時雨345ユニット、新山詩織とまったり共演

ti-ti.uuが9月11日に東京・下北沢440で初の自主企画「私生活 #1」を開催した。ti-ti.uuは345（凛として時雨、geek sleep sheep）と、なるけしんご（もらん）によるアコースティックデュオ。2人は初開催となる自主企画でゲストに新山詩織を招きライブを行った。

新山は音楽雑誌「音楽と人」で345と対談したことが縁で今回の企画に出演。ライブカフェならではのまったりとした雰囲気の中、彼女はステージにギターを抱えて登場して自身のメジャーデビュー曲「ゆれるユレル」からライブをスタートさせる。彼女はアコースティックギター1本の弾き語りで、きらびやかな音色のコードバッキングにあわせて芯の通ったエモーショナルな歌声を響かせた。「実はメジャーデビュー前にここの下にあるCLUB251でライブをやっていたんです。今日は初心に帰ったつもりで思いを込めて歌いたいと思います」と宣言した新山は、「『大丈夫』だって」で観客に手拍子を求めて一体感を生み出していく。

その後ギター1本でダイナミクスたっぷりに「ひとりごと」を披露した新山は、続くMCでti-ti.uuについて「アコギ2本で作る音の雰囲気がすごく素敵で、今日は早く観たくて仕方なかったんです」と語った。「だからさ」を演奏したのち、カポタストをポケットにしまってからThe Birthday「ピアノ」のカバーを力強くも繊細なアレンジで届け、続けてキャロル・キング「I feel the earth move」を堂々と歌唱。そして最後に「今　ここにいる」を情感豊かに歌い上げてステージをあとにした。なお新山は12月12日に東京・UNITでアコースティック編成では初となるワンマンライブ「しおりごと ～acoustic version」を開催する。

ti-ti.uuは345が「こんばんは、ti-ti.uuです。今年の3月からライブをやり始めてまだ半年くらいなんですが……」とシャイな様子を見せつつ、「最後まで楽しんで帰ってください」と話してから演奏へ。1曲目「たより」では345のささやくような歌声と温かい響きを持ったアルペジオ、なるけのリードが重なり、観客は息を飲むようにその演奏に聴き入った。変拍子を盛り込んだ「ゆうどき」ではつかみどころのない独特のリズムとフレーズが緊張感を生み出し、メランコリックなリフレインで構成された「ならぶ同じもの」では、345がスタッカート気味に歌うなど、2人は静けさの中にさまざまな表情を見せる楽曲を次々と披露していく。

平静なままに進行していくti-ti.uuのライブ。しかし345がMCで「トートバッグを作りまして……“私生活”でぜひぜひ使ってください」と企画タイトルを交えたグッズ紹介トークを展開し、会場を笑わせる一幕も見られた。さらに345は新山について「『音楽と人』の対談企画で知り合いました。今から一緒に詩織ちゃんの曲を歌いたいと思います」とステージに新山を招き入れ、3人で「午後3時」を披露。345は演奏前に「歌詞にすごく共感しました」と語っており、セッションでは新山と息の合ったハーモニーを聴かせた。その後、ti-ti.uuは「おわり」「帰り道」というタイトルのラストにぴったりな楽曲を届け、余韻を残したままライブを締めくくった。

なおti-ti.uuは10月9日に下北沢440で第2回目の自主企画を開催。こちらの公演にはゲストとして百々和宏（MO'SOME TONEBENDER、geek sleep sheep）と見汐麻衣（ex. 埋火）によるデュオが登場する。