ナタリー PowerPush - ナオト・インティライミ

旅の果てに見つけた ナイスな瞬間をキャッチする

ナオト・インティライミが4thアルバム「Nice catch the moment!」をリリースした。今作は「恋する季節」「しあわせになるために」といった優しく切なげなヒットシングル曲に加え、EDMサウンドと、昨秋から今冬にかけて彼が巡ったアフリカや中南米のサウンド、そしてJ-POPを大胆に融合したトライバルな楽曲群も取り揃えた“旅人”ナオトの面目躍如といった1枚。ナオト・インティライミは旅先で何を見たのか、話を聞いた。

取材・文 / 成松哲 撮影 / 八島崇

 
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今のナオト・インティライミに必要な音楽

──今回の「Nice catch the moment!」、楽しく聴かせてもらいました。

ナオト・インティライミ

ありがとうございます(笑)。

──「アルバム」とはよく言ったもんだなあって感じというか、写真のアルバムと同じ。ナオトさんのいろんな表情、横顔を知ることができますよね。シングル曲に見られるような、いわゆる「いい曲」を歌うナイスガイという側面ももちろん切り取られているし、すごく快楽主義的、享楽的な顔もうかがえる。実はEDMみたいな前のめりのダンスミュージックでステップを踏みまくるのが好きな人なんだなあ、という一面も垣間見えたりします。

ブラックアーバンやEDM的な音楽が一番好きだし、一番よく聴いているから、どうしてもそういうサウンドでコーティングしたくなっちゃうんですよね。ただ、自分の好きな音楽っていうのはもちろんそれだけじゃないから、アルバムにはシンプルにバキバキなダンスミュージックもあれば、「ほのぼの」「ぬくもり」「太陽」みたいなノリのあったかい曲もあるっていう。両方とも今の自分にとって必要なものではあるんですよ。

──しかもその2つのテイストが1枚のアルバムの中でうまくマーブル状になってますよね。スティールパンをフィーチャーしたトライバルなEDM「Brand new day」のあとにフォーキーな「恋する季節」をつないでみたりと、いろんなテイストを楽しめる構成にはなっているんだけど、てんでバラバラにはなっていない。ちゃんと一本筋が通っている印象を受けます。

これ、たぶん誰かのプロデュースでやったらバラバラになっちゃったと思うんですよね。でも「Nice catch the moment!」はセルフプロデュース作品。詞も曲も全部自分で書いているし、アレンジはアレンジャーに振るけど、丸投げはしない。自分の頭の中にあるイメージに近づけるようにコントロールはしてるから。その「全部自分でやる」っていうことが一本筋を通してくれたり、軸を作ってくれるんでしょうね。

「直感」という名のセルフプロデュース術

──その「自分の頭の中にあるイメージ」って言語化できます?

うーん……。直感的なものかなあ。最近は特に頭で考えずに感じたものを形にしちゃうことが多くて。例えば「I'm chi-zu-ers」なんかは、言いたいことを言い終えたらもうオシマイ。2分半で曲を終わらせちゃってるわけだし、逆に「声をきかせて」とかは歌が始まるまでのイントロだけで1分半。歌が来る前にピアノソロをガッツリ聴かせちゃうっていう(笑)。そういうアプローチは全部直感的なものなんですよ。こうしたほうが気持ちいいかな、っていう。

──直感に従えるようになったのは、やっぱりキャリアのなせる業?

ナオト・インティライミ

そうですね。「いいんじゃない?」って思える幅がだんだん拡がっているというか、どんどん自由になっている気はします。「Ballooooon!!」の2コーラス目のBメロの「大切なものはなぜ失くしてから気がつく」っていう語りというか、演劇調のフレーズも、昔だったらたぶん「大丈夫かな?」「恥ずかしいよな」って躊躇してる。でも今はもう感じたままに「これでいいじゃん」って。その瞬間瞬間に「いい」と思えたものをパックできるようにはなりましたね。

──「いい」と思えるものを「いい」と即断できる自信ってどうやって獲得しました?

キャリアを積んだから自信を持ててる部分もあるし、あと今回のアルバムの場合は旅に出たっていうのも大きな影響を与えてるんでしょうね、やっぱり。去年の9月にエチオピアに行って、11月にはコロンビア、今年の2月にはカリブ海。その合間合間に歌詞を書き始めたり、レコーディングしたり、ミックスやマスタリングをしたりしてたんですよ。海外に出て、帰ってきたらすぐに曲を作って、また行って、帰ってきたらまた作ってって感じで。その取って出し感、産地直送感のおかげでスティールパンを入れるみたいなアイデアを思いつくことができたし「音楽なんて、そんな考えて頭でっかちにやっても面白くねえよ」「Aメロ→Bメロ→サビを2回繰り返して、落ちサビ(エンディング前のサビ)とか、そんな展開、面白くねえじゃん」って思えるようになったんですよね。具体的に言うと「恋する季節」とかはたぶん旅に出なければこんな展開にはならなかったはずだし。

ニューアルバム「Nice catch the moment!」 / 2013年5月15日発売 / ユニバーサル・シグマ
初回限定盤 [CD+DVD] 3800円 / UMCK-9619
初回限定盤 [CD+DVD] 3800円 / UMCK-9619
通常盤 [CD] 3059円 / UMCK-1445
CD収録曲
  1. introduction~Do whatcha wanna~
  2. Brand new day
  3. 恋する季節
  4. I'm chi-zu-ers
  5. 365
  6. 君生まれし日
  7. ナイテタッテ
  8. Ballooooon!!
  9. しあわせになるために
  10. 未来スケッチ
  11. 声をきかせて
  12. I FEEL IT GOOD
  13. Catch the moment
初回限定盤DVD収録内容
  1. ナイテタッテ(MUSIC VIDEO)
  2. しあわせになるために(MUSIC VIDEO)
  3. 恋する季節(MUSIC VIDEO)
  4. Yeah!(Live at 横浜アリーナon 2012.12.07 「ナオト・インティライミ アリーナツアー2012」)
  5. Hello(Live at 横浜アリーナon 2012.12.07 「ナオト・インティライミ アリーナツアー2012」)
  6. 君に逢いたかった(Live at 横浜アリーナon 2012.12.07 「ナオト・インティライミ アリーナツアー2012」)
ナオト・インティライミ
ナオト・インティライミ

三重県生まれ、千葉県育ち。世界29カ国を515日間かけて1人で渡り歩き、各地でライブを行うなど、世界の音楽と文化を体感。帰国後となる2009年には自らのソロ活動のほか、サポートメンバーとしてMr.Childrenのツアーにも帯同する。そして2010年4月、ナオト・インティライミ名義でのメジャーデビューシングル「カーニバる?」をリリース。同7月には1stアルバム「Shall we travel??」を発表し、メジャーデビューからわずか8ヶ月となる12月には東京・日本武道館公演も開催する。その後も2011年リリースの2ndアルバム「ADVENTURE」がオリコン週間アルバムランキング3位、2012年の3rdアルバム「風歌キャラバン」が同1位を獲得、同年末には紅白歌合戦に初出場するなど快進撃を続け、2013年5月、4thアルバム「Nice catch the moment!」をリリースした。