他人の曲で大盛り上がり！UNCHAINの音楽愛に満ちたカバー曲限定ツアー終幕

UNCHAINが全国ツアー「UNCHAIN Love & Groove Delivery Tour 2015」のファイナルを6月12日に東京・LIQUIDROOMで開催。カバーアルバム「Love & Groove Delivery Vol.3」のリリースツアーということもあり、自身の曲をやらずにカバー曲ばかり演奏するという異色のセットリストでライブが行われた。

揃いの白いツナギを着たメンバー4人がステージに現れると、椎名林檎のカバー「本能」からライブがスタート。まるでDJがノンストップミックスをするようにそのままJamiroquaiのカバー「Virtual Insanity」に突入し、グルーヴィなバンドサウンドで観客を踊らせた。その後も彼らは洋邦のヒットナンバーを次々にカバーし、会場からは1曲ごとに大歓声が。圧倒的な迫力のボーカルと緻密かつダイナミックなバンドサウンドで、4人は名曲の数々に新たな命を吹き込んでいく。

MCでは谷川正憲（Vo, G）が「今日のツアー、なんでしたっけ？ 『他人のふんどしで相撲を取るツアー』でしたっけ？」とボケて会場の笑いを誘った。全国ツアーをほかのアーティストの曲だけで回ってきたことについて、谷浩彰（B）は「やっぱ抵抗あるよな？」と言って笑っていたが、谷川は「逆に珍しくて楽しいと思いますよ。自分たちのメッセージがゼロなわけですから（笑）。純粋に音楽愛にあふれた夜にしたいと思います」と宣言していた。

少女時代「MR.TAXI」のカバーでは佐藤将文（G）がギターを構えたまま振り付きでキレのある踊りを披露し、観客もそれに合わせてダンス。米米CLUBのカバー「Shake Hip!」では会場のあまりの熱気に、谷が空調の温度を下げるようにお願いする一幕もあった。中盤からは「和製スティービー・ワンダー」という紹介で迎えられた木下航志がゲストキーボーディストとして参加。マイケル・ジャクソンの「Love Never Felt So Good」で谷川と木下がソウルフルな歌の応酬を繰り広げた。

またUNCHAINが木下のバックバンドとなって、木下が自身の作品でカバーしたRighteous Brothersの「Unchained Melody」を歌うという、このライブならではのセッションも。ボサノバアレンジで歌ったMOON CHILDの「ESCAPE」、谷がボーカルを務め谷川が入魂のロングサステインを炸裂させたゲイリー・ムーアの「パリの散歩道 」、谷と佐藤がラップを繰り広げたレキシの「狩りから稲作へ」など、バラエティに富んだアレンジでメンバーは観客を楽しませていく。

アンコールは木下が参加した5人編成でThe Emotions「BEST OF MY LOVE」、東京事変「能動的三分間」の2曲をパフォーマンス。しかしアンコールはまだ鳴り止まず、メンバー4人によるダブルアンコールが行われた。ここで谷川が「今日最初に『UNCHAINの曲やりません』って言ったでしょ？ でもやろうかな」と言って、6月17日にリリースするリメイクアルバム「10fold」から新曲「Kiss Kiss Kiss」披露。さらに同アルバムに収録される、人気曲「Show Me Your Height」のリメイクバージョン「Get Ready」も続けて演奏され、会場を興奮の渦で包んでライブは終了した。

なおUNCHAINは「10fold」のリリースを記念し、全国6カ所でのツアー「UNCHAIN Debut 10th Anniversary "10fold"Tour 2015」を10月から開催。オフィシャルサイトでは現在先行予約の受付が行われている。

※記事初出時、一部曲名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。