第60回ギャラクシー賞の贈賞式が本日5月31日に東京・セルリアンタワー東急ホテルで行われ、テレビ・報道活動・ラジオ・CM各部門の受賞者が出席した。
ギャラクシー賞とは、放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するため1963年に創設した賞。2023年は60周年という節目を迎え、放送批評懇談会60周年記念賞が
半世紀近くテレビの第一線で活躍してきた稀有な足跡が評価されたタモリ。手にしたトロフィーをまじまじと見つめながら「この式場に来てから事の重大さに気付きました。光栄に思っています」と述べ、その重みを実感する。そして「作品であれば私1人だけの力ではないですが、今回は『お前よくやったぞ』ということなので、ちょっと意味が違いますよね。この世界で活動してきて、ほぼ半分は“非難の歴史”ですよ。まず最初に『テレビでサングラスを掛けるのか?』から始まって。ようやくここいらで褒められ始めた。ちょっと気持ち悪く思いますけど(笑)」とひょうひょうと続ける。
受賞にあたって「鋭い批評性に裏打ちされた唯一無二の知的な笑い」と評されたタモリだが、当の本人は「過大評価です」と一蹴。「ひねくれてますから、それが出ているだけ。技術もないので。そう言っていただくのはありがたいですけどね……批評性はないと思います」と首をかしげる。多趣味で博学という点に関しても「それもまた過大評価! “挫折の歴史”ですよ。面白いと思っても、その分野には先人たちがいるのであきらめてしまう。根性がないんで」と謙遜を重ねた。一方、放送業界における展望については「今、地上波はちょっと下り坂になっているみたいですけど、まだまだやる余地があると思う。今後もそれを見つけてやっていきたいと思います」と前向きに語った。
一般視聴者の投票によるマイベストTV賞グランプリに輝いた連続ドラマ「美しい彼」シーズン2からは、ダブル主演の
平良一成役の萩原は「またこの場に立ててありがたいです。今日は舞台挨拶もしてきたんですけど、本当にたくさんの視聴者の方に『おめでとう』と言っていただけて。喜んでくださる方がいるのは作品を作るうえでものすごい力になるんだなと再び実感しています」と胸いっぱいの様子。そして唐突に「全然関係ないですけど、僕、某サッカーゲームをやっていまして。いつもお声を聞いております。素晴らしい実況を……」と司会のジョン・カビラに伝え、カビラから実況風のセリフが繰り出されると、よりいっそう感無量な表情を浮かべた。そんな姿を横目に、清居奏役の八木は「皆さんの愛をまっすぐ感じられました。こうして2人でステージに立たせていただけるのも、『美しい彼』チーム全員の代表として素敵なトロフィーをいただいていると思うと光栄です」と噛み締め、「2人の時間を生きていることを毎日撮影で感じられて楽しかったです。今でも鮮明に覚えています」とほほえんだ。
なお志賀信夫賞は、日本でテレビ放送が始まった1953年にNHKに入局し、“テレビ1期生”の演出家・脚本家として数々の作品を手がけた岡崎栄が受賞。ラジオ部門ではDJパーソナリティ賞が安住紳一郎に授与された。各部門の大賞として、テレビ部門は「エルピス―希望、あるいは災い―」、報道活動部門は広島テレビ放送のドキュメンタリー素材を平和教材として活用する活動、ラジオ部門は琉球放送のRBCiラジオスペシャル「ダニーボーイ・齋藤悌子、ジャズと生きる」、CM部門は大塚製薬のカロリーメイト「狭い広い世界で篇」が選ばれた。
テレビ部門個人賞を受賞した長澤まさみのスピーチは別途レポートしている。
タモリの映画作品
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