)。最初はなにくそって気持ちで読んだんですけど、5巻まで一気に読んで、ベッドに五体投地して泣きました」と明かした。一方、連載当時から「ブルーピリオド」を読んでいたと述べた篠原は「僕も美大出身でして。高校のときに同じように予備校に通っていたので、胃がキリキリ痛むようなあるあるネタがたくさん(笑)。楽しませていただいてます」と感想を語った。
「ブルーピリオド」の着想について問われた山口は「(『ブルーピリオド』の前に)新海誠監督の『彼女と彼女の猫』という作品のコミカライズをさせてもらって。次の連載どうしようとなったときに、担当さんから『売れるマンガを描く努力をして』と言われて(笑)。売れるマンガってなんだろうと思って本屋さんでいろんなマンガを見ていたらファンタジーかスポ根かなと思ったんです。そのとき、私は美術の勉強をしていたので、美術をスポ根のように描いてもいいじゃないかなと」と回答。また主人公・矢口八虎のキャラクターについては、「一般的な絵が上手いキャラクターのイメージとは真逆にしたいと思って、イケイケで勉強もできてカースト上位……というキャラクターになりました。ただ最初から決まっていたわけじゃなくて、物語を作っていくとともにいろんな側面を見つけていくこともあったので、だんだん決まっていったようなところがあります」と語り、八虎の戦略を持って美大受験に挑むスタイルについては「絵って才能ありきだと思われてることが多いように感じるのですが、才能だけじゃなく理詰めで戦略を立てる人もいらっしゃる。そういう部分を押していきたいっていうのはあります」と振り返る。
美大受験をテーマにしていることから、作中では実際の学生の絵が登場するのも本作の特徴だ。山口は「絵ってその人の個性や哲学が細部に宿ると思うんです。だから自分が真似しても伝わらないだろうと思って、その形を取らせてもらいました。発注することもありますが、作品をまとめてお預かりして、このシーンにはこの絵が合うかなとか、絵に合わせてネームを変えて当てはめていくことが多いです」と述べ、「ネガティブなシーンで使うこともあるので、心苦しいときもありますね」と続けた。
またマンガ家を志したきっかけについては「美大に入ってからやりたいことわからなくなってしまって。そのとき、元々マンガやアニメは好きだったので原点に戻ろうと思ってマンガを描き始めたのがきっかけですね」と話す。また自身の美大での経験が活かされたことはあるかという質問には、「自分自身もそうですが、周りにも美術をやっている人が多いのは、このマンガにおいて自分の強みだと思います」と答えた。さらに本日使っているカエルの被り物については「カエルがただ好きっていうだけなんですけど(笑)。高校生の頃にこの被り物をして撮った写真をTwitterのアイコンにしてるんですが、それが変えるに変えられなくなって……」と困ったように語る場面もあった。
「ブルーピリオド」は成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りながらも、どこか空虚で焦燥感を感じて生きている男子高校生・矢口八虎が、絵を描くことの楽しさに目覚め、美大受験を志す物語。月刊アフタヌーン(講談社)にて連載中で、3月23日に最新7巻が発売される。なお山口は、本日24時よりニッポン放送にて放送されるラジオ「ミュ~コミ+プラス」に出演する予定だ。
マンガ大賞2020最終結果
大賞
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
11位
12位
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