ミュージカル俳優のサポートで未知数の化学反応を楽しみたい
──そんな「エンタス」が今度は観客を迎えて、ライブイベントとして上演されます。すでに出演者は発表されていますが、どのようなステージになるのか、わかる範囲で教えていただけますか?
加藤 わかりません。
東 わからない!(笑) でもLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でミュージックバー・スタイルにすると、会場が広いから、ステージ上がこじんまりとしたシルバニアファミリーみたいになっちゃわない?
加藤 それも面白いけどね。ただ、言えるのは今までテレビの画面を通してしか観られなかったものが目の前で繰り広げられる特別感はあると思います。これまで番組で僕がぜいたくにも間近で味わってきた高揚感や新鮮さを、生でお客様に感じていただけるのはうれしいですね。どういう化学反応が起きるか、僕自身も楽しみですし、マスターとしてスタッフと一緒に、観客、ゲストの方にとにかく楽しんでもらえる空間を作ることが、最大級のおもてなしになるかなと思っています。
──東さんはエンタス初来店になりますね。
加藤 君はゲストというより、こっち側だよ。どちらかと言うと常連客側。
東 ああ、そうなんですか!? じゃあ、まあ僕ももてなしていこうかなと思います。
加藤 ありがとう(笑)。ゲストがデュエットするにしても、ミュージカルを経験している人とのほうが、気持ちが楽じゃないですか。番組内ではできなかったけど、もしかしたら今回は僕もご一緒できるかもしれませんし、第1部ではとんちゃん、第2部ではめぐ姉(濱田めぐみ)にミュージカル俳優としてサポートをしていただけたら心強いです。
東 いやー、うれしい。ミュージカルコンサートでは何となく楽曲のラインナップが予想できますが、今回は僕自身、ソロしかりデュエットしかり、何を歌うか未知なので、ゲストの方々がどういう選択をされても、その方が歌いたいようにお助けできればなと。今は、何が起きるかわからない、そのわからなさを楽しみたいなという気持ちです。きっと何が起きても大丈夫。
加藤 ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」でアッキーさん(中川晃教)に鍛えられたでしょ?
東 確かに(笑)。アッキーさんは(モノマネで)「和樹ー、こんにちはー♪」って急に歌い始めたりするから。
ミュージカル愛が生み出す“初めて”の奇跡に立ち会って
──当日は第1部と第2部でゲストが異なり、第1部には東さんと高橋真麻さん、元宝塚歌劇団の飛龍つかささん、松浦さん、第2部には荒木宏文さん、豊永利行さん、濱田さん、松下優也さんが出演されます。加藤さんにご縁が深そうな方がいたり、意外な顔合わせもあったりしますね。
加藤 特に第1部で、真麻さんやつかささんといった、初めましての方がいらっしゃるのは「エンタス」ならではですね。真麻さんにはミュージカル愛をたっぷりと語っていただきたいですし、それをパフォーマンスでも観られると思うと楽しみです。何を歌われてもたぶん驚きがある。逆に第2部には昔、テニミュ(「ミュージカル『テニスの王子様』」)で一緒になったあらやん(荒木)とトシ(豊永)がいるので、まだわかりませんが、2.5次元舞台系のナンバーもできたら良いなと。
東 「Do Your Best!」とか?(笑)
加藤 そうそう。とんちゃんも出る? テニミュ出身者として。あ、でも僕は航大くんととんちゃんのJ-POPが聴きたいんだよね。
東 (平井堅のモノマネで)おーおーきなのっぽの……♪
加藤 声質的には合うと思うよ(笑)。
──今回は「エンタス」が1日限りのライブイベントに結実しますが、「エンタス」を通して“縁が足された”実感はありますか?
加藤 あります! オーイシさんが初回にゲストで来てくださって、そのあとすぐに常連客として再び来店して「あれやりたい、これやりたい」とミュージカルに対する熱意を語ってくれたり、黒崎真音さんがミュージカルが好きすぎて実際に音楽劇「ジェイド・バイン」をプロデュースされたエピソードを話してくれたり、「ミュージカルをやりたい人ってたくさんいるんだな」と実感しました。僕もとんちゃんも2.5次元舞台の出身で、同じようにジャンルの垣根を越えるという経験をしてきました。また最近ではミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」のように、マンガ原作とミュージカル俳優のコラボレーションも多いですし、ミュージカルがまた一段と盛り上がっていく予感がしているので、「エンタス」が何かのきっかけになったらうれしいですね。
──1日限りの開催がもったいないくらい、可能性の種が詰まったイベントになりそうです。
加藤 バーを長くやっていくためにも、今回は必ず皆さんに来ていただいて(笑)、期待の声をお寄せいただきたいですね。
東 「エンタス」で、いろいろなジャンルの音楽があることを知っていただくのも良いですし、組み合わせの妙や、「誰と誰のこんな曲を聞きたい」と想像を膨らませて、楽しんでもらいたいです。終演後にまたどこかのミュージックバーに足を運んでみるのも面白いと思います。
加藤 本当に、ゲストの方だけじゃなくお客様にも僕はおもてなしをしたいと思っているので、ここでしか伝えられない音楽や歌の魅力で、皆様をお迎えできたらと思っています。アーティストさんにとっても、初めてミュージカルソングを披露する瞬間というのはそこにしかないもの。僕は番組で申し訳ないほどにその貴重な体験をたくさんさせていただいたので、今度は皆様に“初めて”に立ち会っていただき、奇跡のような空間を楽しく、共有できればうれしいです。ぜひ、縁を足しに来てください。
プロフィール
加藤和樹(カトウカズキ)
1984年、愛知県生まれ。2005年、「ミュージカル『新テニスの王子様』The Imperial Match 氷帝学園」で初舞台。2006年にアーティストデビュー。舞台・映像出演のほか、精力的なアーティスト活動を続ける。近年の主な出演作に、ミュージカル「ローマの休日」「BARNUM」「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」「るろうに剣心 京都編」、舞台「冬のライオン」など。2021年9月にはアーティストデビュー15周年を記念し、アルバム「K.KベストセラーズII」を発表した。3月5日までミュージカル「キングアーサー」に出演。3月31日に「Community Concert『Kaz♪KoN 2023』」、4・5月に「BACKBEAT」、7・8月にミュージカル「ファントム」が控える。
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東啓介(ヒガシケイスケ)
1995年、東京都生まれ。2013年に「ミュージカル『新テニスの王子様』2ndシーズン」千歳千里役でデビュー。舞台映えする体躯と高い歌唱力でジャンルを超えて活躍する。近年の出演作に、ミュージカル「マタ・ハリ」「ダンス オブ ヴァンパイア」「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~」「ジャージー・ボーイズ」「ザ・ビューティフル・ゲーム」など。2月27日に「東啓介カレンダーブック2023.04-2024.03」(東京ニュース通信社)が発売される。4・5月に舞台「二次会のひとたち」が控える。COCOON PRODUCTION 2023 「シブヤデマタアイマショウ」4月2日16:00開演回にゲスト出演する。
東啓介 (@keisuke_higashi) | Twitter